2006年05月04日

第26回 祝砲の挽歌

フォース・シーズン

刑事コロンボ

祝砲の挽歌

BY DAWN’S EARLY LIGHT


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日本放送 76年1月

脚本・・・ハワード・バーク
監督・・・ハーベイ・ハート
ゲスト・・・パトリック・マクグーハン



ストーリー

私立ヘインズ陸軍幼年学校の校長ラムフォード大佐(パトリック・マクグーハン)は創立記念日の早朝、校庭にある大砲(オールド・サンダー)の砲弾に強力な爆薬を仕込みさらに砲筒が破裂するように筒の中に、大砲清掃用のボロ布を押し込んでおきました。
その時にラムフォードは校舎の窓に吊るしたリンゴ酒のビンを見つけます。
予定どうり創立記念日の式典が始まり創立者の孫で学校の理事長でもあるヘインズも来校し最近は経営が思わしくないこの陸軍学校を閉鎖して男女共学の短大にしたいと提案します。
根っからの軍人であるラムフォードにはそれが許せません。ラムフォードはわざとヘインズを怒らせて今日の式典の祝砲をヘインズに撃たせようとします。作戦は見事に成功しヘインズは自分で撃った祝砲が暴発し亡くなってしまいます。現場に警察が駆けつけコロンボもやって来てそこいら中に飛び散った破片を見て歩いていると黒こげになった布の切れはしを発見します。
空砲を撃ったのに、こげた布が見つかったのはなぜなのか?大砲の清掃当番だったスプリンガー候補生に聞くと創立記念日の前日、大砲の掃除をしなかったと言う。だから黒こげになった布(清掃用ボロ布)が見つかることはありえない。さらに捜査を続けると爆発の音があまりにも大きかったのも不自然です。細かく調べると撃たれた祝砲の中に強力な火薬を見つけました。
これは、あきらかに殺人事件だと断定したコロンボは始めはラムフォードが狙われたのかとも思いましたが、ラムフォードの秘書の証言からヘインズとラムフォードの学校の閉鎖をめぐる口論の事実を知ると、この事件はラムフォードがヘインズを殺害したのではないか?との疑問がわいてくるのでした。リンゴ酒にこだわっていたラムフォードは犯人探しをしていましたがまったく手ががりはなく躍起になっていた頃、生徒と同じ宿舎に泊まりこんでいたコロンボは一足速くリンゴ酒事件の生徒たちに事情を聞いたのです。創立記念日の朝、起床ラッパまで部屋の窓辺に吊るしてあったリンゴ酒。絶対に見つかるはずはなかったのになぜ発見されたのかラムフォードに質問するコロンボは「たった一つ確実に見えていた場所がある」と言うのですがラムフォードは自白するのでしょうか?

感想

この、祝砲の挽歌はフォース・シーズンで最も素晴らしい作品、というより全コロンボのシリーズ中でもベスト5にランキングされそうな傑作です。ゲストのパトリック・マクグーハンの演技が抜群でなんと彼は翌年(75年)のエミー賞のシリーズ番組のゲスト出演部門で最優秀助演男優賞を受賞。
マクグーハン自身もラムフォードという役がお気に入りだったそうで、これ以降も刑事コロンボに出演するきっかけになったと語っているそうです。ラムフォード大佐は悪人ではありませんよね。殺人は許してはいけないことですが彼の軍人としての誇り、仕事に対する誠実さの表れだったのです。厳しく生徒を指導するラムフォードは誰にも好かれてはいませんでした。しかし彼のそんな生き様はコロンボの心を打ちます。そしてお互いに敬意を抱くようになるのです。軍服を着て働くのが自分の仕事、コロンボが制服のように同じヨレヨレのコートを着て働くのも仕事だ。世の中から殺し合いがなくなったら自分もコロンボも喜んで、その制服を脱ぐだろう、と淡々と語るラムフォードの姿には共感せざるを得ないコロンボさん。ちなみに本作品を撮影中お二人の共演はものすごく上手くいってお互いの演技スタイルやスタンスがピッタリだったとか。どちらも役者魂の塊みたいですから当然!
そして意外も意外ラムフォードの吹き替えが佐野浅夫さんというのも、ちょっとすごくないですか?水戸黄門役の佐野さんがパトリック・マクグーハン、しかも悪役。でも合ってます。良いのです。
佐野浅夫さんの吹き替えって他では聞いたことがないので貴重だと思います。迫力満点!ちょっと小ネタなんですがサード・シーズンの、毒のある花に脇で出ていたブルース・カービィさん。今回はめでたくコロンボさんの部下のクレイマー刑事役でご出演です。とってもイイ味出してます。さらに彼の本当の息子ブルース・カービィ・ジュニア!が陸軍学校の生徒役で出演しているのです。このエピソードは脚本が優れているのはもちろん、撮影、音楽など、どれを取っても素晴らしいです。本物の陸軍士官学校でのオール・ロケで行われたは祝砲の挽歌はこのシリーズでもめずらしいタイプで殺人も私利私欲のために行われるものではありません。その点がしみじみと心に残る名作なのです。

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posted by まほ at 22:10| Comment(2) | 第26回 祝砲の挽歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
●7日の土曜日のNHK-hiはこれが放送されていました。たまたま家に居たので放送を見ていました。DVDを持っていても放送されていると見てしまいますね。

●ボクもこのストーリーはコロンボシリーズの最高傑作の一つだと思います。他人にお勧めを訊かれるとこれを挙げるくらいです。

●おっしゃるとおり、追う方も追われる方もプライドの高さをビンビン感じます。文中にある「それも制服だろう」のところなど最高です。お互いのストイックな感じが良い緊張感を持って最後まで進んでいくと思います。

●リンゴ酒を持って学生の前に現れるコロンボもいいです。「こっちゃプロだよ」って感じだなあ。

●ブルース・カービィ。シリーズ中にもっと出て欲しかったなあ。良い子分ですね。後には電気屋のおやじで登場することもあります。
Posted by コロンビー at 2009年02月09日 15:46
コロンビーさん、こんばんは。
NHK-hiで毎週放送されているみたいですね。そうですね、放送されていると見てしまいます。何回でも(笑)

ラムフォード大佐もコロンボさんも仕事に誇りを持っているところがカッコイイですよね。
「それも制服だろう」のシーンはホント最高です。

ブルース・カービィ扮するクレイマー刑事は吹き替えの方(杉田俊也さん?)も良かったですね。
Posted by まほ at 2009年02月09日 21:12
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