2006年05月28日

第27回 歌声の消えた海

フォース・シーズン

刑事コロンボ

歌声の消えた海

TROUBLED WATERS


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カミサン予想図 by まほ


日本放送 76年1月

脚本・・・ウィリアム・ドリスキル
監督・・・ベン・ギャザラ
ゲスト・・・ロバート・ボーン


今回の親戚

車の修理工場をやっている義理の弟(ジョージか?)


ストーリー

「缶詰買ってメキシコへ行こう」キャンペーンにクジ運のいいコロンボのカミさんが当たり今回、コロンボ夫婦は豪華客船に乗ってアカプルコの旅に出かけます。
その船シーパレス号には中古車ディーラーのダンジガー(ロバート・ボーン)も乗っておりさらにダンジガーの愛人で船旅のショーで歌っている歌手のロザンナも乗っていました。
ロザンナに二人の関係を妻にバラすと脅されていたダンジガーは、この船旅の間にロザンナを殺害しようと計画していました。中古車ディーラーであるダンジガーは仕事で使っている車の合鍵を作るカーチスクリッパーという道具でシーパレス号の全てのドアに合うマスターキーを作っておきました。昼間、ダンジガーはプールサイドで薬を使って軽い心臓発作に似た症状を起こして医務室に運ばれてるようにしておき、その晩は医務室で眠っているように見せかけて看護婦が目を離したすきに医務室を抜け出します。ロザンナの部屋に行ったダンジガーは例のマスターキーを使って彼女の部屋に入り隠し持っていた銃で羽枕ごしにロザンナを殺害します。死体のそばの鏡に「L」の文字書き、拳銃を洗濯室に隠すと急いで医務室に戻ったダンジガー。全て上手くいったかのように思われました。ロザンナの死体が発見されると船長はコロンボに内密の捜査を依頼します。運良くこの船に乗っていた唯一の警察関係者のコロンボ刑事。そんな時、船酔いに悩んでいたコロンボは捜査を中断して医務室に薬をもらいに行きます。
何気なく医務室の床を見たコロンボは羽枕のハネを見つけ、昨夜から医務室にいるダンジガーがあやしいのではないかと思うようになります。凶器の銃はすぐに見つかりますが指紋は見つからず「L」の文字の件で疑われているバンドマンのロイドの指にも硝煙反応が見られません。犯人が手袋をして殺害したとすれば凶器は発見されたのに手袋が見つからないのはおかしいとコロンボはダンジガーに質問します。殺人の翌日、使った手術用の手袋を海に捨ててしまったダンジガーはロイド犯行説を決定的にするために、もう一度手術用の手袋を盗み他人の銃をしっけいして密かに発砲して、すぐ見つかる消化ホースの中に隠しておきました。消防訓練の時に手袋は見つかります。
これで自分の疑いが晴れると思っていたダンジガーでした。しかしコロンボの以外な捜査の結果は?


感想

この、歌声の消えた海はコロンボ・シリーズ初の試みです。舞台がなんと海の上の豪華客船なのです。
めずらしくレジャーを楽しむコロンボさんが突然、殺人事件に巻き込まれてたった一人で捜査をするという、ちょっとワクワクする展開です。でもこれって、アガサ・クリスティーの名探偵ポワロではよくあるシチュエーションですよね?たまたま乗り合わせた探偵(刑事)などが不自由で閉ざされた環境の中で見事に難事件を解決して、めでたし、めでたしで終わるっていうやつです(笑)さて、このエピソードは豪華客船サン・プリンセス号のメキシコへの旅という本当のツアーに同行し実際の船の中で撮影された超リアルな作品です。なんと出てくるお客さんは本物の一般ピープル!監督を始めスタッフ、キャストともに楽しんだ一本になったそうです。コロンボのカミさんも一緒に乗っているという設定も楽しかったです。画面には出てこないんで残念なんですがカミさんに関して色々とおしゃべりするコロンボさんが面白かった!そしてゲストはロバート・ボーンなのも嬉しい!「0011ナポレオン・ソロ」で超有名な彼が犯人役でコロンボと対決するのは見ものですよね〜!いつものように、しつこくつきまとうコロンボを本当にうんざりな顔で見つめるダンジガー役の彼はやっぱりカッコイイのです。吹き替えは西沢利明さん。彼はファースト・シーズンの、二枚のドガの絵ではロス・マーティンの吹き替えをやっていました。悪役がぴったりの声なんですよね、好きです。セカンド・シーズンの、ロンドンの傘にダーク刑事部長役で出ていたバーナード・フォックスが今回は船員のワトキンス役で再登場しています。そしてその上司のギボンズ船長役のパトリック・マクニーの吹き替えは、あの柳生博さんでした。柳生さん上手いです。犯人にされそうなロイド役の彼もセカンドシーズンの、アリバイのダイヤルに出ていたし、なんだかコロンボ組のみんなが一番楽しく仕事してたみたいです。そんな雰囲気がよくわかるシーンがラストのコロンボさんのアロハシャツ姿でしょう。
事件解決という真剣な場面なのに、なぜかアロハシャツを着ているコロンボさん、リラックスしすぎ!でも今回は、はっきり言って大変な捜査でした。鑑識もいないし部下もいない。そんなコロンボさんは昔々の捜査方法で切り抜けます。なかなか出来る男なんですよ、どんな状況であってもコロンボさんは。

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posted by まほ at 08:46| Comment(10) | 第27回 歌声の消えた海 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月04日

第26回 祝砲の挽歌

フォース・シーズン

刑事コロンボ

祝砲の挽歌

BY DAWN’S EARLY LIGHT


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日本放送 76年1月

脚本・・・ハワード・バーク
監督・・・ハーベイ・ハート
ゲスト・・・パトリック・マクグーハン



ストーリー

私立ヘインズ陸軍幼年学校の校長ラムフォード大佐(パトリック・マクグーハン)は創立記念日の早朝、校庭にある大砲(オールド・サンダー)の砲弾に強力な爆薬を仕込みさらに砲筒が破裂するように筒の中に、大砲清掃用のボロ布を押し込んでおきました。
その時にラムフォードは校舎の窓に吊るしたリンゴ酒のビンを見つけます。
予定どうり創立記念日の式典が始まり創立者の孫で学校の理事長でもあるヘインズも来校し最近は経営が思わしくないこの陸軍学校を閉鎖して男女共学の短大にしたいと提案します。
根っからの軍人であるラムフォードにはそれが許せません。ラムフォードはわざとヘインズを怒らせて今日の式典の祝砲をヘインズに撃たせようとします。作戦は見事に成功しヘインズは自分で撃った祝砲が暴発し亡くなってしまいます。現場に警察が駆けつけコロンボもやって来てそこいら中に飛び散った破片を見て歩いていると黒こげになった布の切れはしを発見します。
空砲を撃ったのに、こげた布が見つかったのはなぜなのか?大砲の清掃当番だったスプリンガー候補生に聞くと創立記念日の前日、大砲の掃除をしなかったと言う。だから黒こげになった布(清掃用ボロ布)が見つかることはありえない。さらに捜査を続けると爆発の音があまりにも大きかったのも不自然です。細かく調べると撃たれた祝砲の中に強力な火薬を見つけました。
これは、あきらかに殺人事件だと断定したコロンボは始めはラムフォードが狙われたのかとも思いましたが、ラムフォードの秘書の証言からヘインズとラムフォードの学校の閉鎖をめぐる口論の事実を知ると、この事件はラムフォードがヘインズを殺害したのではないか?との疑問がわいてくるのでした。リンゴ酒にこだわっていたラムフォードは犯人探しをしていましたがまったく手ががりはなく躍起になっていた頃、生徒と同じ宿舎に泊まりこんでいたコロンボは一足速くリンゴ酒事件の生徒たちに事情を聞いたのです。創立記念日の朝、起床ラッパまで部屋の窓辺に吊るしてあったリンゴ酒。絶対に見つかるはずはなかったのになぜ発見されたのかラムフォードに質問するコロンボは「たった一つ確実に見えていた場所がある」と言うのですがラムフォードは自白するのでしょうか?

感想

この、祝砲の挽歌はフォース・シーズンで最も素晴らしい作品、というより全コロンボのシリーズ中でもベスト5にランキングされそうな傑作です。ゲストのパトリック・マクグーハンの演技が抜群でなんと彼は翌年(75年)のエミー賞のシリーズ番組のゲスト出演部門で最優秀助演男優賞を受賞。
マクグーハン自身もラムフォードという役がお気に入りだったそうで、これ以降も刑事コロンボに出演するきっかけになったと語っているそうです。ラムフォード大佐は悪人ではありませんよね。殺人は許してはいけないことですが彼の軍人としての誇り、仕事に対する誠実さの表れだったのです。厳しく生徒を指導するラムフォードは誰にも好かれてはいませんでした。しかし彼のそんな生き様はコロンボの心を打ちます。そしてお互いに敬意を抱くようになるのです。軍服を着て働くのが自分の仕事、コロンボが制服のように同じヨレヨレのコートを着て働くのも仕事だ。世の中から殺し合いがなくなったら自分もコロンボも喜んで、その制服を脱ぐだろう、と淡々と語るラムフォードの姿には共感せざるを得ないコロンボさん。ちなみに本作品を撮影中お二人の共演はものすごく上手くいってお互いの演技スタイルやスタンスがピッタリだったとか。どちらも役者魂の塊みたいですから当然!
そして意外も意外ラムフォードの吹き替えが佐野浅夫さんというのも、ちょっとすごくないですか?水戸黄門役の佐野さんがパトリック・マクグーハン、しかも悪役。でも合ってます。良いのです。
佐野浅夫さんの吹き替えって他では聞いたことがないので貴重だと思います。迫力満点!ちょっと小ネタなんですがサード・シーズンの、毒のある花に脇で出ていたブルース・カービィさん。今回はめでたくコロンボさんの部下のクレイマー刑事役でご出演です。とってもイイ味出してます。さらに彼の本当の息子ブルース・カービィ・ジュニア!が陸軍学校の生徒役で出演しているのです。このエピソードは脚本が優れているのはもちろん、撮影、音楽など、どれを取っても素晴らしいです。本物の陸軍士官学校でのオール・ロケで行われたは祝砲の挽歌はこのシリーズでもめずらしいタイプで殺人も私利私欲のために行われるものではありません。その点がしみじみと心に残る名作なのです。

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posted by まほ at 22:10| Comment(2) | 第26回 祝砲の挽歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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