2007年10月24日

第39回 死者のメッセージ

セブンス・シーズン

刑事コロンボ

死者のメッセージ

TRY AND CATCH ME


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日本放送 78年4月

脚本・・・ジーン・トンプソン&ポール・タッカホー
監督・・・ジェイムズ・フローリー
ゲスト・・・ルース・ゴードン


今回の親戚

会計士志願の甥


今回のカミサン

犯人(アビゲイル・ミッチェル)の大ファンで新作が出ると
その日に図書館から借りている。


ストーリー

多くのミステリーを執筆し、70歳を越えた今も現役で創作活動を続けるミステリー界の女王アビゲイル・ミッチェル(ルース・ゴードン)は、たった一人の身内であった姪のフィリスをヨットの事故で失っていましたが、フィリスの夫エドモンドは無事だったことを不思議に思いエドモンドが最愛の姪フィリスを殺したと確信していました。アビゲイルは復讐を計画します。
数ヶ月後アビゲイルがニューヨークにたつ晩、彼女はエドモンドを自宅に呼び出しました。
自分の相続人に彼を指定し弁護士立会いのもとで遺言状にサインさせます。喜ぶエドモンドに彼女は書斎の金庫室の番号も教えておきたいと言い、反対している弁護士には知られないようエドモンドが一旦車で帰ったように思わせて、また戻ってきて裏口から入るように指示します。こっそり戻ってきたエドモンドに金庫室の番号を教えたアビゲイルは、彼が金庫室に入った時突然、その重い扉をしめてエドモンドを中に閉じ込めてしまいました。そして彼女は空港へと出発します。秘書のベロニカがエドモンドの死体を発見し、アビゲイルが灰皿に隠しておいたエドモンドの車の鍵も見つけてしまいます。警察が捜査を始め一応、コロンボも参加しますがミステリー作家のアビゲイル邸での事件とあって驚きを隠せません。エドモンドはどうやって閉じ込められたのか、金庫室の警報装置の件や、エドモンドの車の鍵が見つからないことから殺人事件の可能性があると思ったコロンボは、金庫室の中をくまなく調べることにしました。もしエドモンドが殺されたのなら何か一つくらいは「メッセージ」を残しているのではないかそうこうしているうちに鉄で出来た黒いケースが4つ重ねてあるのを見つけたコロンボ。よく見るとあちこちに「ひっかき傷」があり調べてみるとエドモンドがベルトの金具でつけたものでした。4つのケースを並べ替えてみると、その傷が天井に向かう矢印に見えてきました。
天井にある電球のソケットをはずしたコロンボ。そこには「死者のメッセージ」がありました。


感想

刑事コロンボ、セブンス・シーズンは短かったシックス・シーズンのあと心機一転して始まり製作者がエバレット・チェンバースからリチャード・アラン・シモンズに代わっています。
彼はシックス・シーズンの最後のエピソードである、殺しの序曲を担当していました。新たなコンセプトに挑戦したいという意気込みがあったようです。ちょっと年取ったコロンボさんが事件を解決するにあたって今までとは違う雰囲気を出そうとしていたそうです。それは犯人やコロンボさんの「個人的な発言や過去」などにスポットを当てることだったようで、今まではコロンボさんはカミサンの話しはしていたけれど自分については、それほど語ってこなかった。
それが、殺しの序曲では「自分のスタンスやポリシー」を淡々と話すシーンがありましたから。
さて、今回のゲストスターは半端じゃない女優さんです。撮影当時79歳のおばあちゃんです。
アビゲイル役のルース・ゴードンは舞台で活躍し、映画「ローズマリーの赤ちゃん」にも出演したベテランの大女優さん!小柄な身体でも実にパワーが感じられて、時にオチャメで可愛い。ミステリー作家には見えないかも知れませんが、彼女とコロンボさんの対決は見ものでした。吹き替えは南美江さん。お顔は思いだせなくても声を聞けば「あっ〜!」と思う人はいるかも。さすが大金持ちだけに、すごい車やブランド物のオンパレード。精力的に講演会などもこなして2年先の作品も出来ているというスーパーウーマンです。ある日のレディス・クラブの講演会になぜかコロンボさんが飛び入りするハプニングがあるんですが、もちろんお客は女性ばかりです。それもみんな帽子をかぶってるという集まりで、そうゆう規則でもあるんでしょうか?(笑)
そんなご夫人方に向かって「私はこの仕事が好きです。人間が好きです。犯人の人柄が好きになり尊敬できるところもあるんです。どんな人間にだって1つは良いところがあるんですよね」などと語ってみせるんです。そうそう今までのエピソードには犯人との心の交流があったものも多いです。今回はコロンボさんのしつこさが和らぎ、お決まりのセリフ「あ、あと一つだけ!」というのをコロンボさん以外の人に言わせたりしています。殺人の動機も老人の姪かわいさのためのという何とも共感できるものでした。エドモンドの車の鍵を見つけてアビゲイルをゆする秘書ベロニカはサード・シーズンの、第三の終章にも出ていたマリエット・ハートレー。アビゲイル・ミッチェルが可愛く見える分ベロニカがイヤな女に見えてしまったりして。この人若いんだか年なんだかわからない不思議な女優さんです。それとアビゲイルさん家の灰皿が砂っていうのも、すごくめずらしいです。
掃除がたいへんそうなんですが、何か隠すにはちょうどイイかも知れませんね(笑)


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posted by まほ at 17:37| Comment(3) | 第39回 死者のメッセージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月09日

第38回 殺しの序曲

シックス・シーズン

刑事コロンボ

殺しの序曲

THE BYE−BYE SKY HIGH I・Q・MURDER CASE


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日本放送 78年5月

脚本・・・ロバート・マルコム・ヤング
監督・・・サム・ワナメイカー
ゲスト・・・セオドア・バイケル


今回の親戚

会計士志願の甥


今回のカミサン

クロスワードパズルの天才


ストーリー

会計事務所ブラント&ヘイスティングスを経営するオリバー・ブラント(セオドア・バイケル)は共同経営者バーティ・ヘイスティングスと学生時代からの親友でした。二人はともに知能指数が高く世界中のトップの2%の者しか入ることができない天才クラブ「シグマ協会」の会員でした。長い間、顧客の金を勝手に横領していたブラントは、その事実をバーティに知られてしまいます。怒りを抑えきれないバーティは、ついに訴える覚悟を決めたと言ってブラントにせまります。追い詰められたブラントはバーティの殺害を計画しました。シグマ協会で会合が行われていた、ある晩ブラントは密かに2階の書斎に忍び込み、そこにあるステレオ装置と自分で持ち込んだ電線や爆竹、傘などを使ってアリバイトリックの準備を行なってから、遅れたふりをして会合後のシグマ協会に出席。バーティを2階に誘い出すとサイレンサーつきの銃で彼を2発撃って殺害します。先ほどセットしていたアリバイトリックの装置を作動させるためにレコードをかけてから仲間のいる1階に戻りました。
数分後、2階で銃声が響きわたり続いて何かが倒れる音がして、さらに銃声が聞こえました。
慌てて2階に駆け上がるシグマ協会員たちでしたが、発見されたバーティはすでに死んでいました。コロンボ以下警察関係者がシグマ協会に入り捜査が始まります。バーティの親友であったブラントやシグマ協会の天才たちに事件のことを聞いて回るコロンボ。そこで浮かび上がってきた疑問は犯人がなぜ殺害現場からすぐに立ち去らなかったのか、1発目のあとバーティは倒れたにもかかわらず2発目の銃弾の弾道に違いが見られないのはどうしてなのか。ブラント&ヘイスティングス社の秘書ジョージの証言などからブラントの不正に気づいたコロンボは、これが殺人の動機に違いないと思います。ある嵐の夜、シグマ協会にブラントを呼び出したコロンボは以前ブラントに出された「金貨の問題」を解き「バーティ殺害事件」のトリックについても、すらすらと説明するのでした・・・。



感想

こ非常に短かったシックス・シーズン。刑事コロンボは、もう終わるのではないかという雰囲気の中で制作された、殺しの序曲はゲストスター、セオドア・バイケルの存在感が光る名作だと思います。
彼は映画出演多数、歌手、ギタリストとしても有名な俳優さんでコロンボ・シリーズの中でも一番の体格の良さを誇ります(笑)吹き替えは田中明夫さんで、これがピッタリでした。いつもは時代劇などで悪徳商人の越後屋みたいな役が多い田中さん。今回は天才の役でしたが、さすがの名演でしたね〜!
舞台は天才が集う「シグマ協会」でコロンボさんの周りは頭の良い人がいっぱいいて、タイヘンです。14歳の天才少女キャロラインなどもいて犯人探しは簡単だろうと期待していたのに、意外や意外!彼ら天才さんたちの推理は少々マヌケな所があり、それに対していちいち気をつかわなきゃならないコロンボさん。それでも結局いつものように怪しいとにらんだブラントさんの家にしつこく押しかけてシグマ協会にあるのと同じステレオを見つけます。わざわざ雨の日を選んで出かけて傘を間違えるワザもコロンボさん一流の捜査法。そして最終回を思わせるシグマ協会でのラスト・シーンには感動します。「金貨の問題」をブラントさんに答えるとコロンボさんは自分のことを語りだします。自分の周りにはいつも頭の良い人間がいました。刑事になった時もそうでした。「で、考えましたよ。自分はセッセと働いて時間かけて、本を読んで、注意深くやればモノになるんじゃないかってね。なりましたよ・・・」「私はこの仕事が心底好きなんですよ」う〜ん、このセリフは本当にジーンときます。ファンとしてはコロンボさんの仕事に対しての気持ちを知りたいと思っていたので。素直で真面目なコロンボさんです。だからあんなにしつこく犯人につきまとい嫌われても挫けないし、それでいてなぜか憎めないし。
さて、今回の天才ブラントさんとの対決は、これまた捜査の天才コロンボさんが見事に解決してしまう。しかし最後の最後でブラントさんは犯人しか知り得ない事実をポロッと白状してしまうのが不思議です。孤高の天才ブラントさんのプライドゆえか、またはコロンボの頭脳に敬服しての行動かどっちにしても犯人がコロンボさんに親近感を抱いたという、またしてもコロンボさんにとって幸運な展開なのでした。え〜、それ以外にも見所がたくさんあるのですが、まずコロンボさんが秘書のジョージと会うレストランのウエイトレスがジェイミー・リー・カーティス。まだ映画デビュー前の彼女は、すごく怖い役です。のんきにドーナツを持ってレストランに入ってくるコロンボさん(マナーがなってないかも・笑)の食べかけのドーナツを取り上げてから、憮然としてオーダーを聞きます。で、コロンボさんは懲りずに「ドーナツね」と答えるんです。まるでコントみたいで大笑いです(笑)それから秘書のジョージが夜遊びに出かけるとスージーという女の子に会うのですが、この子がイカレてるというより悩んでる。どう見てもハイになっているみたいなんですよね。そこにコロンボさんがやって来て捜査が始まる!イカした音楽がガンガン流れるクラブは、まさに70年代を感じます。このシーンも笑えます。わずか3作品で終わってしまったシックス・シーズン。寂しい限りですが、この後の橋渡し役になってセブンス・シーズンが作られることになったそうですから悪いことばかりじゃなかったはずですよね。



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タグ:コロンボ
posted by まほ at 22:24| Comment(5) | 第38回 殺しの序曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第37回 黄金のバックル

シックス・シーズン

刑事コロンボ

黄金のバックル

OLD FASHIONED MURDER


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日本放送 77年12月

脚本・・・ピーター・S・フェイブルマン
監督・・・ロバート・ダグラス
ゲスト・・・ジョイス・バン・パタン


今回のカミサン

カミサンは新聞の人生相談を読むのが大好き


ストーリー

ルース・リットン(ジョイス・バン・パタン)が館長をつとめるリットン美術館は、先祖代々リットン家によって集められた美術品を展示する個人の美術館。現在はルースの弟エドワード姉のフィリス、フィリスの娘、ジェイニーで経営していました。しかし最近は経営不振で弟のエドワードは売却しようと思っていました。独身をつらぬき美術館だけが生きがいのルースはそれだけはやめさせたいという思いにかられエドワードの殺害を計画しました。
ルースの姪にあたるジェイニーが雇った美術館のガードマンのミルトンは実はジェイニーの不倫相手の弟。評判のよくない悪党でした。ルースはそれを知ってミルトンを利用することを思いつき美術品盗難の狂言をする手伝いをするようにミルトンに持ちかけます。美術品が盗まれれば保険が出るので経営危機の心配も消え、ミルトンに対しても高額な報酬を約束すると言うルース。
ミルトンはOKし、ルースの指示どうりエドワードが徹夜で美術品の目録を作っている夜に実行することになりました。そして、その当日美術館に侵入したミルトンが盗んだ品をバッグに詰めていると背後にルースが現われ、いきなりミルトンを射殺してしまいます。その銃声を聞いてエドワードがやって来ると、今度はミルトンの持っていた銃で射殺。お互いに撃ち合って死んでしまった、というふうに見せかけたルースの計画は成功しました。そこにコロンボが登場。真面目な部下ミラー刑事はコロンボが到着するまで現場の物に手をつけないまま待っていました。部屋に入ったコロンボがまず気になったのは真っ暗だということでした。この真っ暗闇で事件が起こったのが不思議でならない。殺人事件が起こり2人とも死んでしまったあと、部屋の明かりを消した人間がいたはずと思いました。
リットン邸に通い美術館をくまなく見て回るコロンボ。さらに、この家族の過去を調べたりしました。ルースともたびたび話しをする機会があり、もしかして怪しいのはルースではないかと疑います。そんな時、黄金のバックルがジェイニーの部屋で見つかりルースは「これは2週間前からなかった」とコロンボに言いますが、殺人事件の晩、目録作りのために録音されていた弟のテープの中にはちゃんと「黄金のバックル」として入っていました。誰がジェイニーを犯人にしようとしたのか?かつてルースが婚約していたピーターは姉のフィリスと駆け落ちして、そのことによってルースは深く傷つきピーターを毒殺したのではないか、という事実も明らかになりました。しかしコロンボはそれを否定します。
フィリス、ジェイニーの前ではっきりと確認したルースはコロンボに手を取ってもらって逮捕されていくのでした。


感想

このエピソードは好きと嫌いが別れるかもと思います。全体の雰囲気が暗くて重たくてラストの事件の解決場面も今ひとつわかりにくい所があって、家族の前でルースは逮捕されるのですが彼女の姉と姪は何もわかっていないんじゃないかと思われるんですよね。あんなに愛していた姪を犯人に仕立てる所やそれとは反対にたぶん憎んでいたであろう姉に対しての態度なども複雑怪奇でルースという女性の本音が掴みづらいんですよね。確かに婚約者を奪われる(それも姉に!)というのは本当にショックです。
姉は自分が美人であることを、自慢し、利用し、それが悪いことだとは思っていません(激怒・笑)男が寄ってくることが当然だと思っているんですよね。それにひきかえたった一人の婚約者を失ってそれ以後、浮いた話ひとつない妹ルースの立場っていうのはかわいそうすぎます(泣)せめて美術館が生きがいでもいいじゃないですか〜!と言ってあげたくなります。でも家族って、わりと理不尽なことを平気で言ったり、行ったりする集団ですから順位づけ?が決まると、それを変えることって難しい。
私がルースさんなら覚悟を決めて家を出るとかすると思うんですけどね。でもあの能天気な姉親子をほっておくことができなかったんでしょう。それにしても弟のエドワードも独身で彼もルースの気持ちわかりそうなもんなのに、ちょっと冷たいです。美術館を売るだなんて勝手だわ〜(笑)などと言いつつ私はけっこうこの作品は好きなんですよね。なんといってもルース役の彼女が良いです。なんと彼女ジョイス・バン・パタンさんはフォース・シーズンの、逆転の構図に出ていたシスターです。コロンボさんが教会に行った時にホームレスと間違えてコートをあげましょうと言ってくれた人です!今回は今風に言えば「負け犬」的パターンの女性の役。冷静で思いやりがあって頼りになるタイプ。男の人が敬遠しがちなのかも知れませんね?その姉フィリス役のセレステ・ホルムはブロードウエイ・ミュージカルから映画にも進出したベテラン女優さん。コロンボさんに会っただけで失神してしまう!昔々のコメディ映画のような雰囲気の人で確かに美人です。若い頃はそれはもう輝くばかりの美しさで男たちをメロメロにさせたんでしょうね。ご本人が美人は得よ!と言っているので、これは本当です。え〜、この作品で私的に最も見ものだと思ったシーンは、コロンボさんが美容院に聞き込みに行ってそこでヘアスタイルを変える所です。これがまったく似合わない!なぜかジェイムス・ブラウン風なのが笑えます。そのまま時計店に聞き込みに行くと店員さんが「イイ髪型ですね」とほめてくれるんです。コロンボさん、嬉しそうだけど本当に恥ずかしそう。そうそうコロンボさんは花粉症のアレルギーで春先はクシャミが止まらないという事実を発見しました。ルースさんの家でカミツレのお茶をもらって良くなったのか、どうなのかはわかりません(笑)それにしても黄金のバックルは灰皿にしか見えない。
そこが一番、面白かった所かも知れません。


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posted by まほ at 21:28| Comment(4) | 第37回 黄金のバックル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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