2007年07月22日

第36回 ルーサン警部の犯罪

シックス・シーズン

刑事コロンボ

ルーサン警部の犯罪

FADE IN TO MURDER



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日本放送 77年12月

脚本・・・ルー・シャウ&ピーター・フェイブルマン
監督・・・バーナード・L・コワルスキー
ゲスト・・・ウィリアム・シャトナー


今回のカミサン

ルーサン警部(犯人)のファン


ストーリー

TVドラマで「ルーサン警部」を演じるウォード・ファウラー(ウィリアム・シャトナー)はエミー賞を受賞し、テレビ界では最高のギャラを取る人気スターでした。彼を発見し売り出して今でもマネージャー的な存在のプロデューサー、クレアはウォードが脱走兵であるという過去を知っていて長い間ウォードの収入の半分を搾り取っていました。しかしそんな生活がイヤになりクレアの束縛から逃げたいと思ったウォードは彼女の殺害を計画します。
クレアがトニーの店に寄ってサンドイッチを買ってから試写会に行くという予定を知ったウォードはその夜、撮影所の衣装部からダウンジャケットやスキー用のマスクなどを盗み出し、小道具部からは拳銃を盗み出します。そして自宅に付き人のマークを招いて一緒にTVの野球中継を見ていました。
ウォードはマークにバルビタール入りの酒を飲ませて眠らせ野球中継を録画セットしてからトニーの店に向かいました。ダウンを着込み、マスクをかぶり、拳銃を持って強盗を装い、クレアの前に現われたウォードは両手を上げて立っているクレアを射殺し金を奪って逃げました。急いで自宅に戻った彼はマークを起こして録画しておいた野球中継の続きを見せます。これでウォードのアリバイは完璧です。
クレアの死体が発見され警察関係者、そしてコロンボがトニーの店に集合します。クレアの死体を見たコロンボは服に残った銃弾の位置が心臓とズレていることを発見し、それが気になるのです。
マスクとダウンジャケットが発見され、マスクに残った化粧品が俳優が使うパンケーキという特殊な物であること、小道具部で発見された拳銃にクレアの夫シド・デイリーのセーターの毛糸がついていて犯人はクレア殺しの罪をシドに着せようとしたこと、またウォードと野球中継を見ていたマークの高価な時計が5分も狂っていたことなどからコロンボはウォードが犯人ではないかと疑い始めます。ウォードが怪しいとにらんだコロンボは撮影所やウォードの自宅に頻繁に出入りし、ついにウォード自慢の最新のビデオシステムを見せてもらうことに成功。「ルーサン警部」と犯人像について話しているうちにウォードを追い詰めていくのでした。凶器の拳銃の中に入っていた空砲を調べたコロンボは「拳銃には指紋はありませんでしたが、この空砲に指紋が残っているんです」とウォードに言います。
実弾と空砲を入れ替える時に空砲の指紋をふき取るのを忘れたウォード。犯人役はやったことがない彼の大きなミスでした・・・。



感想

シックス・シーズンの始まりは、ルーサン警部の犯罪です。ユニバーサル・スタジオで撮影された作品としてはセカンド・シーズンの、偶像のレクイエム以来2本目。お手軽に出来るということでこれほど良い脚本はありません。しかも楽屋落ちのジョーク満載。犯人役はウィリアム・シャトナー。ご存知「スター・トレック」シリーズのエンタープライズ号のカーク船長なのです。以前の作品の、溶ける糸(セカンド・シーズン)にはミスター・スポック役のレナード・ニモイが出ていました。
今回の犯人ルーサン警部というのは、なんと言うかコロンボさんの置かれた立場と似ている!という噂がありまして、この時、高額のギャラを取り自分のやり方にこだわるピーター・フォークさんには風当たりが強かったらしいのです。考えてみれば「コロンボ警部VSルーサン警部」なんていうのは何もそこまで・・・と思えなくもないです。実際の殺人事件を、TV番組で刑事役をやっている人とプロの刑事が協力して解決するなんていうのは面白いとも言えますが、わざわざウォードのことを怪しいなんて言うルーサンの気持ちがよくわからないんですよね。アリバイがあったとしてもクレアとは深い関係にあったんですから。それはともかくカーク船長とは違うウィリアム・シャトナーさんを見れるのは楽しいです。髪の色も違うし体型も違う(笑)吹き替えが大違いでビックリなんですよね!いつもは矢島正明さんですが、今回に限り山城新伍さん〜! 始めは違和感ありありなんです。でも慣れてくれば大丈夫になります。ちょっと卑怯なウォード役はむしろ山城さんがピッタリかも。でも予想に反して山城さんは上手いんですよね、吹き替えが。さすがベテラン俳優さんという感じ。
カーク船長が出るのなら、ということでチェコフも出てくれます。エンタープライズ号の航海士役で幾多のピンチを乗りきった仲のカークとチェコフ。しかし、このチェコフのウォルター・ケーニックがなんとコロンボさんの部下ジョンソン刑事役なのが最高に面白いんです。そんなわけでこのエピソードではエンタープライズ組は顔を合わせることはありませんが(笑)犯人につきまとって撮影所を訪れるコロンボさんは映画で使われたジョーズが泳ぐのを見たり、ウォードのプロフィールが書かれた紙をもらったりして、ちょっと楽しそうでした。ラストの空砲の指紋は予想できなかっただけに、かなりイイ線いってたと思ったんですが、それってウォードがあまりにもマヌケに見えてしまって悲しいな。
「今回(の事件)は同情される犯人の役なんだ」と言うウォードですが「納得してあげてもいいよ」としぶしぶ答えるコロンボさんのセリフが全てを物語っているかもしれませんね。


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posted by まほ at 21:50| Comment(1) | 第36回 ルーサン警部の犯罪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月21日

第35回 さらば提督

フィフス・シーズン

刑事コロンボ

さらば提督

LAST SALUTE TO THE COMMODORE


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日本放送 77年10月

脚本・・・ジャクソン・ギリス
監督・・・パトリック・マクグーハン
ゲスト・・・ロバート・ボーン




ストーリー

オーティス・スワンソンは大きな造船会社を経営しており「提督」と呼ばれていました。今は娘のジョアナの夫チャーリー・クレイ(ロバート・ボーン)が社長になって実権を握り見かけは上手くいっているようでしたが実は「提督」はチャーリーの儲け主義が気にいらず密かに会社を売ってしまおうと考えていました。
その夜、スワンソンが自身の邸宅で殺されました。その後始末をするチャーリー。チャーリーは提督の服を着込みヨットで海に出て死体を捨てると潜水服に着替え自分だけ泳いで戻ってきます。
翌日、提督の船と死体が発見され警察が出動。コロンボもクレイマー刑事、新人のマック刑事とともに現場に向かいます。捜査を続けるうちに提督は船に自動操舵装置を取り付けようとした時船が傾いて後部の帆(ミズンブーム)がジャイブして頭を打ち死亡したのではないかと思われチャーリーの説明からも、つじつまは合っているように思われました。しかし解剖報告によると提督は水を飲んでいないことがわかり、これは海に落ちる前に殺されていたのではないかという疑問が湧いてくるコロンボ。殺人事件と断定したコロンボは提督の部屋をしつこく調べ犯行現場はこの場所ではないかとピンと来ます。そして犯人はチャーリーに違いないと。ところが、そのチャーリーが何者かに殺されてしまいます。いったい提督とチャーリーを殺した犯人は誰なのか。コロンボは提督の遺産相続について弁護士のケタリングなどに話を聞き真犯人をあぶりだそうと計画をねり、娘のジョアナ、提督の甥スワニー、弁護士のケタリング、造船所の女性エンジニアのリサ、造船所所長のウェインらを一堂に集めて、この事件についての謎解きを始めるのでした。提督スワンソンは孫ほども年の離れたリサと結婚の約束をしていました。しかしリサは金目当てだと思われるのがイヤで提督に遺言状を書き直させていました。新しい遺言ではリサはお金をまったく貰わず、ジョアナに少しだけ相続させて残りの財産は全て寄付してしまうというものでした。クレイマーとマック、そしてコロンボは「提督の時計」の音を集まった人々に聞かせて、その反応を見ていました。提督とリサが結婚する前に遺産を手に入れたい人物、それがこの殺人事件の犯人に違いありません。ジョアナに罪を着せ、彼女が犯人だと思い込んでいた夫のチャーリーをも殺した犯人は提督の甥のスワニーでした・・・。



感想

フィフス・シーズンも最後になりました。この、さらば提督はコロンボ史上最もめずらしい作品で今までになかった新しさでいっぱいです。いつもは一人で黙々と捜査するのが好きなコロンボさんですが今回はコンビを組んでお仕事するんです。クレイマー刑事は時たま見かけるキャラなんですがまったくの新人さんシオドア・アルビンスキー刑事が出てくるんです。彼のあだなはアイルランド系じゃないのにマックで、このマック刑事に手取り足取り教えてあげるのがコロンボさんの役目です。マック刑事は、まだ29歳のエリートで将来有望なナイスガイ。そんな彼と中堅どころのクレイマーそしてコロンボ先生!?とのやり取りが面白いのです。現場検証にしても証拠品にしても、いちいち確認するように大げさな態度で捜査を進めていきます。そんな中でコロンボさんは、きっと自分が年取ったことを感じたりしたことでしょう。実のところ、刑事コロンボ・シリーズはこのシーズンで終わりにしたいとピーター・フォーク自身、考えていたようです。そんなこともあってこの作品にはこれまでにない独特の雰囲気があります。まったり感があるというか、のんびり感があるというか。いつものようなしつこいキリキリした捜査をするわけでもありませんし。それはこのエピソードの監督がパトリック・マクグーハンであることが大きなポイントです。彼はフォース・シーズンの、祝砲の挽歌にゲスト出演して大好評を得ました。フィフス・シーズンでも、仮面の男に出演、監督もこなしコロンボ・シリーズには欠かせない人になっていました。今回でコロンボ最終回か?の噂がある中、定番にこだわらないチャレンジをして見せたのでした。アガサ・クリスティの「ポワロ」がやってみせるようなラストの事件解決の謎解き場面は本当に見ものです。「コロンボ」ファンであり「ポワロ」ファンでもある私には非常においしいシーンでした(笑)でもポワロほど明快じゃない所がコロンボさんらしいかも。そうゆうことは置いといて。この作品はとても楽しいものになってます。
みんなが犯人だろうと思っちゃうチャーリー役はロバート・ボーン(声・西沢利明さん)だし。娘のジョアナの吹き替えは東宝怪獣映画でおなじみの水野久美さん。提督の婚約者リサが座禅をしている横でマネするコロンボさんには大爆笑だし。犯人のスワニー役はサード・シーズンの、毒のある花に出ていたフレッド・ドレイバー(声・佐藤英夫さん)はフォース・シーズンの、5時30分の目撃者にも出ていました。弁護士のケタリングさん、提督役の俳優さんも前にコロンボに出てましたね。事件を解決して最後の最後、小さなボートに一人乗って沖に漕ぎ出すコロンボさん。「さよなら〜」って思わず声をかけたくなりますが、いえいえどうして「もうちょい、やらせてよ」と言いながら不滅の刑事!コロンボさんはカムバックすることになるのです(笑)。


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ラベル:刑事コロンボ
posted by まほ at 21:30| Comment(1) | 第35回 さらば提督 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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