2007年12月11日

第41回 秒読みの殺人

セブンス・シーズン

刑事コロンボ

秒読みの殺人

MAKE ME A PERFECT MURDER


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日本放送 79年1月

脚本・・・ロバート・ブリーズ
監督・・・ジェイムズ・フローリー
ゲスト・・・トリッシュ・バン・デバー



今回の親戚

8ミリ映画作るって騒いでいるコッポラ好きの15歳の甥



ストーリー

CNCテレビ西部支局長マークのチーフ・アシスタント、ケイ(トリッシュ・バン・デバー)はプライベートではマークと同棲しており公私ともに良いパートナー関係であると思っていました。彼女には才能があり野心家でマークとの同棲生活も彼の地位を利用しているところがあったのは事実でした。ある日マークにニューヨーク本社への栄転が決まりました。ケイも一緒に行けると思っていたところ、意外にもマークは別れ話を持ち出します。さらに次期支局長の件についてもケイを推薦しないと言い放ち「君にはまとめる能力はあるが決断が出来ない」と言うのでした。
プライドを傷つけられたケイはマークの殺害を計画します。
ケイが高額をつぎこんで制作したTVムービー「ザ・プロフェッショナル」を本社の重役フラナガンらに見せることになった晩、試写室で上映が始まるとケイは映写技師のウォルターに別のフィルムを倉庫まで取りに行かせ次のフィルム・チェンジは自分がやるからと言います。フィルム・チェンジまでの4分間、あらかじめテープに録音しておいた4分間のカウントダウンをイヤホーンで聞きながら残業しているマークの部屋へ早足で向かい、ドアを開けて中へ入るとマークを銃で殺害します。
急いで試写室に戻らなければならないケイは凶器の銃をエレベーターの天井に隠し、ウォルターが戻るギリギリで間一髪フィルム・チェンジに間に合いました。コロンボがマーク殺しの捜査を始めますがマークは椅子に腰掛け、逃げようともせず、しかもメガネははずしたままでした。外部から侵入した殺人犯ならばマークは顔を見ようとメガネをかけただろうし、慌てて逃げようともしたでしょう。
しかしそんな様子は皆無で、これは顔見知りの犯行に違いないとコロンボはマークと親しくしていた人物を洗い出そうとします。マークに豪邸を訪れたコロンボはそこで女性用にシャケットを発見してそれがケイのものであることを突き止めます。2人の関係がわかり動機もわかったコロンボは凶器の銃をエレベーターで見つけると、それとよく似た銃を再びエレベーターの天井に隠して様子を見ます。
コロンボの罠とも知らずエレベーターの天井に銃を見つけたケイは何とか取り戻すことに成功して撮影現場に向かう途中で捨ててしまいます。深夜、回転木馬のシーンを取るために現場を訪れたケイ。「ザ・プロフェッショナル」を局に無断で放送したことがフラナガンの怒りをかってクビを宣告され落ち込んでいました。そこへコロンボがやって来ます。すでに回収していた凶器の銃をケイに見せるとケイは殺害を認めました。「でも、私は負けない。戦って勝つわ」という言葉を残して連行されるケイ。
彼女のやったことは悪いことでしたが、彼女の生き方には関心するコロンボでした。


感想

めずらしいことに、この秒読みの殺人ではコロンボさんが初めから出てきます。といっても交通事故にあってムチ打ち症になってしまいます。年代物の愛車プジョーは頭もお尻もボコボコ状態になっちゃう。しかも犯人!は警察のパトカーなんだから。コロンボさんはツイていません(笑)
さて、今回はまたまた女性の犯人との対決です。舞台は多忙極まれるCNCテレビ局です。やり手の支局長マークと男女の関係を持ち、仕事でもサブをつとめる女性ケイは野心の塊です。貧しい家庭に生まれたことが彼女の上昇志向に火をつけています。マークを上手く利用したつもりが裏切られたので私の今までの人生はいったい何だったの?と逆ギレしたと思えなくもない。マークのほうにも愛情があったとは言えないんですよね。
別れ際に高級車をバーンとケイにブレゼントするのを見たりすると後ろめたさはあったんでしょう。マークさん自分が栄転するんならケイを後釜にするくらいの気遣いがあっても良かったのでは?自分でに勝手に後始末をつけて「じゃ、さよなら」なんて虫が良すぎます。
う〜ん、どう考えても後味が悪いことだけは確かです。そんなわけで今回は女の復讐劇になってます。「ザ・プロフェッショナル」というケイさんが心血をそそいた作品が出てくるのですが、このドラマがポイントになっています。お偉いさん方の評判が今ひとつだったためにケイさんはミュージカル番組の差し替えに放送してしまいます。ミュージカルに主演するはずだった女性はケイさんの親友であてにならないぐだぐだな女優で、本番をすっぽかすという緊急事態を招き、仕方なしにケイさんのドラマ「ザ・プロフェッショナル」を放送することになりました。しか〜し考えてみると、こうゆう女優を選んだ時点でこうなるのは目に見えていたと思います。全てを見越していたケイさんの策略かも?なんて勘ぐりたくもなるんですよね。重役のフラナガン氏の激怒もわかる。フラナガン役はお馴染みパトリック・オニールさんでファースト・シーズンの、パイルD−3の壁のマーカム役でした。
今回の吹き替えは黒沢良さん。実にステキな声です。ピッタリでした(前回は川辺久造さんでした)さて、この作品はコロンボ史上初の「男女関係のもつれによる殺人」でして、ちょっと火曜サスペンスみたいな感じがあります。ケイがイヤホーンでカウントダウンを聞きながら殺人を犯すシーンは見所でハラハラ・ドキドキ。エレベーターの天井の透明な板を持ち上げて銃を取り戻すシーンも良かったです。試写室にいる映写技師ウォルター曰く映画には全て「パンチ」が入っているという事実を聞いて驚くコロンボさんも愉快です。愉快といえばテレビが大好きなコロンボの愛犬ドッグの話。コロンボの家で一番テレビを見ているのはドッグだそうで、スパイ物なんかが大好きだとか。そんな可愛いドッグのために壊れたテレビを修理に出すコロンボさんが、そこで出会ったのは修理屋さんに転職したかつての同僚クレイマー刑事(ブルース・カービイ)でした!なんでこうなるの?本当にこのシーンは爆笑です。
この、秒読みの殺人は製作者リチャード・アラン・シモンズのお気に入りだそうで、新・刑事コロンボシリーズにつながる脚本構成だったそうです。まぁ、コロンボ・ファンとしましては「ムチ打ち症」のコルセットを首にまいた姿が見れるのが楽しいです。犯人のケイが育った貧しい家のテーブルで2人自分自身の話しをするコロンボさん。兄弟が5人妹が1人いると告白し自分も貧しかったと言うのです。
そんなコロンボさんは、やはりちょっと年取った感じで何だか寂しい気持ちになるのでした。


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ラベル:刑事 コロンボ
posted by まほ at 17:39| Comment(2) | 第41回 秒読みの殺人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第40回 美食の報酬

セブンス・シーズン

刑事コロンボ

美食の報酬

MURDER UNDER GLASS


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日本放送 78年5月

脚本・・・ロバート・バン・スコヤック
監督・・・ジョナサン・デミ
ゲスト・・・ルイ・ジュールダン



今回のカミサン

せっかくのパーティを夜学の試験でキャンセル!



ストーリー

有名な料理評論家のポール・ジェラード(ルイ・ジュールダン)はTVや雑誌などでレストランの批評をしていました。そこで美味しいと宣伝することと引き換えにして、何軒かのレストランから「レストラン振興協会」名義の隠し口座に大金を振り込ませていました。イタリア料理店のシェフ、ビットリオ・ロッシは、そんな勝手な取り決めを破棄したうえポールのやり方を世間に暴露する事を心に決め、定休日の晩にポールを店に呼び出して話をつけようとしていました。約束どうり店に来たポールは怒り狂うビットリオを見て驚き、出された食事に少し手をつけただけで帰ってしまいました。
一人になったビットリオはワインの栓を開けグラスに注ぎ、それを一口飲むと突然苦しみだします。
甥のマリオが見ている前でビットリオは死んでしまいました。シェフのアルバートの証言などからビットリオが自殺することは考えられません。しかし死ぬ直前にポールと会っていたことがわかって捜査を開始するコロンボ。すぐにポールを現場に呼び出しますが食事を共にした相手が死んでいるのにポールは心配する様子もなく病院に行ったという話しもしない。これは明らかにビットリオを狙った殺人事件だと確信したコロンボは犯人はポールではないかと疑いはじめます。レストラン振興協会のことも突き止めたコロンボは、ここの金を自由に引き出せる謎の女性デマイロ夫人について興味を持ちポールの秘書のイブ・プラマーにカマをかけると彼女はデマイロは自分だとあっけなく白状します。
ポールの批評を恐れ、彼を憎んでいたビットリオ。レストラン振興協会への献金も拒否されたポールがビットリオを殺したに違いない。でも誰もいないレストランで誰がビットリオを殺すことができたのか。コロンボは「カートリッジ式のワインの栓ぬき」に注目して、その針先に毒物が注入されたと判断。しかも、それはフグの猛毒であることも突き止めました。しかし肝心の証拠がない。証拠がなければポールを逮捕することはできません。それを知っていて、コロンボのことが気になるポールはある日コロンボを事件現場のレストランに呼んで2人で料理をしようと誘うのでした。得意の料理を披露しワインを飲もうとするポールとコロンボ。コロンボはポールの持っていたワイングラスを取り上げて「あなたがすり替えたワインの栓ぬきに毒が仕込んであったんですよ、そしてこれが証拠です!」と言ってポールを驚かせるのです。実はコロンボのグラスに毒入りワインが入っていると思っていたのに知らない間に、それらはすり替えられていました。
観念したポールはコロンボは作った料理を一口食べ「あなたは料理人になるべきでした・・・」とつぶやくのでした。


感想

セブンス・シーズンは今までのシリーズとは趣が違うような気がします。特にこの、美食の報酬はそう。犯人はわかっているものの殺人動機が弱いような気がするし、犯人の生活が今ひとつわからないんです。第一みんなから大金を集めて何に使っていたのかが謎なんですよね。そしてこれまたコロンボシリーズ初の「毒殺」っていうのにも驚きました。ちょっと卑怯じゃないですか、毒殺って。今回のお話でもビットリオがワインを飲まなければ事件にならなかったわけだし。そのへんも完全犯罪とは言えませんでも、そんなもろもろのことは置いといても、このエピソードは文句なしに面白いんですよね!
まずゲストのポール役のルイ・ジュールダンがすごく良いんです!若い頃はめちゃくちゃ二枚目俳優でこの撮影当時は50代後半だったと思いますが、まだまだイケてますし〜(笑)フランス生まれの彼はとってもエレガントです。そして目がイイ!ちょっとアブナイ感じがイイんです!毒殺が似合う顔かも。吹き替えもベテランの金内吉男さんでピッタリでした。脇を固める人達も良くてシェフのアルバートはコロンボさんに美味しい料理をこれでもかってくらい作ってくれます。吹き替えは「バカボンのパパ」雨森雅司さん。ビットリオの吹き替えは藤岡重慶さんで、これもまたピッタリ。甥のマリオも好青年でイタリア語しかしゃべれません。吹き替えの徳丸完さんは全編イタリア語!イタリア系のコロンボさんこのマリオくんがお気に入り。彼と話す時はコロンボさんもイタリア語でした。小池さんたいへんそう!そしてそして、この作品の監督がジョナサン・デミで、のちに映画「羊たちの沈黙」でアカデミー賞を受賞します。コロンボ組の出世頭ってとこでしょうか?ポールさんの友達で日本人の「ケンジ・オズ」という人が出てくるんですが、それがなんとマコ岩松さん。映画「砲艦サンパブロ」でお馴染みです。彼とコロンボさんがポールさんの家で「ふぐさし」を食べるシーンがあって事件の解決につながる!なぜかコロンボさんは、そこに来ていた奥ゆかしい芸者さんが気にいったらしいです。これが日本人が見るとあれ?って思っちゃうんだけどなぁ〜。そんな趣味のコロンボさんは、なんとポールさんの秘書役ジェラ・デニス嬢とプライベートでお知り合いになっていました。77年の12月ピーター・フォークとシェラ・デニス嬢は本当に結婚しているんですよね!ピーター・フォークさんと結婚した彼女ってホンモノのカミサンになってしまったわけです。シェラ・デニス嬢はけっこう派手目の美女なんですがまさか、こうゆう趣味だとは正直思わなかったわ(笑)ちなみにピーターさんの結婚は2度目だそうで28年たった今も幸せにくらしているようです。めでたし、めでたし。で、とにかく今回の作品には美味しそうな料理がたくさ〜ん出てきます。イタリアン、中華、フレンチ、日本料理、ケーキまで!ラストのポールさんとコロンボさんが料理対決するところも見ものです。「牛肉の炒め焼き」という料理を作るコロンボさんはカッコイイです。刑事には見えなくて、シェフに見えます(笑)このシーン、ルイ・ジュールダンVSピーター・フォークの火花ちる演技がすごいんです。まさにブラボーです!美味しい料理をたらふく食べて、美しい妻をもらったコロンボ(ピーター・フォーク)さんにとってこの、美食の報酬は忘れられない作品になったに違いありません。

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ラベル:刑事 コロンボ
posted by まほ at 17:34| Comment(0) | 第40回 美食の報酬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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