2006年01月17日

第22回 白鳥の歌

サード・シーズン
刑事コロンボ

白鳥の歌

SWAN SONG


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日本放送 74年9月

脚本・・・デイビッド・レイフィル
監督・・・ニコラス・コラサント
ゲスト・・・ジョニー・キャッシュ


ストーリー

カントリー&ウエスタンの人気歌手トミー・ブラウン(ジョニー・キャッシュ)は、かつて刑務所に入っていたのですがエドナ(アイダ・ルピノ)に救われて出所し、彼女がリーダーである信仰団体の「魂の十字軍」に参加していました。その後エドナとトミーは結婚していて、そのおかげでトミーは人気歌手の地位を手にしていたのでした。しかし、今ではトミーは布教活動に協力する気持ちはなくカントリー&ウエスタンの歌手として独立したいと思っていました。もちろんエドナは大反対です。トミーのかつての未成年の少女メアリー・アンへの淫行疑惑をネタに独立を許しません。さらにトミーの収益の全てを今後も「魂に十字軍」に寄付するように強要していました。ロスでの公演が終わりラスベガスへの出発が決まった晩にトミーはエドナとメアリー・アンの殺害を実行します。トミーはパイロットの免許を持っており、いつものようにセスナで移動する予定でした。トミー、エドナ、メアリー・アンの3人を乗せたセスナは悪天候にもかかわらず飛び立ちました。トミーはセスナの暖房を切り、寒がるエドナとメアリー・アンに魔法瓶に入ったコーヒーを勧めます。そのコーヒーの中には睡眠薬が入っていて2人はすぐに眠ってしまいます。それを確認するとトミーは自分で作ったパラシュートで飛び降ります。パイロットを失ったセスナは墜落、炎上してしまいます。トミー自身もなんとか着地に成功しますが足を骨折。そんな中、必死でパラシュートを隠しました。墜落は事故として処理されるはずでしたが、エドナの兄ルークが、トミー愛用のギターを今回に限りバスで別に運ばせたのはおかしいと言い出し、コロンボが殺人事件として捜査をすることになります。墜落現場を見たコロンボは航空局のパングボーン氏と協力して、いくつかの問題点を発見します。セスナの整備士はトミーらが乗り込むときに魔法瓶があったと証言していました。セスナも荷物も全部焼け残っているのに魔法瓶だけが発見されません。それが見つかれば、そく事件は解決するように思えたコロンボは墜落現場一帯を山狩りをしてでも見つけ出す、とトミーに宣言するのですが・・・。

感想

このエピソードのゲストは、なんとジョニー・キャッシュ!本当に本物のカントリー&ウエスタンの人気歌手!もう、それだけでこの作品の成功は約束されたようなものです。
このジョニー・キャッシュ演じるトミーという歌手は、妻に翻弄されている気の毒な夫という見方も出来ます。こんなエドナのような妻だったらイヤ気がさすのも仕方がありません。でもそれが殺害を実行していいか、と言うと問題は別なんですが。でもとにかくトミーは普通なら人気者になり幸せに暮らせそう。同情はされても決して嫌われるタイプじゃないと思います。さて、そんなトミーさんの吹き替えは外山高志さん。お名前だけではピンとこないかもしれませんが、彼は時代劇に良くご出演の俳優さん。悪代官などがお得意。他の吹き替えではアニメ「サスケ」のお父さん役などが有名です。またまた登場の伊武雅刀さんはエドナの兄、ルーク役。コロンボに「リスの肉のチリ」を勧めます。一口食べたコロンボさん「こりゃ、イケる!」でも、リスの肉と聞いて食べるのをやめました(笑)この、白鳥の歌の一番のポイントは「手製のパラシュート」でしょう。トミーさんの戦争経験の賜物。コロンボさんも朝鮮戦争では「炊事場の見張り」をやっていたそうです。コックかと思ったわ〜。私はカントリー&ウエスタンは、それほど馴染みの音楽ではありませんが全編に流れるトミーさんの歌声は、刑事コロンボの全エピソードの中でも最も素晴らしいものかも知れません。ラスト・シーン車の中でコロンボがトミーに話かけます「こんな(ステキな)歌が歌える人に悪人はいませんよ」と。いやぁ、泣かせるいいセリフです。このラストは、別れのワインにも通じる終わり方だと思います。

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posted by まほ at 09:49| Comment(2) | 第22回 白鳥の歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月13日

第21回 愛情の計算

サード・シーズン

刑事コロンボ

愛情の計算

MIND OVER MAYHEM


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日本放送 74年8月

脚本・・・スティーブン・ボチコ、ディーン・ハーグローブ、ローランド・ギビー
監督・・・アルフ・クジェリン
ゲスト・・・ホセ・ファーラー


ストーリー

シンクタンク所長のマーシャル・ケイヒル(ホセ・ファーラー)の息子ニールの分子力に関する研究がサイエンティスト・オブ・ザ・イヤーに選ばれ表彰されることが決まりました。
しかし、ケイヒルは同僚のニコルソン教授からニールの研究は故フィンチ博士の学説の盗作だと告げられ、ニールが受賞を辞退しなければ、すべてを暴露すると宣言されてしまいます。
ニールは厳格なケイヒルにプレッシャーを感じていて、父の期待のこたえようと盗作したのです。
ケイヒルは息子のスキャンダルを恐れてニコルソン教授の殺害を計画します。その晩、ケイヒルは助手の車でニコルソン邸に行き妻が外出するのを待って彼が外に出てきたところを車で跳ね飛ばし殺してしまいます。その後、ニコルソンの死体を家に中に運び、麻薬中毒患者のヘロイン欲しさの犯行のように見せかけました。捜査を開始したコロンボは灰皿に残された、たった1本のマッチ棒に気づきます。マッチが根元まで燃え尽きている様子、それは葉巻に使ったと思われるのでした。
この研究所の中で葉巻を吸うのはケイヒルだけ。早くからケイヒルに目をつけていたコロンボ。
しかし決め手がありません。何しろケイヒルには完璧なアリバイがありました。事件の晩は研究所で戦争シュミレーションが行われており、その指示を出すのが彼にしか出来ないことだったのでケイヒルがコンピューター室を出ることは不可能だったのです。それでも地道に研究所の中を歩き捜査していたコロンボに頼もしい助っ人が現れます。それはなんと「MM7」というロボット!シンクタンクで研究をしている天才少年スティーブンが作ったものでした。このロボット、プログラムすれば人間のやることは何でも出来るのです。コロンボはピンと来ました。あの晩、シュミレーションの指示を出していたのはロボットではないのか?しかし、それも想像でしかなく口のきけないロボットに証言させることもできない・・・。考えあぐねたコロンボは思い切った手に出るのですが。


感想

この、愛情の計算は新しいコロンボの誕生か!?と思わずにはいられない作品です。殺人事件の共犯がなんとロボットなのです!(このロボットは禁断の惑星に出ていたロビィ君!)これにはコロンボも手も足も出ません。天才が集まるシンクタンクという設定も面白かった!いつもはメモ派のコロンボさんも影響されて文明の利器テープレコーダーを使っちゃうのも新鮮でした。似合ってなかったけど(笑)そして一番の見所は天才少年スティーブン・スペルバーグ君!(スティーブン・スピルバーグ監督はファースト・シーズンの、構想の死角の監督で、当時若かったので皆から天才少年と呼ばれていた)その、一字違いのスペルバーグ少年を演じたのは映画「ベン」の主役リー・H・モンゴメリー君。彼は頭が良すぎて警察官になれなかったんだそうです。でも性格が良くてカワイイ少年なのです。今回は自作のロボット「MM7」と一緒にコロンボを助けてくれる頼もしい存在でした。コロンボの犬の散歩もしてくれます、もちろん「MM7」が(笑)ドッグが若くなっている気がしたのは私だけかな。顔つきも身体の模様も、ちょっと違うと思ったんだけど。でも相変わらずのグウタラぶりは健在です。さてさて、最後はケイヒルが息子を思う気持ちが事件の解決につながるんですが、例によってワナを仕掛けるコロンボさんは、今回に限っては反則ギリギリの仕事と言えます。ケイヒルという天才との対決を、こんな方法で終わりにしてほしくなかったのが私の本音です。が、しかしその落差が人間の本質をついているのかも知れませんが。

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posted by まほ at 09:35| Comment(0) | 第21回 愛情の計算 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月09日

第20回 第三の終章

サード・シーズン

刑事コロンボ

第三の終章

PUBLISH OR PERISH


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日本放送 74年12月

脚本・・・ピーター・S・フィッシャー
監督・・・ロバート・バトラー
ゲスト・・・ジャック・キャシディ


今回の親戚

バレーで板金屋をやっているカミサンのいとこ


ストーリー

出版社社長のライリー・グリーンリーフ(ジャック・キャシディ)は人気作家マロリーに売ることだけが目的の低俗な小説を書くことを強要していました。いや気がさしたマロリーは契約更新を拒否して本当に書きたい小説を書くために新たにニール出版社と契約したい、とグリーンリーフに告げます。当然グリーンリーフは怒り、密かにマロリーの殺害を計画します。彼はマロリーに多額の保険をかけており、さらに現在マロリーが執筆中の「サイゴンへ60マイル」をも自分の物にしようとしていました。グリーンリーフはベトナム戦争帰りの爆弾マニア、エディにマロリーの殺人を依頼します。そして自分は犯行時間には、まったく別の遠く離れたバーで泥酔し完全なアリバイを作っていました。
エディはマロリーの部屋に侵入し指示道りマロリーを射殺。現場にグリーンリーフの指紋のついた凶器とマロリーの部屋の鍵を残して立ち去りました。マロリーの遺体が発見され、コロンボが登場。凶器の銃からグリーンリーフを疑いますが、アリバイが完璧にあります。その後、グリーンリーフはエディを犯人に仕立てるためにエディを薬で眠らせたあと、部屋を爆破して殺害。エディのタイプライターで「サイゴンへ60マイル」のあらすじを打って、それを持ち帰ります。マロリーがニール出版社へ届ける口述テープを密かに聞いていたグリーンリーフは、作品の内容を全て知っていました。そしてコロンボに言います。「これは9ヶ月前にエディが持ってきた物で、そのアイディアをマロリーに教えた。それをエディが恨んでいたんだ」と。しかし、そのあらすじの最後には決定的な違いがありました。それはエディには絶対に考えつかない内容でした・・・。

感想

この、第三の終章は出だしからビックリします。いつもは淡々と始まることが多い「刑事コロンボ」なのですが、今回はいきなり爆弾が派手に爆発するシーンから始まるのです。そして話がちょっと複雑で一度見ただけではわからないかも知れません。しかし、しかし何回も見るとピーター・S・フィッシャーの脚本が完璧に計算されていて、かなり良く出来のミステリーなのです。2時間バージョンで作られていたら、もっと良かったのに。とにかく内容てんこ盛りで、画面を分割して色々なことを同時進行で見せなければならないほど。それが新鮮だったとも言えますが。それはともかく私的にはジャック・キャシディさんの2度目のご登場はとても嬉しかった!なんだか役柄がファースト・シーズンの、構想の死角と似ていなくもないですが、こうゆう役がバッチリ決まるのはキャシディさんしかいません。今回も前回同様、極悪人で、エディに殺人依頼をしたりして、その上エディも殺してしまいます。ジャック・キャシディはロバート・カルプと並んでコロンボの犯人役としてパーフェクトな俳優だ、とピーター・フォーク自身も語っていたそうです。そしてもちろんキャシディさんの吹き替えは田口計さん。これまた完璧です。ベトナム帰りの爆弾マニアのエディ(ジョン・チャンドラー)役の吹き替えは橋爪功さん!橋爪さんは小池朝雄さんの劇団の後輩だそうで、そんな縁で吹き替えを担当されたのかも。知らなかったんですが橋爪さん上手いです、吹き替え!さて、このエピソードでもコロンボさんはチリを食べるんですが、場所はバーニーの店じゃなくて、なんと高級レストラン。無理をいって作ってもらったチリは6ドルというお値段!74年当時の6ドルがいかに高いか計算すると・・・わかりますよね(笑)今回、こんなに凝った作りのお話の中で、いわゆる楽屋オチといわれるジョークが出てきます。「サイゴンへ60マイル」はユニバーサルで映画化が決まり、主演はロック・ハドソン。ユニバーサルは刑事コロンボの制作会社なのです(笑)

posted by まほ at 09:50| Comment(5) | 第20回 第三の終章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月02日

第19回 意識の下の映像

サード・シーズン

刑事コロンボ

意識の下の映像

DOUBLE EXPOSURE


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日本放送 74年8月

脚本・・・スティーブン・J・キャネル
監督・・・リチャード・クワイン
ゲスト・・・ロバート・カルプ



今回の親戚

不動産で大当たりした伯父(叔父かも)


ストーリー

ドクター・バート・ケプル(ロバート・カルプ)は意識調査の専門家で人の動きや意識を調べて、それを効果的に宣伝活動に利用する会社を経営していました。一方で、会社のキャンペーンガールのタニア・ベイカー嬢と組んで男性クライアントを誘惑して密会の写真を撮り、それをネタに脅迫するということも行っていました。
ケプルにCM制作を依頼してきたノリスも同じ手口で脅迫されていましたが、ノリスは屈せず全てを暴露し、ケプルと手を切ろうとします。追い込まれたケプルは口封じのためにノリス殺害を計画します。ある晩ケプルの会社の試写室でノリスの依頼で制作したフィルムが上映されることになります。ケプル、ノリスと重役数人が集まると用意された軽い食事をとってから試写が始まりました。ケプルはナレーションをするからと言って上映中ステージ横のカーテンの陰に姿を消します。しかし、そのナレーションはテープレコーダーに吹き込まれたものでした。ほどなくノリスは喉の渇きを訴え通路に水を飲みに出て行きます。するとそこにはケプルが待っていてノリスは射殺されてしまいます。
何事もなかったようにステージに戻ったケプル。試写が終わって通路に出た重役たちがノリスが死んでいるのを発見して大騒ぎになります。そこに現れたコロンボ。犯人はノリスが水を飲みに試写室を出ることを正確に知っていた人物であると指摘し、ナレーションの声は聞こえていたものの実際は誰にも見られていなかったケプルを疑いだします。しかし犯人はどうやってノリスが出てくるのがわかったのか・・・。コロンボはケプルの著書を読んで「潜在意識のカット」を使ったのではないかと思います。上映していたフィルムの中に「潜在意識に訴えるカット」(この場合は飲み物の写真)が入っていたとすれば試写の前に塩辛いキャビアを食べたノリスが水を飲みたくなるのでは?と考えたのです。しかし凶器がまったく発見されません。それを発見しなくては。知恵を絞ったコロンボはケプルの使ったトリックを、自分でもやってみることにします。はたして上手くいくのか、まったくの見込み違いか。このトリックに賭けたコロンボはケプルにフィルムを見せるのですが・・・。

感想

ゲストのロバート・カルプはファースト・シーズンの、指輪の爪あと、セカンド・シーズンの、アリバイのダイヤル、に出演し今回のエピソードでなんと3度目のご登場となる俳優さん。この3回というのはコロンボシリーズの中でも最も多いのです。このロバート・カルプさんは見かけは、なかなかのもんで身のこなしもスピーディでスマート。TVドラマの「アイ・スパイ」という番組で秘密諜報員をやっていた人なのだ!私生活でもガンマニアだそうで、今回の殺人もまるでプロのようなガンさばきを披露してくれます。そうゆう人と野暮天なコロンボさんとの対決が面白いので、カルプさん3回もゲストで呼ばれたんでしょうね(笑)
さて、私はこの作品は大好きなんです。カルプさんが出てるからというのもありますが「潜在意識のカット」というやつにすごく驚かされたんです!今は禁止されているそうですが、こんなのが巷にあふれていたら、おっかなくって仕方がない(笑)まさにトリビアです。人間の潜在意識って不思議なものだな、と感心してしまいました。そして、この脚本を書いたスティーブン・J・キャネルという人は、この意識の下の映像が最初で最後の脚本なんですが、なんと大のコロンボファンだったそうです。書きたい、書きたいと思いながら忙しくてなかなか書けずに偶然にも脚本家組合のストライキがあって時間が出来たことから、この作品を書いたとか。だからというわけではないですが脚本家の「コロンボ観」みたいなものがかなり明確に出ています。まず、コロンボがしつこくつきまとってインテリの犯人との会話を楽しみ、最後には犯人の使ったトリックをコロンボも実行する、という極め付きの「刑事コロンボ」らしさ全開!細かいところまで計算されていてファンなら喜ぶこと請け合いのエピソードに仕上がっているのです。男性の皆さん、問題のタニア・ベイカーという美女は名前が出てくるだけで、ご本人はまったく登場していません、念のため(笑)

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posted by まほ at 09:55| Comment(8) | 第19回 意識の下の映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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