2005年12月30日

第18回 野望の果て

サード・シーズン
刑事コロンボ

野望の果て

CANDIDATE FOR CRIME


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日本放送 74年8月

脚本・・・アービング・パールバーグ&アルビン・R・フリードマン  ローランド・ギビー&ディーン・ハーグローブ
監督・・・ボリス・セイガル
ゲスト・・・ジャッキー・クーパー



今回の親戚
まだ子供の頃の半ズボンをはいている38歳の弟(?)


ストーリー

上院議員候補ネルソン・ヘイワード(ジャッキー・クーパー)は「組織犯罪撲滅」などを公約に選挙戦を戦っていました。ヘイワードの選挙参謀のストーンの筋書きで、犯罪組織にヘイワードが脅迫されているという噂を流してヘイワード陣営は世間の注目を集めていました。
選挙の投票日が近づくと警察はヘイワードに24時間の警備をつけることを決めて、なんとコロンボもその中にいました。そんな時、ヘイワードは夫人の秘書のリンダという女性との不倫関係をストーンに知られてしまい彼女との仲を清算するように言われます。ストーンは優れた選挙参謀でしたが彼はヘイワードの私生活にまで口を出し厳しく管理するのでヘイワードは何とかストーンを始末しようと思っていました。ある晩、ヘイワードは「リンダとの関係を終わらせる」とストーンに話します。車で彼女の家に行きたいが護衛が大勢いて困っているので、ストーンがヘイワードに変装して車で出かけて護衛を引き付けている間に自分は、こっそり抜け出したいと提案します。2人はジャケットを交換し、ストーンは上手く警察をまいて打ち合わせどうりヘイワードの別荘に向かいました。しかし、そこにはヘイワードが待っていてストーンは射殺されてしまいます。ヘイワードは自分で用意した腕時計をストーンの物と替え時間を1時間進めてから壊して、自宅に向かいました。自宅では妻の誕生日のパーティがあり、そのために護衛をまいたんだと言い訳するつもりでした。しかもパーティの最中に中座して「今、ヘイワードを殺した」と自分で警察に電話をかけてしまいます。つまりヘイワード自身には妻の誕生パーティに出ていたという完璧なアリバイが成立するのです。
事件は人違い殺人ということになりましたがコロンボだけは違うと思っており、秘書のリンダとヘイワードの関係や、ストーンの身なりと腕時計のアンバランスさ、殺されたストーンが着ていたジャケットをもう1着オーダーしたことなどから、ヘイワードを疑うようになります。そして弾道検査の結果から待ち伏せされて射殺されたという事実が浮かび上がってきます。焦ったヘイワードは狙われているのは絶対に自分なのだ、と思わせるためにホテルの自室で一芝居うちます。しかしコロンボには全て予定どうりでした・・・。



感想

この、野望の果ては脚本に5人ものライターが顔を見せていて、練りに練った作品と言えるでしょう。そのわりにゲストがやや小粒な感じがします。しかしそれは私が知らなかっただけで、ヘイワード役のこのジャッキー・クーパーという俳優さんは子役で大活躍して9歳でアカデミー主演男優賞にノミネートされた方!大人になってから?はTVドラマの監督さんになってエミー賞を2度も受賞されているそうです。言われてみれば微妙な表情の演技が上手いような気がします。製作者側からしてみれば充分に現場を知り抜いている役者さんだから身のこなしもスマートで、やりやすいだろうな〜と思ったりして(笑)
そして、そんなジャッキー・クーパーの超ビックリの吹き替えさんが、あの中谷一郎さん!あの水戸黄門の風車の弥七さんの!弥七さんも昔はワルだった人ですけど(笑)
それがまたピッタシの吹き替えなんです。ホント、このエピソードは中谷さんの吹き替えを聞くだけでもオススメしたい1本です。さて、今回はコロンボさんは殺人課にもかかわらず最初から選挙運動の最中にいます。これぞアメリカな大イベントに参加しているコロンボさんですが、まぁいつもとたいして変わらずにマイペースです。犯人が議員候補ということで弁が立つし、投票してほしいから邪険にもできない立場。そこに漬け込んでコロンボさんは特にしつこくつきまといます。まさにコロンボVSヘイワードの戦いが繰り広げられるのです。回りがワイワイ騒がしかったりして、この作品はいわゆる刑事ドラマっぽいところも沢山ありコロンボが仲間と一緒に働くところも見られて楽しいです。でもヘイワードが優秀な選挙参謀を愛人のために殺してしまうという動機は、ちょっと理解できないかも。さらにヘイワード氏がリンダ嬢のような若くて美人と付き合っているという設定も無理があったかもな(笑)え〜、そんなことは別にして、またまたご出演のヴィト・スコッティさん!今度は高級紳士服店の支配人です。コロンボとのやり取りが抜群に面白いです!正直もっと彼を見たいと思ってしまいますが、ちょこっと出るのが奥ゆかしいんですよ〜!
最後コロンボが「あなたを逮捕します」と言うのですが、これはものすごく珍しいセリフです。それも大勢の人が見ている前で。しかし犯人のヘイワードが「犯罪撲滅をスローガンに掲げている上院議員候補」であることを考えば、それは当然のことかも知れません。そして、この作品に限ってはコロンボが犯人にワナを仕掛けることもなくバッチリ解決するのも見所です。



posted by まほ at 10:02| Comment(2) | 第18回 野望の果て | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月27日

第17回 別れのワイン

サード・シーズン
刑事コロンボ

別れのワイン

ANY OLD PORT

 IN A STORM


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日本放送 74年6月

脚本・・・スタンリー・ラルフ・ロス
監督・・・レオ・ペン
ゲスト・・・ドナルド・プレザンス



今回の親戚
自家製ワインを作っていた、お祖父さん
禁酒法時代ヤミビールのトラックの用心棒してた親父


ストーリー

エイドリアン・カッシーニ(ドナルド・プレザンス)はカッシーニ・ワイナリーを経営していました。彼自身、熱烈にワインを愛しており膨大なヴィンテージ・ワインのコレクターとしても知られた存在でした。ある日曜日、ワイン協会の有力者がカッシーニのオフイスに来ている時に、腹違いの弟リックが結婚する予定なので資金を何とかしてほしいと言ってエイドリアンに会いに来ます。彼らの父は兄のエイドリアンには金を、弟のリックにはワイン工場を残していたので、リックは自分のワイン工場を売って金を作りたいと言い出します。エイドリアンが心底愛しているワイン工場を売られることに耐えられるはずもなく、激怒した彼は電話機でリックを殴り倒します。その後、エイドリアンは気を失っているリックを自身のプライベートのワイン貯蔵庫に運びエアコンを切って密閉状態にしてしまいました。そして何食わぬ顔でワイン協会の客に極上のワインをふるまい予定していたニューヨークのワイン競売会に出かけました。
1週間後、戻ってきたエイドリアンは窒息死したリックにスキューバ・ダイビングのスーツを着せてリックの車で海まで運び死体を崖の上から投げ込みました。死体が発見されると警察は飛び込んだ時に頭を打って気を失っている間に酸素が切れて死んだと判断しましたが、コロンボはリックの婚約者が捜索願いを出していたこと、検死結果から、まる2日間何も食べていないこと、さらに崖の上に残された車が雨が降ったのにもかかわらず汚れていないこと、などからこれはただの事故ではないと思い始めます。
リックが亡くなって得をするのは誰かと考えれば、それはエイドリアンではないのか。執拗にエイドリアンにつきまとうコロンボ。しかし決定的な証拠はなく秘書の証言からも疑わしいところがない。最終手段を考えたコロンボはギブアップしたと見せかけ、今までの捜査のお詫びがしたいと言ってエイドリアンを食事に誘います。料理もワインの選択も最高と喜んでいたエイドリアンでしたが、食後のワインを一口飲んだところいきなり激怒してしまうのです。それは何故か?まさにエイドリアンにしかわからない、そのワインの謎が明かされる時に事件は解決するのです・・・。

感想

この、別れのワインは今までの刑事コロンボにはなかったタイプの犯人が出てきます。エイドリアン・カッシーニは言ってみれば「オタク&コレクター」の元祖なのです。彼はワインが好きで何よりも愛しています。高価なヴィンテージ・ワインも他の人に渡すのがイヤだからと大枚はたいて自分で買っちゃうような人。もう人生の全てがワインなのです。それに比べて弟リックはプレイボーイの遊び人。エイドリアンもリックもお互いに嫌いあっているのは傍から見てもよくわかるんですよね(笑)
そのエイドリアン役はドナルド・プレザンス。彼は映画「大脱走」で偽造屋の役で出ていました。何となく、その役も「オタク」っぽい感じがしましたね〜。あとは「007は2度死ぬ」の猫を抱いた悪役なんかも有名な俳優さんです。
バツグンの存在感でコロンボとの対決が面白い!そう対決と言えば、今回のエピソードではコロンボが犯人に近づく手段としてワインの勉強をします。コロンボはイタリア系で犯人も父親がイタリア系。気が合ったのかも知れないですが、刑事と犯人がだんだん心を通わせるようになるのです。ある意味、犯人に敬意を持つようになり、良き理解者になってしまう!これって新しい展開です。犯人をただの「悪人」として描いていないので見ているほうはミステリードラマを楽しみ、さらに感動することもできるのです。初めて見た時はもちろん、何十回見ても最後はホロリとしてしまいます。2時間の長いバージョンなんですが、それをまったく感じさせないのです。ピーター・フォーク自身もこのエピソードが大好きだそうで、デカのプロのコロンボとワインのプロのエイドリアンは、いい加減な仕事は大嫌いというところが共通している、と言っていたとか。さてさて、今回、あのヴィト・スコッティさんがレストランの支配人役で出てきます。ホント良い味出してる俳優さんで、今後もちょくちょく顔を出してくれます。ちなみにエイドリアンの秘書役は映画「エデンの東」に出ていたジュリー・ハリス嬢。吹き替えは大塚道子さん。大塚さんは普通は悪役が多い女優さん。今回も最後でちょっと悪女ぶりを見せてくれます(笑)

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posted by まほ at 08:48| Comment(0) | 第17回 別れのワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月16日

第16回 毒のある花

セカンド・シーズン

刑事コロンボ

毒のある花

LOVELY BUT LETHAL



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日本放送 74年9月

脚本・・・ジャクソン・ギリス
監督・・・ジーンノット・シュワーク
ゲスト・・・ベラ・マイルズ  ビンセント・プライス


今回の親戚
大学病院の皮膚科にいるコロンボの甥
メキシコの写真を見せる義弟のジョージ


ストーリー

化粧品会社ビューティー・マーク社はシワを取ることのできる画期的なクリーム「ミラクル」の開発に成功しました。その会社の女性社長ビベカ(ベラ・マイルズ)は、これでライバルのラング(ビンセント・プライス)の会社に勝てると大喜びします。しかしラングの秘書で、今はビベカのスパイであるシャーリーから、その「ミラクル」クリームのサンプルを開発スタップの一人カール(マーティン・シーン)がラング社に持ち込んでいる事実を知らされます。カールはかつてビベカと恋愛関係にあった青年で、カールはビベカにもてあそばれたと思っていました。その晩、ビベカはカールの家に出かけてクリームのサンプルを返すように言います。さらに、その分子式をも要求。カールを共同経営者にして昔のような関係に戻ってもいいと提案しますがカールは拒否します。怒ったビベカは、そこにあった顕微鏡でカールを殴り殺してしまいます。翌朝、殺人事件現場にコロンボが到着し床に落ちていたガラスのかけらに気づきます。そしてカールがお金もないのに大名旅行(笑)を計画していたこと、さらに壁に飾ってあったビベカの写真などを見て、ビベカを疑いだします。その直後から、なぜかコロンボは手がかゆくなり大学病院にいる甥にみてもらったところ「毒ズタ」にかぶれたと言われます。同じ頃ビベカも手がかぶれて、かゆくてたまらず手袋をしていました。この辺の気候では「毒ズタ」ははえないらしく、どこか特別な場所で2人ともかぶれたに違いない、それはカールが殺された現場しか考えられない・・・、そう確信したコロンボはビベカの家宅捜索を命じます。カールの家から消えたクリームのサンプルを見つけたかったのですが・・・。

感想

刑事コロンボも、ついにサード・シーズンに突入しました。人気は衰えることなく、みんな益々コロンボ警部の活躍に期待していたわけです。さて、そのサード・シーズンの第一弾は豪華なゲスト・スターの共演です。まず犯人役ビベカを演じたベラ・マイルズは映画「サイコ」に出演していて最後に叫んでいた女優さん。美人です。TVドラマなどにも出演多数。ライバル社の社長ラング役はビンセント・プライス!数多くのホラー映画に出演していた方です。この作品の中では海千山千の業界のドン、という感じでしたが、とってもステキな品の良いおじいちゃんでした。そして、あの「地獄の黙示録」に出演前のういういしいマーティン・シーンも出ています。吹き替えは伊武雅刀さん。なんで?(笑)実は伊武さんは、コロンボの吹き替えでは御馴染み。こまかい役でちょこちょこ吹き替えされているのです。マーティン・シーンも合っているような、いないようなビミョーな感じ(笑)それにしても昔、子供の頃に、この作品を見た時は「シワ取りクリーム」なんて、なんの興味もなかった私ですが、今この歳になって考えると「シワ取りクリーム」あったらいいなぁ〜と心底思います(爆)
最後のシーンでビベカが、その「ミラクル」クリームのサンプルを処分しちゃうんだけどホント、もったいなくて〜。
さてさて、毒のある花は私をふくめて女性にとっては共感できるドラマだったと思うけど、ツメの甘さも言われているエピソードなんですよね。「毒ズタ」問題で明確な決着がつくと思われるんですが、それだけで犯人と言えるのかどうか今ひとつわかりません。でも見所はたくさんあって、のちにクレイマー刑事役でほとんどレギュラーになるブルース・カービー、コロンボのお気に入り俳優フレッド・ドレイパーなどが共演しています。そんな刑事コロンボ的トリビア?がけっこうあって楽しいのです。

posted by まほ at 08:47| Comment(0) | 第16回 毒のある花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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