2007年04月15日

第33回 闘牛士の栄光

フィフス・シーズン

刑事コロンボ

闘牛士の栄光

A MATTER OF HONOR



175.jpg


日本放送 77年10月

脚本・・・ブラッド・ラドニッツ
監督・・・テッド・ポスト
ゲスト・・・リカルド・モンタルバン


今回の親戚

結婚11年目のイトコ(そうゆう記念日がカミサンは大好き)



ストーリー

メキシコの国民的英雄である闘牛士のルイス・モントーヤ(リカルド・モンタルバン)はケガで引退した今でもなお皆のヒーローでした。広い邸宅と牧場を持って優雅に暮らす彼はかつての栄光と名誉を楽しみながら生きているのでした。
ある日若い牧童のクーロがモントーヤの牧場で暴れ牛に立ち向かいケガをする事件がありました。その時クーロを助けるために闘牛場に入ったのはクーロの父親エクトールとモントーヤでした。翌日エクトールは突然荷造りを始め牧場を出て行くとモントーヤに告げます。エクトールは長年モントーヤの相棒をつとめ牧場で働いてきた男でした。しかしモントーヤはクーロにケガをさせた暴れ牛マリネロを自分が殺して始末をつけると言い出し、それが息子のためになるとエクトールを説得。2人で闘牛場に向かいました。するとモントーヤは何を思ったのかエクトールの足に麻酔銃を撃ち、ふらふらになったところで暴れ牛マリネロを闘牛場に放したのでした。エクトールの死を見届けたモントーヤは車でアメリカの講演に出かけてしまい、エクトールが死んだのは誰もいない牧場で息子の仇討ちをしようとしてマリネロに殺されたものとメキシコ警察では思っていました。
ちょうどその頃カミサンが当てた「缶詰買ってメキシコへ行こう」ツアーでメコシコを訪れていたコロンボ夫婦。一人、自分の車で観光していたコロンボは運悪く追突事故を起こして車を持って行かれ困っていました。そこへ現地の警察官サンチェスが現われます。彼はコロンボが解決した例の事件「豪華客船殺人事件(歌声の消えた海)」のことを知っていてぜひ話を聞きたいと引きとめます。
車の件も速やかに解決するからと約束したサンチェスは事件現場のモントーヤの牧場にコロンボを連れていきます。現場を見たコロンボには次々と疑問がわいてきます。まず暴れ牛のマリネロは8000ドルもする高価な牛で、モントーヤに忠実なエクトールが黙って殺そうとしたというのはどう考えても理解できません。エクトールが荷物をまとめて出て行こうとしたのも不自然です。
及び腰の現地警察は国民的アイドルのモントーヤの捜査をいやがり、しぶしぶコロンボが助っ人に加わります。サンチェス警部に頼み込んでエクトールの死体を解剖させて足に注射針のあとも発見。
犯人はモントーヤに間違いないが、動機がわかりません。そこでコロンボは退院したばかりのクーロに話を聞いてみると少しですが動機のようなものがわかりかけてきました。コロンボはクーロに協力を頼み一芝居うつことにします。コロンボとサンチェスがモントーヤ邸を訪ねるとクーロがマリネロと勝負するために闘牛場に入っており大騒ぎになります。モントーヤが駆けつけるとクーロは打ち合わせどうりにマリネロを放したあと逃げてしまい、闘牛場の中にはモントーヤとマリネロだけになります。
しかしマリネロと向き合ったモントーヤは恐怖のあまり足がすくんで動けなくなってしまうのです。
クーロがケガをした日、助けたのは父親のエクトールでモントーヤは今日と同じ状態だったのです。かつての英雄のみじめな姿を見られたモントーヤ。殺人の動機はこれだったのです。全てを見ていたコロンボは何も告げずに去っていくモントーヤの姿をただ見つめるだけでした。



感想

フィフス・シーズンのおなじみ「コロンボ史上初」企画。今回は異国編です。舞台はメキシコです。フォース・シーズンで放送された、歌声の消えた海の続編とも思えるこのエピソードは独特の雰囲気で楽しませてくれます。なぜかメキシコで愛車プジョーに乗っているコロンボさん。あの時の豪華船はフェリーだったんでしょうか?それはともかく楽しそうに走っていると追突事故を起こしてしまって車はどこかに持って行かれてしまいます。冗談じゃないカミサンがホテルで待ってるんだよと言っても聞いてもらえない。コロンボが豪華客船の歌い手殺人事件を解決した話を聞きたがるサンチェス警部とコンビを組んで現地の事件の捜査をするはめになるのです。このサンチェス警部がイイ味出してます!コロンボに色々アドバイスされたことをやろうとするんですが、もしドジをふんだりしたら自分の首が飛んでしまうと心配しつつ出来ることは誠実に実行して、部外者であるコロンボが片付けてくれたら助かるなぁ、とホントは思っていたりして(笑)なにしろサンチェス警部には美人の奥さんと子供が2人いるから家族を養うのは大変ですよね。でも一緒に働くうちにだんだん友情も芽生えてくるんですよ。お互いを尊敬しあうようになってイイ感じになるんです。このサンチェス警部はコロンボシリーズのキャラクターの中でも最も愛すべき人の一人だと思います。吹き替えは新克利さん。ピッタリの名演!さて、今回のゲスト、モントーヤ役のリカルド・モンタルバン氏は「スター・トレック、カーンの逆襲」などで有名な方。私が一番印象に残っているのは「新・猿の惑星」でサーカス団をやっていた親切なアルマンド役です。みなしごになったシーザー(猿)を助けてくれるんですよね。このモントーヤ役はまさにリカルド・モンタルバンのための役だったそうです。メキシコ生まれで、メキシコ訛りの英語を話すのが重要だったそうです。背筋がいつもピンとのびて年を取っても颯爽としている姿はまさに故国の英雄。日本人にはよくわからないメキシコの闘牛なので、その闘牛士がどんなことを考えているのかは見当もつきませんがラストのコロンボとモントーヤが無言で別れて行くシーンは胸に迫るものがあって刑事と犯人という、まったく逆の立場の人間どうしの心の中に通じ合う何かがあった気がします。吹き替えは庄司永建という方で、ベテランの俳優さんです。西部警察の二宮係長役や時代劇でご活躍。モントーヤの牧場で「人間にも牛にも知られた男」気のいいミゲル役の吹き替えはあのバカボンのパパ雨森雅司さん。彼の声を聞くだけでなごんじゃうんですよね。結局カミサンはメキシコに来ているにもかかわらず仕事の虫のコロンボさんと楽しく過ごすこともできずにイトコの結婚記念日があるからって先にバスで帰っちゃう!仲良いのか悪いのか不思議な夫婦です。コロンボさんとカミサンは・・・。


175
posted by まほ at 21:33| Comment(0) | 第33回 闘牛士の栄光 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月12日

第32回 仮面の男

フィフス・シーズン

刑事コロンボ

仮面の男

IDENTITY CRISIS



174.jpg


日本放送 77年9月24日

脚本・・・ウィリアム・ドリスキル
監督・・・パトリック・マクグーハン
ゲスト・・・パトリック・マクグーハン、レスリー・ニールセン


今回のカミサン

お気に入りの曲は「蝶々夫人」とロック!


ストーリー

経営コンサルタントの仕事をしているネルソン・ブレナー(パトリック・マクグーハン)は実はCIAの情報部員で西部地区責任者でした。彼は死んだと思っていたかつての相棒から突然、脅迫を受けます。その相棒ジェロニモ(レスリー・ニールセン)もCIA情報部員で彼らは「二重スパイの内職」を繰り返して大金を稼いでいた仲でした。
ジェロニモは3年前に受け取るはずだった仕事の分け前を要求し、もしブレナーが拒否すれば全てをCIAにバラすと言うのでした。ブレナーは支払いを約束し、その前に一仕事してくれとジェロニモに儲かる話を持ちかけます。スタインメッツという謎の「行商人」の使いの男に合いマイクロフィルムを買い取る商談をしろというものでした。その晩「追いはぎ天国」と呼ばれる海岸で使いの男メルビルと合って話をつけたジェロニモの前に、いきなりブレナーが現われます。
ブレナーはジェロニモを鉄棒で殴打し殺害してしまいます。遺体が発見され警察が捜査を始めてコロンボも「追いはぎ天国」にやって来ます。そして被害者がわざわざ上着を脱がされている事に疑問を持つのでした。コロンボは被害者がヘンダソンという偽名を使っていたということから色々と調べますが、はっきりしたことはわかりません。しかし本物のヘンダソンが勤めている会社の証言からネルソン・ブレナーとの関係が明らかになってきます。ブレナーの仕事先や自宅に押しかけつきまとうコロンボでしたが彼が熱心にブレナーを追いかければ追いかけるほど事態は悪化します。
ブレナーはCIAに訴え、ついにはCIA上層部からコロンボに圧力がかかるのでした。
しかしどんなに考えても怪しいのはブレナーであると確信したコロンボ。ブレナーは殺人事件の夜は会社にいて取引先のデフォンテ社長のために演説原稿をテープに録音していたと言いアリバイを主張。そのテープを聞いたコロンボはベネチアンブラインドを閉める音や中国がオリンピック不参加であるというニュースが出てくるのは、これを録音したのは事件当夜ではなく翌朝の6時以降に間違いない。事件当夜には中国のオリンピック不参加はまだニュースで発表されていなかったのでした・・・。



感想

フォース・シーズンの、祝砲の挽歌で意気投合したピーター・フォークとパトリック・マクグーハン。この二人がまたコンビを組み、今回は出演さらに監督と絶好調で取り組んだのがこの仮面の男です。この作品は刑事コロンボ史上初(フィフス・シーズンは史上初が多いです)のわかりにくさです。まず、犯人がCIAの二重スパイという職業であること。それ自体はカッコイイ響きですが庶民にはどんなことをしているのかイマイチわからない。コロンボさんもCIAの部長さんに合った時には「スパイってどんな事するの?ジェームズ・ボンドみたいな事?」と質問しちゃってるくらいです。そうすると部長さん「今はスパイなんて言わない。オペレーターと言うんだよ」などと答えるんです。何を聞いても「忘れることだ」の一点張りで、でもコロンボさんはくじけない。部長さんにむかって「あ〜、あと一つだけ」とやるのを忘れないのです。さすがだ〜!(笑)ちなみにこの部長さんの役は「奥様は魔女」でダーリンの上司ラリーをやっていた方。豪華なゲストのこのエピソードなんですがヘンダソンと名乗るジェロニモ役はレスリー・ニールセン!出だしの電話「コロラドは川、ジョロニモはインディアン」という会話がスパイっぽくて面白いんですよね。吹き替えは家弓家正さんでシブイ!ちょっと見は悪い人に見えないのは「裸の銃を持つ男」だからでしょうか?でもすぐに殺されちゃう。スパイの役がピッタリのパトリック・マクグーハンは「秘密諜報員ジョン・ドレイク」というドラマでスパイのジョン・ドレイク役を演じており、まさに水を得た魚のようです。彼は「プリズナーNo・6」というカルト的人気のTVドラマにも出ていて、クールでシュールな役柄がお得意かも。あの独特の目つき、話し方などカッコイイんですよね。彼が演じるブレナーとジェロニモが遊園地で会うシーンは見所の一つです。射撃のコーナーでは二人そろってパーフェクトをやってのけ景品の大きなパンダちゃんのぬいぐるみをゲットする!そして次のシーンでは知らない女の子にそのパンダちゃんをあげてしまう。優しいブレナーおじさんです。彼がちょっと微笑むのが意外と可愛かったりします。吹き替えはご存知水戸黄門の佐野浅夫さん。祝砲の挽歌では硬派のマクグーハン、今回は軟派?なマクグーハンでしたが上手いです。でもホンモノのマクグーハンの声はかなり違うらしいですが、私は大満足です、はい。さて「謎の行商人」スタインメッツという老人が出てきます。これはいわゆる二重スパイの片割れ。ブレナーと大いに関係がありますが、ここで書いてしまうとネタばれしてしまうので止めておきます。この作品、コロンボ組勢ぞろいが見られるのも嬉しいです。クレイマー刑事のブルース・カービイー、デフォンテ社長役のヴィト・スコッティ、クラブ・シンドバットのマスター役のヴァル・アヴェリー。御馴染みの皆さんが出てきて本当に楽しいのです。ラストのコロンボとブレナーの会話が今もって謎でわかったような、わからないような。そしてブレナーのあっけない自白も不思議なんですよね・・・。


174
ラベル:刑事コロンボ
posted by まほ at 22:35| Comment(0) | 第32回 仮面の男 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月08日

第31回 ハッサン・サラーの反逆

フィフス・シーズン

刑事コロンボ

ハッサン・サラーの反逆

A CASE OF IMMUNITY


173.jpg



日本放送 76年12月

脚本・・・ルー・シャウ
監督・・・テッド・ポスト
ゲスト・・・ヘクター・エリゾンド



今回の親戚

タキシードを借してくれた義弟(ジョージか?)



ストーリー

ロサンゼルスにあるスワリ国総領事館の総領事代理ハッサン・サラー(ヘクター・エリゾンド)は若き国王カマルが西洋諸国とのオープンな交流を望んでいることを快く思っていませんでした。カマル国王がアメリカを訪問する前日、カマルを支持する若者たちを不快に思っていたサラーは連日、門の前でデモをしている彼らを犯人にするために領事館内での爆発事件を起こします。サラーは部下のハビーブ(サル・ミネオ)と共謀して警備隊長のユセフを自室に呼び出し殺害しアリバイを作るためにロス警察に向かいます。そこで明日到着するカマル国王の警護の打ち合わせをしていたサラーにユセフを装ったハビーブから電話がかかります。その後ハビーブは予定どうりに金庫を爆破し車で逃走しました。ロス警察での警護の打ち合わせには偶然にもコロンボが来ておりサラーと挨拶をかわします。警察幹部の前でサラーは完璧なアリバイを作ったのでした。
ユセフ殺しの捜査が始まりコロンボも領事館に入ります。調べれば調べるほど不審な点が数多くあってまずベテランの警備隊長が銃も抜かずに不用意に後ろから殴打されていること、金庫を爆破して書類を出し燃やしたはずなのに、その燃えかすの上に爆発時に落ちてきた天井のしっくいやホコリがつもっていたこと、ユセフが3時のコーヒーを一口も飲んでいなかったことなどから殺人事件が起こった時にはまだサラーが領事館内にいたのではないか、とコロンボは疑うようになるのでした。事件の当日もデモをしていた学生の証言から車で逃げた共犯はハビーブだとわかり行方を捜していたコロンボでしたが、密かにサラーはハビーブを呼び出し車の事故に見せかけて殺害してしまいます。ハビーブの遺体が発見されパスポートや札束と一緒に壊れたメガネが見つかりました。遺体はメガネをかけていましたが調べてみるとコンタクトもしていたことがわかりました。これは殺人事件だと言うコロンボ。ハビーブが殺された時間のサラーは自室にいたと言っていますが彼の車の走行距離が増えているのはおかしい。コロンボは犯人はサラーだと確信したものの「外交官特権」なるものがあって部外者は手が出せない。しかもサラーはコロンボの上司に圧力をかけてきてこれ以上、捜査することやまして逮捕することなどは国家間の問題になってしまうので不可能です。コロンボはどうするのか?
これが最後とばかりに領事館を訪れたコロンボ。サラーに謝罪をするかに見えましたが超強力なワナを仕掛けます。逮捕されないと知ったサラーは事件のことをほのめかし「君は良くやった」などと言ってハマキやお茶を勧めます。と、そこに現われたのは帰国したはずのカマル国王!ドアの外で二人の会話を聞いていたのでした・・・。




感想

この、ハッサン・サラーの反逆はコロンボ史上初めてのシチュエーション。コロンボさんと異国のサラーさんとの対決です。舞台は領事館です。スワリ国総領事館の総領事代理、と言えば超大物で国内外で権力を持っているすごいお方。このスワリ国というのは服装から判断するとアラブ系の国であることは明白できっと大金持ちで、戒律が厳しいお国柄なのでしょう。ハッサン・サラーは伝統的な考え方の持ち主で今のカマル国王のやり方が気にいらないようなのですが、それにしても同胞を殺すのはいけません!
まして国王がやって来る時期に、そんなことはやるべきじゃない。いったいどんなメリットがあるのか私にはわかりません。国王支持の過激派をこらしめたって効果はないと思うんです。それで国王の地位があやうくなるのを狙ったのか?そのへんの動機が今ひとつわかりかねます。それはさておき、お話は良く出来の1本です。難攻不落のハッサン・サラーをどうやって逮捕、および自白させるのかが一番の見所でした。でも仕事熱心なコロンボさんのことですから、けしてひるんだりしません。いつもどうりしつっこくサラーさんにつきまといます。ちょくちょく領事館にやって来ては独自の捜査をするのです。
呼ばれてもいないパーティにまで顔を出して、激怒したサラーさんに強制退去を命じられる(笑)ラストは「私、クビになっちゃいます」とサラーさんに泣きつきます。そんなコロンボさんに騙されて領事館に入れたサラーさん、運のつきです。二人で事件について語るうちに逮捕されないとわかってるサラーさんはペラペラと余計なことをしゃべってしまいます。そしたら国王が現われて〜、残念〜!いや、とにかくラストは痛快です。こんな権力者を逮捕したというエピソードは他にはありません。
さて、そんな大物ハッサン・サラーを演じたのがヘクター・エリゾンド1936年生まれの彼は当時39歳。貫禄があります。そしてアラブの民族衣装が良く似合います。今でもご活躍で現在公開中の「プリティ・プリンセス2」にもご出演だそうです。「プリティ・ウーマン」にも出ていたそうです。TVドラマでは近年「シカゴホープ」にも出ていました。吹き替えは井上孝雄さん。最高です。大好き。ちなみに「シカゴホープ」の時は愛川キンキンが吹き替えてたような気がします。ヘクター・エリゾンドって人は色んな人種を演じ分けるのがお得意らしく、このサラー役もかなり板について上手いです。今回なんと言っても面白いのは「異国人」の間で働くコロンボさんの姿です。マナーもなにも気にしない彼は調理室にズカズカと入っていく(王様の料理を作っている最中です!)そして料理をご馳走になる!気取らないオバサン体質が、かえって憎めないんですよね。平気でサラーさんの衣装をふんずけたり貴重な歴史的お宝を落としそうになったり、とドリフのコントも真っ青の見所が一杯なのです。



173


ラベル:刑事コロンボ

2007年04月06日

第30回 忘れられたスター

フィフス・シーズン

刑事コロンボ

忘れられたスター

FORGOTTEN LADY


172.jpg


日本放送 77年1月

脚本・・・ウィリアム・ドリスキル
監督・・・ハーベイ・ハート
ゲスト・・・ジャネット・リー



今回のカミサン(?)

ダンスもイケるし、歌も上手い。コロンボはどっちもダメ。特に歌はオンチ!



ストーリー

往年のミュージカル映画の名シーンを集めた「ソング&ダンス」という映画が公開されて大ヒットし、今は引退同然のかつての大女優グレース・ウイラー(ジャネット・リー)はこのチャンスにカムバックしようと当時のパートナーのネッド・ダイアモンドに話をつけ彼の演出と振り付けで、ブロードウェイでのミュージカル上演を企画していました。
しかしグレースの夫で今はリタイアしている医学博士のウィリスは、なぜか彼女の計画に反対します。裕福な夫がミュージカルの資金を出してくれると信じていたグレースでしたがそれが受けられないと知って落胆し夫の殺害を計画します。
その夜11時から、いつものようにグレースは屋敷の中の試写室で自分の映画を見ていました。
その途中、執事のレイモンドの目を盗んでガレージの車から拳銃を持ち出し2階の夫の部屋へ。
睡眠薬でぐっすり眠っている夫の手に拳銃をに握らせて引き金を引くと部屋の中から鍵を閉めたグレースはバルコニー近くの木に飛び移り、すばやく1階の試写室に戻りました。ホッとした彼女がスクリーンを見るとフィルムが切れて画面が真っ白になっています。慌ててそれをつなぎ続きを見終えると午前1時になっていました。執事が現れると何事もなかったように取り繕い自室に帰ったグレース。その後、執事によって夫ウィリス博士の死体が発見されコロンボが出動。深夜どやどやと警察関係者も多数グレース邸を訪れます。自殺の線で捜査は進んでいきますがウィリス博士が睡眠薬を飲んでいたこと、ベッドで読んでいた本の内容のこと、また拳銃を取りにガレージに行ったのなら汚れているはずのスリッパがキレイだったこと、など次々とコロンボには疑問に思えてくるのでした。確かにウィリス博士自身、前立腺の手術のことで悩んでいた可能性もあるにはありましたが職業がら、それほど心配することはないという事実も知っていたはずです。
どう考えても自殺ではない、ならば誰が彼を殺したのか、執事でもメイドでもないとすれば犯人はグレースではないのか? そんな時ウィリス博士のカルテを探していたコロンボは、もう一つのカルテを見つけます。患者の名前は「ロージー」となっており、この名前はグレースがお気に入りの映画「ウォーキング・マイ・ベイビー」で演じた役名でした。それによるとグレースは重い病気でとてもミュージカルを出来る状態になく、それを知っていた夫ウィリス博士は彼女のカンバックに反対していたのでした。余命2ヶ月。グレースの病気は記憶力が低下していくというものでした。
「一緒に映画鑑賞を」とグレース邸に呼ばれたコロンボ。そこにはパートナーのネッドも来ていてグレースに言うべき今回の事件の決着をネッドに聞かせます。もう夫を殺したことさえ忘れているグレース。ネッドは自分がウィリスを殺したとグレースに告げ自らコロンボに同行します。2ヶ月グレースの命がある限りは自分が罪をかぶろうと思ったのでした。



感想

フィフス・シーズンは、この忘れられたスターから始まりました。気合の入った2時間バージョン。
ゲストも素晴らしく「サイコ」のジャネット・リー!彼女があんなに楽しげなミュージカルにも出ていたことは知りませんでした。そしてジョン・ベイン。そして、そしてモーリス・エバンス。
なんと彼は「猿の惑星」でザイアス博士を演じた人だそうです。今回は執事レイモンドの役でした。
それから、コロンボの愛車プジョーはもちろん愛犬「ドッグ」も出てきます。テンコ盛りの楽しさ!
まず、グレース役のジャネット・リーさん。華がある往年の大女優という役柄がピッタリでした。
それと、ちょっと年を取って今は悲しい境遇に置かれているという設定も、また実にリアリティがありました。一般ピープルには想像もつかない「女優」という職業の裏と表。過去の栄光よもう一度と夢を追ってしまい殺人まで犯してしまう彼女の人生って。考えようによっては自分勝手でワガママ。
でも、そうせざるをえない女優の性みたいなものが感じられました。そして、グレースの場合は病気が進行し自分のやったことを忘れてしまう、というのもコロンボではめずらしい展開でした。
めずらしいと言えば、刑事コロンボ史上、ただ一人逮捕されなかった犯人がこのグレース・ウィラー!かわりにネッド・ダイヤモンド(ジョン・ベイン)が逮捕されるんですよね。ここは泣けます〜。
愛するグレースの身代わりになろうとするネッド。カッコイイです。吹き替えは仮面ライダーなどのおやっさん役の小林昭二さん。確かにグレースは可愛い女です。守ってあげたくなる気持ちわかります。
さて、この作品で一番の見所?はコロンボさんのダーク・スーツ&蝶ネクタイ姿です!グレース邸に招かれてオシャレして来るんですが、なかなかカッコイイんですよ!ちなみにカミサンも呼ばれていてもしかしたらミセス・コロンボの顔を拝めるかと期待させるんですが今回も当然ですが出てきません!
そりゃ、犯人を逮捕するという重要な状況にカミサンは連れてこないよなぁ、やっぱり(笑)
え〜、テンコ盛りのこのエピソードではコロンボさんが警察の射撃テストを受けていなくて怒られるというシーンがあります。けっこう面白いので、もっとちゃんとやったら良かったかもと思うんです。隅っこのほうに追いやられてる感じなので、もったいないです。コロンボと女優対決は過去にもありセカンド・シーズンの、偶像のレクイエムもかつての大女優との共演でした。これってピーターさんのご要望かしら?コロンボさんは映画スターに会えて嬉しそうなんですよね。ラスト・シーンはまるで映画のようです。グレースとネッドの会話、最後のコロンボさんのセリフ、どれをとっても映画っぽい。これでハッピーエンドなら良かったんですが、刑事コロンボの場合はそうはいきませんよね。

posted by まほ at 17:20| Comment(5) | 第30回 忘れられたスター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月03日

第29回 5時30分の目撃者

フォース・シーズン

刑事コロンボ

5時30分の目撃者

A DEADLY STATE OF MIND



0-061227-16.jpg


日本放送 76年12月

脚本・・・ピーター・S・フィッシャー
監督・・・ハーベイ・ハート
ゲスト・・・ジョージ・ハミルトン


*


ストーリー

精神科医のマーク・コリアー(ジョージ・ハミルトン)は催眠療法の本を執筆していました。
コリアーは彼の患者でその本のモデルになっている人妻ナディアと深い仲になっていました。
ナディアと密会するために彼女の別荘を訪れたコリアーは運悪く夫のカールと鉢合わせして怒ったカールに患者と関係していることや催眠療法のために薬を使っていることなどを暴露してやると脅されます。逆上したカールは妻とコリアーに襲いかかり、とっさにコリアーは暖炉の火かき棒でカールの後頭部を殴打し殺害してしまいます。
コリアーは二人組の強盗が押し入ってカールを殺したという筋書きをナディアに信じ込ませて自分はアリバイ作りのために車で帰ろうとしたその時、門のところで散歩中の男性に出くわし危うくひきそうになります。しかし相手が盲導犬を連れた盲人だったので、気にとめることもありませんでした。ほどなく捜査が始まりコロンボもクレーマー刑事らと別荘に向かいます。
強盗事件について証言するナディアでしたが、聞けば聞くほど矛盾だらけに思えたコロンボは主治医のコリアーにも助言を求めます。コリアーはナディアを嘘発見器にかけるように言って自分は次の策を講じます。カール殺しの罪をナディアになすりつけたいコリアーは催眠術を使いナディアがコリアーからの電話がきっかけで「プールで泳ぐ」ように指示しておきます。
夜、コリアーの家では友人を招いてパーティーが行われていました。そこに現れたコロンボ。
犯行現場で発見したライターの石とタイヤの跡からコリアーを疑っていたコロンボは10時にコリアーがどこかへ電話するのを見ます。その相手はもちろんナディアでした。彼女は受話器を置くと服を脱いでキレイにたたみ5階のバルコニーから下のプールへと「飛んだ」のでした。
ナディアの死体が発見され服を着ていないのを見たコロンボは、これは夫殺しを後悔した自殺ではなくただ「プールに飛び込んだ」だけなのではないか?と思うようになり検死の結果ナディアの身体からアモバルビタールという薬が発見された事実を考えるとコリアーが催眠療法を悪用して彼女を殺したという疑惑が浮かび上がってきました。そしてクレイマー刑事が事件当日ナディアの別荘からコリアーが出てくるのを「5時30分に見た」という目撃者を発見します。
別荘に呼び出されたコリアーはソファに座るサングラスの男を一目見ただけで盲人だと断定します。
しかしその男はすらすらと雑誌を読んでしまうのです。彼は目が見えるのか?あの日出合った男は盲人ではなかったのか?困惑するコリアーの前に、もう一人盲導犬を連れた例の男が現れるのです。
コリアーが見たのは、こちらの男だったのです。事件の日にはっきりと見ていないかぎり目撃者が盲人だと言い切れるはずはない!そう主張するコロンボ。そう、目撃者とはコリアーだったのです。

感想

この、5時30分の目撃者はフォース・シーズン最後のエピソード。初めて見た時は感動しました。
いえ、何回見てもラストはぞくぞくします。脚本、監督、ラストのトリックなど、どれを取っても強力です。ゲストのジョージ・ハミルトンは当時まだ36歳の若さでやり手の精神科医でモテモテプレイボーイ、ファッションもイケてるという、まさにコロンボさんとは正反対のキャラクター。
自分の患者とイイ仲になるのはお手のものでボーデン博士という同僚の女性にも手を出しています。
その上ナディアとの関係も新刊の本の題材にするという抜け目のなさです。そんな彼は愛人の夫を殺害してしまうのですが、これはたぶん計画的ではなかったんでしょう。自分の地位を守るために仕方なくという感じでした。が、愛人のナディアも殺してしまうのは、ちょっとどうかと思います。
コリアー先生、かなりな悪党ぶりですよね。ご存知コリアー役のジョージ・ハミルトンは実際にもプレイボーイさんで有名な方です。映画「ドラキュラ都へ行く」などにもご出演。ご婦人たちには絶大なる人気があるもようです。吹き替えは小林勝彦さん。彼は時代劇で悪役ばかりの俳優さん。
今でもご活躍で悪代官などがお得意です。あまり吹き替えはされないようで映画「白と黒のナイフ」のジェフ・ブリッジスなどでしかお目にかかれません。声カッコイイのに残念です。
精神的にもろいファザコンのナディア役の彼女はレスリー・アン・ウォーレン。66年から73年のTVドラマ「スパイ大作戦」に出ていた女優さん。信頼していた主治医に殺されるというのはイヤだ絶対にイヤだわ〜。さて、祝砲の挽歌に続いてご登場のクレイマー刑事!コロンボさんとのやりとりも板についてきて良いコンビ。のんきでヤル気があまり感じられないのが欠点なんですが(笑)最後のトリックはコロンボさんらしいやり方です。強引といえば強引でツッこまれると困るかも〜!
しかし犯人が自白をしない以上は、ああゆうのもアリなんですよね。コロンボ流では・・・。
さて、このフォース・シーズンでピーター・フォークさんは2度目のエミー賞主演男優賞をゲットしもう国民的アイドル!な立場でした。まさに刑事コロンボを演じるために生まれてきたような人です。


171
ラベル:コロンボ 刑事
posted by まほ at 10:01| Comment(0) | 第29回 5時30分の目撃者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月04日

第28回 ビデオテープの証言

フォース・シーズン

刑事コロンボ

ビデオテープの証言

PLAYBACK


170.jpg

日本放送 76年12月

脚本・・・デビッド・L・ルイス&ブッカー・T・ブラッドショー
監督・・・バーナード・L・コワルスキー
ゲスト・・・オスカー・ベルナー


ストーリー

ミダス電子工業の社長ハロルド・ヴァンウィック(オスカー・ベルナー)は会長のマーガレットの娘エリザベス(ジーナ・ローランズ)と結婚したことで、その地位についていました。
ハロルドが会社の金を使って道楽である電子機器の開発にかまけていたために業績は悪化しつつあり現にヴァンウィック邸もハロルドの趣味で高価な最新のハイテク警備システムで固められていました。足が悪く車椅子の生活をしている妻エリザベスのためにとハロルドは屋敷のドアを全て音に反応して開くようにしてありましたがマーガレットには、それもハロルドの単なる道楽にしか思えません。私立探偵にハロルドの捜査をさせていたマーガレットは彼の浮気の証拠をつかみ、ついには会社をクビにする決意を固めます。それを知ったハロルドはマーガレットの殺害を計画しビデオをつかってアリバイを作ろうとします。まず自宅のコントロール室から警備室のガードマンのモニターに無人の書斎が映っているビデオを流し、その間にマーガレットを書斎で射殺。その後しばらくしてタイマーが作動し殺害の録画映像がガードマンのモニターに映るようにしておき、ハロルドは画廊のパーティに出かけました。画廊に着いて数分たった頃モニターに映ったマーガレットの殺害場面をみたガードマンからの電話でハロルドは自宅に引き返します。捜査に乗り出した警察、そしてコロンボは事件は強盗が侵入してハチ合わせしたマーガレットが殺されたということになりましたが、コロンボだけは納得せず殺害されたと思われる時間より早くにエリザベスが聞いた物音が気になって、もしかしたらハロルドが在宅中に事件は起こったのではないかと疑問を持ちます。ガードマンが見ていたマーガレットが撃たれる瞬間のビデオと、その現場にガードマンが駆けつけて来た時のビデオ。その二つを見比べてコロンボは、ある事に気づきます。それは画廊のパーティの招待状が机の上に置かれてる事でした・・・。

感想

この、ビデオテープの証言はピーター・フォークさんのお気に入りのエピソードだそうです。
確かにゲストスターがすごいです。犯人ハロルド役のオスカー・ベルナーは「突然炎のごとく」や「華氏451」などに出演した有名な俳優さん。知的で繊細でクールな感じで何を考えているのかわからないところが面白くてコロンボシリーズでも異色のキャスティングと言われているそうです。
ちなみにオスカー・ベルナーさんのTVドラマ出演は、この作品だけだったそうで貴重ですよね。
ハロルド役の吹き替えは、こちらも信じられないキャスティングの山田吾一さん!ビックリです!75〜76年当時はTVドラマで活躍されていた山田さんですが吹き替えは本当にめずらしいです。う〜ん、合っているのかいないのか、どうなんでしょう?でも慣れてくると不思議と違和感はないし気だるくて、ちょっとナゲヤリで、女好きなキャラクターがむしろピッタリな気もしてきます。そしてラストでエキセントリックな面を見せて妻にせまるところなどは見ものかも知れません。ピーター・フォークの親友ジョン・カサベテスの奥さんジーナ・ローランズがエリザベス役で出ているのもステキです。もちろんピーター・フォークも大喜びで彼がこのエピソードを好きな理由が彼女の出演であったことは間違いありません。このエリザベス役は映画「グロリア」などの彼女とはまるで違います。でも、か弱くみえても芯は強い女性であるように見えるのが彼女たる所以なのかも。今回はコロンボの愛犬「ドッグ」も出てきて美しいエリザベスとのツーショットもありで楽しめます。そして、私がこの作品中一番好きな?シーンは画廊に聞き込みに行ったコロンボさんと女性オーナーとのちぐはぐな会話です。絵画や彫刻など芸術作品が並んでいるところで色々と質問するコロンボさん。しかし説明を聞いてもサッパリわからない。値段を聞いてもただただ驚くばかりです。最後には壁の換気口まで芸術作品に見えてきちゃった!このシーン何度見ても笑えます。本当にコロンボさんたらオチャメです。そんな会話を楽しむ女性オーナーの吹き替えは、あの曽我町子さん。初代オバQです。当時最新のハイテク技術を駆使した、ビデオテープの証言はコロンボのこの一言「殺人の瞬間を初めてビデオで見たよ」というセリフがよく表しています。いつも死体に遭遇するコロンボさんも殺人が行わるのを見るのは、そりゃ初めてでしょう。そして、いつもは犯人の自白に頼ることの多い事件の解決も今回はビデオのおかげでバッチリ証拠を突きつけることができるのです。その明快な決着も見ものです。

170
posted by まほ at 17:23| Comment(0) | 第28回 ビデオテープの証言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月28日

第27回 歌声の消えた海

フォース・シーズン

刑事コロンボ

歌声の消えた海

TROUBLED WATERS


mimichin.jpg
カミサン予想図 by まほ


日本放送 76年1月

脚本・・・ウィリアム・ドリスキル
監督・・・ベン・ギャザラ
ゲスト・・・ロバート・ボーン


今回の親戚

車の修理工場をやっている義理の弟(ジョージか?)


ストーリー

「缶詰買ってメキシコへ行こう」キャンペーンにクジ運のいいコロンボのカミさんが当たり今回、コロンボ夫婦は豪華客船に乗ってアカプルコの旅に出かけます。
その船シーパレス号には中古車ディーラーのダンジガー(ロバート・ボーン)も乗っておりさらにダンジガーの愛人で船旅のショーで歌っている歌手のロザンナも乗っていました。
ロザンナに二人の関係を妻にバラすと脅されていたダンジガーは、この船旅の間にロザンナを殺害しようと計画していました。中古車ディーラーであるダンジガーは仕事で使っている車の合鍵を作るカーチスクリッパーという道具でシーパレス号の全てのドアに合うマスターキーを作っておきました。昼間、ダンジガーはプールサイドで薬を使って軽い心臓発作に似た症状を起こして医務室に運ばれてるようにしておき、その晩は医務室で眠っているように見せかけて看護婦が目を離したすきに医務室を抜け出します。ロザンナの部屋に行ったダンジガーは例のマスターキーを使って彼女の部屋に入り隠し持っていた銃で羽枕ごしにロザンナを殺害します。死体のそばの鏡に「L」の文字書き、拳銃を洗濯室に隠すと急いで医務室に戻ったダンジガー。全て上手くいったかのように思われました。ロザンナの死体が発見されると船長はコロンボに内密の捜査を依頼します。運良くこの船に乗っていた唯一の警察関係者のコロンボ刑事。そんな時、船酔いに悩んでいたコロンボは捜査を中断して医務室に薬をもらいに行きます。
何気なく医務室の床を見たコロンボは羽枕のハネを見つけ、昨夜から医務室にいるダンジガーがあやしいのではないかと思うようになります。凶器の銃はすぐに見つかりますが指紋は見つからず「L」の文字の件で疑われているバンドマンのロイドの指にも硝煙反応が見られません。犯人が手袋をして殺害したとすれば凶器は発見されたのに手袋が見つからないのはおかしいとコロンボはダンジガーに質問します。殺人の翌日、使った手術用の手袋を海に捨ててしまったダンジガーはロイド犯行説を決定的にするために、もう一度手術用の手袋を盗み他人の銃をしっけいして密かに発砲して、すぐ見つかる消化ホースの中に隠しておきました。消防訓練の時に手袋は見つかります。
これで自分の疑いが晴れると思っていたダンジガーでした。しかしコロンボの以外な捜査の結果は?


感想

この、歌声の消えた海はコロンボ・シリーズ初の試みです。舞台がなんと海の上の豪華客船なのです。
めずらしくレジャーを楽しむコロンボさんが突然、殺人事件に巻き込まれてたった一人で捜査をするという、ちょっとワクワクする展開です。でもこれって、アガサ・クリスティーの名探偵ポワロではよくあるシチュエーションですよね?たまたま乗り合わせた探偵(刑事)などが不自由で閉ざされた環境の中で見事に難事件を解決して、めでたし、めでたしで終わるっていうやつです(笑)さて、このエピソードは豪華客船サン・プリンセス号のメキシコへの旅という本当のツアーに同行し実際の船の中で撮影された超リアルな作品です。なんと出てくるお客さんは本物の一般ピープル!監督を始めスタッフ、キャストともに楽しんだ一本になったそうです。コロンボのカミさんも一緒に乗っているという設定も楽しかったです。画面には出てこないんで残念なんですがカミさんに関して色々とおしゃべりするコロンボさんが面白かった!そしてゲストはロバート・ボーンなのも嬉しい!「0011ナポレオン・ソロ」で超有名な彼が犯人役でコロンボと対決するのは見ものですよね〜!いつものように、しつこくつきまとうコロンボを本当にうんざりな顔で見つめるダンジガー役の彼はやっぱりカッコイイのです。吹き替えは西沢利明さん。彼はファースト・シーズンの、二枚のドガの絵ではロス・マーティンの吹き替えをやっていました。悪役がぴったりの声なんですよね、好きです。セカンド・シーズンの、ロンドンの傘にダーク刑事部長役で出ていたバーナード・フォックスが今回は船員のワトキンス役で再登場しています。そしてその上司のギボンズ船長役のパトリック・マクニーの吹き替えは、あの柳生博さんでした。柳生さん上手いです。犯人にされそうなロイド役の彼もセカンドシーズンの、アリバイのダイヤルに出ていたし、なんだかコロンボ組のみんなが一番楽しく仕事してたみたいです。そんな雰囲気がよくわかるシーンがラストのコロンボさんのアロハシャツ姿でしょう。
事件解決という真剣な場面なのに、なぜかアロハシャツを着ているコロンボさん、リラックスしすぎ!でも今回は、はっきり言って大変な捜査でした。鑑識もいないし部下もいない。そんなコロンボさんは昔々の捜査方法で切り抜けます。なかなか出来る男なんですよ、どんな状況であってもコロンボさんは。

169
posted by まほ at 08:46| Comment(10) | 第27回 歌声の消えた海 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月04日

第26回 祝砲の挽歌

フォース・シーズン

刑事コロンボ

祝砲の挽歌

BY DAWN’S EARLY LIGHT


168.jpg


日本放送 76年1月

脚本・・・ハワード・バーク
監督・・・ハーベイ・ハート
ゲスト・・・パトリック・マクグーハン



ストーリー

私立ヘインズ陸軍幼年学校の校長ラムフォード大佐(パトリック・マクグーハン)は創立記念日の早朝、校庭にある大砲(オールド・サンダー)の砲弾に強力な爆薬を仕込みさらに砲筒が破裂するように筒の中に、大砲清掃用のボロ布を押し込んでおきました。
その時にラムフォードは校舎の窓に吊るしたリンゴ酒のビンを見つけます。
予定どうり創立記念日の式典が始まり創立者の孫で学校の理事長でもあるヘインズも来校し最近は経営が思わしくないこの陸軍学校を閉鎖して男女共学の短大にしたいと提案します。
根っからの軍人であるラムフォードにはそれが許せません。ラムフォードはわざとヘインズを怒らせて今日の式典の祝砲をヘインズに撃たせようとします。作戦は見事に成功しヘインズは自分で撃った祝砲が暴発し亡くなってしまいます。現場に警察が駆けつけコロンボもやって来てそこいら中に飛び散った破片を見て歩いていると黒こげになった布の切れはしを発見します。
空砲を撃ったのに、こげた布が見つかったのはなぜなのか?大砲の清掃当番だったスプリンガー候補生に聞くと創立記念日の前日、大砲の掃除をしなかったと言う。だから黒こげになった布(清掃用ボロ布)が見つかることはありえない。さらに捜査を続けると爆発の音があまりにも大きかったのも不自然です。細かく調べると撃たれた祝砲の中に強力な火薬を見つけました。
これは、あきらかに殺人事件だと断定したコロンボは始めはラムフォードが狙われたのかとも思いましたが、ラムフォードの秘書の証言からヘインズとラムフォードの学校の閉鎖をめぐる口論の事実を知ると、この事件はラムフォードがヘインズを殺害したのではないか?との疑問がわいてくるのでした。リンゴ酒にこだわっていたラムフォードは犯人探しをしていましたがまったく手ががりはなく躍起になっていた頃、生徒と同じ宿舎に泊まりこんでいたコロンボは一足速くリンゴ酒事件の生徒たちに事情を聞いたのです。創立記念日の朝、起床ラッパまで部屋の窓辺に吊るしてあったリンゴ酒。絶対に見つかるはずはなかったのになぜ発見されたのかラムフォードに質問するコロンボは「たった一つ確実に見えていた場所がある」と言うのですがラムフォードは自白するのでしょうか?

感想

この、祝砲の挽歌はフォース・シーズンで最も素晴らしい作品、というより全コロンボのシリーズ中でもベスト5にランキングされそうな傑作です。ゲストのパトリック・マクグーハンの演技が抜群でなんと彼は翌年(75年)のエミー賞のシリーズ番組のゲスト出演部門で最優秀助演男優賞を受賞。
マクグーハン自身もラムフォードという役がお気に入りだったそうで、これ以降も刑事コロンボに出演するきっかけになったと語っているそうです。ラムフォード大佐は悪人ではありませんよね。殺人は許してはいけないことですが彼の軍人としての誇り、仕事に対する誠実さの表れだったのです。厳しく生徒を指導するラムフォードは誰にも好かれてはいませんでした。しかし彼のそんな生き様はコロンボの心を打ちます。そしてお互いに敬意を抱くようになるのです。軍服を着て働くのが自分の仕事、コロンボが制服のように同じヨレヨレのコートを着て働くのも仕事だ。世の中から殺し合いがなくなったら自分もコロンボも喜んで、その制服を脱ぐだろう、と淡々と語るラムフォードの姿には共感せざるを得ないコロンボさん。ちなみに本作品を撮影中お二人の共演はものすごく上手くいってお互いの演技スタイルやスタンスがピッタリだったとか。どちらも役者魂の塊みたいですから当然!
そして意外も意外ラムフォードの吹き替えが佐野浅夫さんというのも、ちょっとすごくないですか?水戸黄門役の佐野さんがパトリック・マクグーハン、しかも悪役。でも合ってます。良いのです。
佐野浅夫さんの吹き替えって他では聞いたことがないので貴重だと思います。迫力満点!ちょっと小ネタなんですがサード・シーズンの、毒のある花に脇で出ていたブルース・カービィさん。今回はめでたくコロンボさんの部下のクレイマー刑事役でご出演です。とってもイイ味出してます。さらに彼の本当の息子ブルース・カービィ・ジュニア!が陸軍学校の生徒役で出演しているのです。このエピソードは脚本が優れているのはもちろん、撮影、音楽など、どれを取っても素晴らしいです。本物の陸軍士官学校でのオール・ロケで行われたは祝砲の挽歌はこのシリーズでもめずらしいタイプで殺人も私利私欲のために行われるものではありません。その点がしみじみと心に残る名作なのです。

168
posted by まほ at 22:10| Comment(2) | 第26回 祝砲の挽歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月05日

第25回 逆転の構図

フォース・シーズン

刑事コロンボ

逆転の構図

NEGATIVE REACTION


167.jpg


日本放送 75年12月

脚本・・・ピーター・S・フィッシャー
監督・・・アルフ・クジェリン
ゲスト・・・ディック・ヴァン・ダイク


今回の親戚

先月、結婚したイトコ
来月、結婚20周年パーティを開くカミサンの兄


ストーリー

ピュリッツアー賞を2回も受賞した有名な写真家ポール・ガレスコ(ディック・ヴァン・ダイク)は長年、妻のフランセスが口うるさく、わがままで自分を押さえつけているのが不満でした。連れ立って出かけたある日の午前中、妻を町外れの空家に連れて行き椅子に縛りつけ写真を撮ると直後に射殺してしまいます。写真に写った時計の針は午後2時にしておきました。刑務所帰りのアルビン・ダシュラーという男を金で雇い、妻を殺した空家を買わせていたガレスコはすでに死んでいる妻が誘拐されているように見せかけるためにダシュラーを利用します。そんなことは知らないダシュラーは打ち合わせの時間どうり朝10時にガレスコ邸に電話をかけます。
それが誘拐犯からの電話だ、ということにしたガレスコはメモに身代金の金額を書き残します。自分で作った脅迫状と妻の縛られた写真を見せて出版社から身代金を借りたガレスコはダシュラーのの自宅に向かい、留守を見計らって部屋に忍び込み妻を撮影したカメラや脅迫状を作った新聞紙などを置いて、約束した午後5時に廃車置場でダシュラーと落ち合いました。
ガレスコは「妻が誘拐された・・・」とダシュラーに告げると妻を殺害した銃でダシュラーを射殺し自分自身も足を撃ってから警察に通報しました。これでダシュラーが妻フランセスを誘拐し身代金を受け取りに来たところガレスコも殺そうとしたが反対に撃たれてしまった、というガレスコが考えた完璧な筋書きどうりになりました。現場に現れたコロンボは事件当時、廃車の中で酒を飲んでいた男トーマス・ドーラン(ヴィト・スコッティ)というホームレスの証言から2人が発砲した時間に多少のズレがあることに気づきます。殺されたダシュラーには殺人の前科はなく、出所してすぐに悪事を働くとも思えません。そして、コロンボが調べれば調べるほど不審な点が浮かび上がります。
最も気にかかることはガレスコが誘拐犯に会いに行った時に30分も遅れていることです。妻のことを心配しているならば遅刻するはずはありません。ガレスコが犯人では?と確信したコロンボは証拠の写真を逆手にとってガレスコをワナをかけます。妻フランセスが縛られた写真を裏焼きして時計の針が午前10時を指しているとガレスコに詰め寄ります。さて、これでガレスコは自白するでしょうか?
こちらも完璧な体勢で臨むコロンボの勝ち目はあるのでしょうか。

感想

この、逆転の構図はまさに見所満載の優れた作品です。ピーター・S・フィッシャーの脚本が最高で120分版という長さをまるで感じさせないのです。犯人役のディック・ヴァン・ダイクも素晴らしく才能にあふれた写真家というキャラクターがピッタリでした。このディック・ヴァン・ダイクさんは映画「メリー・ポピンズ」や「チキ・チキ・バン・バン」などで有名です。最近のTVドラマでも「Dr・マイク・スローン」で活躍している俳優さんです。吹き替えは新田昌玄さんです。時代劇で御馴染みですが吹き替えは本当にめずらしい。悪役っぽい方じゃないんですけどね。知的なところが良かったです。また出てる!のヴィト・スコッティ氏!今回は酔っ払いのホームレス役でした。彼は普段でもピーター・フォークとお友達らしのですが、このトーマス・ドーランという哲学者のようなホームレスの役は、まさにハマリ役。このドーラン氏に会うために教会に行くコロンボは見ものです。ホームレスに食事を振る舞う奉仕活動をしているシスターが、なんとコロンボさんの身なりを見ると例のコートに目が釘付け。ホームレス仲間と思われてしまいます。事情を話すと「変装して捜査!」と思い込んでしまうんです(笑)コロンボさんは否定せずに「どうも、どうも」と笑っていました。
もう一つ、ダシュラーが運転免許を取りに行った時に指導した自動車教習所の試験官も面白いです。この生真面目なミスター・ウィークリィーとコロンボのやり取りが爆笑なんですよね。なんたって仕事以外は、いい加減?なコロンボさんは一緒に車に乗っている間中、怒られてばかりでした。
しかし犯人のポール・ガレスコは冷酷な悪人だろうな〜。2人も殺しているし。おまけに若い助手の女の子とイイ仲になっているからなぁ。いくらりっぱな仕事をしていても私生活は別物なんですね。
さて、今回仕掛ける逆トリックは「なるほど」とうなる結末をむかえます。犯人のプライドの高さや才能をくすぐるようなラスト・シーンです。

167
posted by まほ at 08:43| Comment(2) | 第25回 逆転の構図 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月27日

第24回 自縛の紐

フォース・シーズン

刑事コロンボ

自縛の紐

AN EXERCISE IN FATALITY


26.jpg


日本放送 75年12月

脚本・・・ピーター・S・フィッシャー
監督・・・バーナード・コワルスキー
ゲスト・ロバート・コンラッド


今回の親戚

祖父は骨董好き


ストーリー

ヘルス・クラブ・チェーンのオーナー、マイロ・ジャナス(ロバート・コンラッド)は私腹を肥やす悪ど
い経営をしていいて、各チェーン店から不当な利益を得ていました。
マイロはチェーンの一つを買ったジーン・スタッフォードに、そのカラクリを見抜かれてスタッフォードから絶対に証拠を見つけて告訴してやる!と宣言されてしまいます。
その晩、マイロはスタッフォードの店に行き、残業しているスタッフォードを殺害します。
そしてスタッフォードにトレーニングウエアを着せて、運動中に死亡したように見せるため重いバーベルを乗せて偽装しておきました。
同じ頃マイロの家ではパーティが開かれており彼の秘書のジェシカが客を接待していました。
スタッフォードを殺してから自宅に戻ったマイロは、パーティに来ている友人たちと会って映画を上映すると言って書斎に入り2回線ある電話を使って書斎から居間にいるジェシカに電話を取らせます。ジェシカが出ると、それはスタッフォードからでした。
あらかじめマイロが電話に細工をしていて、それは録音テープの声だったのです。
ジャニスや友人たちの前で一人芝居をしたマイロ。これでマイロのアリバイは完璧です。
捜査を開始したコロンボはピカピカに磨き上げられたジムの床にコゲ茶の靴クリームの跡を発見。それがスタッフォードのものとわかるとトレーニングウエアに運動靴で発見されたのを疑問に思うようになります。運動する前に中華料理をたらふく食べていた事実も気になります。
さらに、あの重いバーベルをスタッフォード自身が持ち上げたことじたいが不自然に思えます。マイロのオフィスでは、かかってきた電話をすべて録音していたことを知ったコロンボは、即マイロのアリバイ作りのトリックを見破り、スタッフォードの運動靴の紐の結び目に注目してこれは殺人者がはかせたものだ、とマイロに迫ります。スタッフォードの行動を知っている者トレーニングウエアに着替えたことを知っている者が犯人だと言うのです。


感想

フォース・シーズンの第1弾は、自縛の紐。このタイトルはドンピシャです。まさにポイント。しかし、ちょっとだけ言えばそれが「重箱の隅」をつつくような感じがするのは私だけ?
でも、そんなところがコロンボさんらしいと言えばそうなんですが。しつこくて細かいのです。
さて、120分バージョンで作られたこの作品は、とてもオーソドックスでわかりやすいです。
犯人の動機も殺人の方法も凝ったところはありません。そのかわり犯人のマイロとコロンボの「会話を楽しむ」対決が面白いし、また今回は特にスポーツ・オタクのような犯人につきあってランニングをさせられるコロンボさんの体力のなさ!も見所です。ニンジン・ジュースを飲んでサプリメントだけという朝食には本当にビックリで、まさに180度違う生活をしている2人。
そんな超人的なマイロを演じるのはロバート・コンラッド。当時40歳。脚本の設定では53歳だったとか。でもホントの53歳の俳優さんでは無理があったでしょうね。なにしろ泳いでから腕立てして、走って、縄跳びして。吹き替えは日下武史さん。TV版アンタッチャブルで御馴染みエリオット・ネス(ロバート・スタック)の吹き替えが有名ですよね。ちなみに日テレ放送時に石田太郎さんで取り直ししているんですが、その時のマイロ役は堀勝之祐さんでした。
仕事熱心なコロンボさんは、ついにはマイロのジムに通ってスエット姿で運動に汗を流すんですがそれも20分で挫折。コロンボさんのスエット姿は・・・休日のオヤジそのものでした(笑)

166
posted by まほ at 07:48| Comment(2) | 第24回 自縛の紐 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。