2005年11月21日

第15回 二つの顔

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セカンド・シーズン

刑事コロンボ
二つの顔
DOUBLE SHOCK



日本放送 73年12月

脚本・・・スティーブン・ボチコ&ピーター・アラン・フィールズ
監督・・・ロバート・バトラー
ゲスト・・・マーティン・ランドー


ストーリー

大富豪パリスは、もう高齢でしたが孫のような若い娘リサと婚約しており結婚式の前日もフェンシングの試合をするほど元気でした。その晩、料理研究家の甥デクスター(マーティン・ランドー)が結婚式のお祝いを言うためにパリス邸を訪れます。いったん帰ったように見せかけたデクスターは再びパリス邸の浴室に現れ、入浴中のパリスの浴槽に電動式のハンドミキサーを投げ込むとパリスは感電死してしまいます。その後パリスに会いにきたリサがトレーニングウエアを着てフィットネス用の自転車に乗って死んでいるパリスを発見します。この時点でコロンボが捜査に参加して浴室のぬれたタオルに気づきます。一度風呂に入った老人が、こんな夜遅くにまた運動することは、どう考えても不自然だと思ったコロンボは解剖を要請し、その結果、単なる心臓マヒではなく他殺ではないかという結果になります。甥のデクスターの莫大な遺産目当ての犯行では?とにらんだコロンボ。しかし、そんな時デクスターの兄ノーマン(マーティン・ランドー、2役)が現れます。彼らは一卵性双生児で外見がまったく同じだったのです。
真面目な銀行員のノーマンには借金がありました。こうなると動機は2人ともにあり、しかもお互いに憎みあっていて、どちらも自分は犯人ではないと主張します。
しかしパリス邸の家政婦ペック夫人の何気ない証言から殺人事件が起きた時間に停電していた事実を知り、コロンボはこれは一人で出来る犯行ではない・・・。デクスターとノーマン、この2人が仕掛けたトリックに気づいたコロンボの逮捕の決め手は・・・?

感想

セカンド・シーズンの終わりにふさわしいエピソードの、二つの顔は「ひねりにひねった」作品です。まず最初に殺人が行われて見ているほうは犯人がわかっている気になっています。しかし後に、その犯人とそっくりの双子の兄弟が出てくる!コロンボと同様に見ているこっちも頭が混乱してきて、いったいどっちが本当の犯人なのかわからなくなるのです。その双子を演じたのがマーティン・ランドー。彼は「スパイ大作戦」で変装の名人をやっていた俳優さんで、今回はまさにハマリ役です。
軽薄プレイボーイタイプのデクスターとお堅い銀行員のノーマンを見事に演じわけているのが、なんといっても素晴らしい。吹き替えは滝田裕介さんです。滝田さんは「細腕繁盛記」のショウゴ役でお馴染み。私はNHKの海外美術ドキュメンタリー「レオナルド・ダビンチの生涯」のナレーションが一番好きなんですが、とても良いお声です。これまた見事にデクスターとノーマンを吹き替え分けていらっしゃる!ちなみに近年はマーティン・ランドーさん、映画「エド・ウッド」にベラ・ルゴシ役で出ていました。さて、今回はコロンボさん、料理研究家のデクスターがやってるTVのお料理番組に飛び入りで出演というハプニングがあります。これ、まったくのアドリブだったそうで、コロンボさん&ランドーさんともに実に楽しそうなんです。「オランダ・ソース」を作るんですが卵を割る手つきもなかなかのモンでした(笑)実はコロンボさん、料理は得意なのです。しかし、このソースはコレステロールがたまりそう〜!大富豪のおじいちゃんと婚約中のリサ嬢は美人でナイス・バディです。でもお金なんかいらない、とか言っちゃうんですよね。それってどうなんでしょう?欲に目がくらんだ2人の甥にはジャマな存在だったんですよね。一方パリス邸の家政婦ペック夫人は年季が入っていて誰よりも、この豪邸を仕切ってます。しつこいコロンボも今回ばかりはタジタジでした。でも最後は几帳面で完璧主義のペックさんの証言が決め手になるんだから、いじめられても仕方がないかも知れません(笑)この作品の中でコロンボの身体的特徴がわかります。それは「偏平足じゃない」こと。犯人が偏平足という設定だったので、ちょっと自慢したくなったみたいで。そういえば刑事物のドラマでは「デカの捜査は歩くのが基本」のようなところがありますよね。よく歩いている人は偏平足にはならないんでしょう。でもコロンボさんは、いつもプジョーに乗ってると思うんだけどなぁ〜(笑)

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2005年11月15日

第14回 絶たれた音

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セカンド・シーズン

刑事コロンボ

絶たれた音
THE MOST DANGEROUS MATCH

日本放送 73年11月

脚本・・・ジャクソン・ギリス
監督・・・エドワード・M・エイブロムス
ゲスト・・・ローレンス・ハーベイ


今回の親戚
アルバニーに住む、またイトコが犯人のファン
爺さん(たぶんコロンボの祖父)は40歳で入れ歯に


ストーリー
チェスの世界チャンピオンのクレイトン(ローレンス・ハーベイ)はかつてのチャンピオン、ロシア人のデューディックとの対決を控えていました。デューディックは病気で引退していましたがクレイトンの元フィアンセのリンダの計らいで2人の直接対決が実現することになり、事実上チェスの世界一決定戦として世界中の注目を集めていました。
クレイトンは耳が不自由で補聴器が必要でした。デューディックも糖尿病で医者から食事制限をされていて今回の対戦でロサンゼルスに来る時もロシアから医師と監視役を連れて来ていました。対戦前日、同じホテルに泊まっているデューディックが外出したあとを追ったクレイトンはレストランで同席するとテーブルクロスのチェック柄の上で塩やコショウのビンを使って、チェスを始めてしまいます。
結果はクレイトンが惨敗し、追い詰められた彼はデューディックの殺害を決意します。その晩、クレイトンはデューディックをホテルのゴミ処理場に呼び出すと、なんでもこなごなにしてしまうゴミの巨大なディスポーザーの中へデューディックを突き落としてしまいます。しかし幸運なことにデューディックは大怪我をしたものの命は取り留めました。この事件は試合を放棄して、こっそり逃げ出そうとした元チャンピオンが誤って足をすべらせた事故だとして処理されようとしましたが、なぜか出てくるコロンボがデューディックの彼の荷物の中身を見て疑問を持ちます。リンダに聞いても彼は試合を放棄するような男ではないと言うのでした。
そんな捜査の最中、デューディックが生きていることを知り焦ったクレイトンはデューディックの薬に細工をして今度は本当に彼を殺害してしまいます。ディスポーザーを調べていたコロンボは、この装置は稼動中に物が落ちると自動的に停止するという説明を聞き、犯人はクレイトンだと確信します。ものすごい音をたたているディスポーザーにデューディックが落ちて停止した時に、なぜもう一度スイッチを入れなかったのか、そこが一番のポイントでした・・・。

感想
いやぁ、この作品めずらしいです。なにしろ殺人未遂の段階でコロンボさんが出てくるのです。以前の、悪の温室でも誘拐段階でコロンボが出てきてますが。
このセカンド・シーズンになってから「ひねり」がきいたものが多いんですよね。そして前作の、溶ける糸もそうですが犯人は頭がキレるタイプで、知性派?コロンボとの対決が面白いのです。
クレイトン役のローレンス・ハーベイは映画「年上の女」という作品に出ていました。たまたまTVで見る機会があったのですが、献身的な年上女を捨てる身勝手な男の役でした(笑)今回、チェスチャンピオンとしての自信と傲慢さの裏に弱さをかかえている演技が良かったです。ちょっと冷たい感じなんですが激情すると怖いんですよね。デューディック役のジャック・クリューシェンはケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダース似の可愛いおじいちゃん。この人が殺されるのはホントに残念です。だって良い人なんですよ!
彼と一緒にはるばるアメリカまで来たロシアの医者と監視役の2人がイイ味出してました。クレイトンの元恋人で今はデューディック側のリンダという人は美人だけど、どうゆう考えなのかよく理解できないです。クレイトンを振っといて(たぶん)また試合させようなんて、彼がムカつくと思うんだけど、それも愛ゆえに、なのかしら?
動物病院にかようドッグはコロンボに連れられて事件のあったホテルのディスポーザーの見学に(笑)ゴミが大好きなドッグはディスポーザーに一目散に近づきます。お〜、いつもより多く仕事してます、ドッグ役の犬君!それが事件解決につながるので今回はお手柄なんですよね。相変わらずコロンボさんは、しつこくて犯人に嫌われます。でも刑事はそれが仕事なんです。仕事に真面目なだけなのよ。ちなみにコロンボが犯人を「あんた」と言った瞬間からもう疑ってます。というより犯人だと確信してますね〜。

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posted by まほ at 08:37| Comment(0) | 第14回 絶たれた音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月13日

第13回 溶ける糸

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セカンド・シーズン

刑事コロンボ

溶ける糸
A STITCH IN CRIME


日本放送 73年10月

脚本・・・シリル・ヘンドリックス
監督・・・ハイ・アバーバック
ゲスト・・・レナード・ニモイ






ストーリー
野望に燃える心臓外科医メイフィールド(レナード・ニモイ)は心臓外科の権威ハイデマン博士と新薬の研究をしていました。一刻も早くそれを完成させたいメイフィールドに対してハイデマン博士の態度は慎重でした。ある日ハイデマン博士が持病の心臓発作で入院したことを知ったメイフィールドは、博士の心臓の弁の手術をすることになります。ハイデマン博士を慕う看護婦のシャロンはメイフィールドが研究の成果を独り占めしたいのではないかと疑っていて、この手術で博士を殺害するおそれがあると心配していました。しかし手術は無事成功し、ホッとしたシャロンでしたが床に落ちていた糸を発見します。その糸は彼女が用意した縫合用の糸とは手触りが違っていました。何か糸に細工をしたのか、とメイフィールドに問いただしますが彼は否定。糸を作っている業者に電話をかけて専門家に確認してもらおうとしたシャロン。しかし駐車所で待ち伏せしていたメイフィールドは彼女を殺害し、麻薬中毒者に殺されたように偽装しました。シャロンの自宅を捜索したコロンボはメイフィールドが持ち込んだモルヒネのビンを発見しますが指紋はなく、ルームメイトに聞いてもシャロンが麻薬に関係しているなどとは聞いたこともないし、まして彼女が病院の麻薬を中毒者に横流ししていたことなど絶対にありえないと言うのでした。ひとつ気になることといえばハイデマン博士の手術が終わったとき手術は成功したのにシャロンはいらだっていた、という事実でした。彼女のメモから糸の専門家と会う約束をしていたということを知ったコロンボは、メイフィールドが糸に細工をしたと確信し、もしハイデマン博士が死んだら徹底的に解剖をして原因を突き止めるとメイフィールドを脅します。慌てたメイフィールドは、2度目の手術をするのですが・・・。

感想
この、溶ける糸は、そのタイトルが非常にインパクトがあります。刑事コロンボの邦題は、どれもみな印象深くて核心をついたものが多いんですが、特にこのタイトルは、そのものズバリなのです。そしてこの作品の犯人役メイフィールドは、なんとスタートレックのミスター・スポックでお馴染みのレナード・ニモイなのです!いつも冷静沈着、論理的で間違ったことをしない宇宙人の役で世界中で有名な彼を刑事コロンボでは腕利きの医者として登場させたのでした。なのでこのメイフィールド先生は、もうスポックそのもののキャラ設定になっています(笑)コロンボVSスポックの豪華な対決の図が見られる貴重なエピソードです。
で、もって吹き替えに一工夫したかったのかレナード・ニモイの声は天田俊明さん。かなりの2枚目声になってます。この天田さんの吹き替えも、ほとんど聞いたことがないのでNHKならではの思い切ったキャストです。看護婦のシャロン役はファースト・シーズンの、死の方程式に出ていたアン・フランシス。ハイデマン博士のウィル・ギアはTVドラマのおじいちゃん役で有名だった俳優さん。
そしてそして、今回のコロンボさんは違います。マジギレしてしまうのです!ハイデマン博士の2度目の手術のときには注射されるのも嫌いなコロンボがメイフィールドの手術ぶりをじっと見ていて手術が終わると同時に手術室に乗り込んで証拠を見つけようとしたりして、やたらと頑張る!おぉ〜コロンボさんカッコイイかも!
そんなコロンボの態度に冷静、沈着なスポック、いやメイフィールド先生も感情的になってキレてしまう!え〜どうなるの?と見ているほうはドキドキです。でも思いもよらない結末になりますので、どうぞ、お楽しみに。ファースト・シーズンの、2枚のドガの絵のラストに似ているな〜と思ったら同じ監督さんでした、やっぱり!
そうそうクシャミが出て止まらないコロンボがシャロンのルームメイトに教えてもらう「クシャミ治療法」ってのがちょっと面白かったのですが、私は実際にやったことはありません(笑)

posted by まほ at 08:51| Comment(4) | 第13回 溶ける糸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月04日

第12回 偶像のレクイエム

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セカンド・シーズン

刑事コロンボ
偶像のレクイエムREQUIEM FOR A FALLING STAR


日本放送 73年8月

脚本・・・ジャクソン・ギリス
監督・・・リチャード・クワイン
ゲスト・・・アン・バクスター



今回の親戚
Tクラブのバンドでバグパイプを吹いているおじさん
カミサンの留守に電話に出る義弟のジョージ


ストーリー
かつての映画スター、ノーラ(アン・バクスター)は今はTV界に転進。時々ドラマなどに出演して、かろうじて女優として生き残っていました。撮影所のオーナーだった夫は13年前に事故で死亡しており彼の残したスタジオ内の邸宅でノーラは暮らしていました。
ある日ノーラは秘書のジーンがコラムニストのジェリー・パークスと婚約したことを知りショックを受けます。このパークスは芸能界のゴシップばかりを書く男で、ノーラが以前、帳簿をごまかして多額の損失をスタジオ経営する会社側に押し付けたことも知っていました。それをネタに脅迫されたノーラは殺人を計画し、すばやく実行します。
その晩、パークスが新刊本のサイン会を行っているのを知ったノーラは彼の自宅まで行き、ガレージにガソリンをまいてパークスが帰ってくるのを待ち、彼の車が戻るのを確かめると火をつけます。車は爆発して燃えつき死体が発見されますが、それはパークスではなく秘書のジーンでした。
コロンボは犯人がパークスを狙ったものとして捜査し、ノーラを疑うようになっていましたが、例の多額の損失を出した問題はすでにオーナー側は知っており、ノーラにはパークスを殺害する動機がないことになってしまいます。
いつものようにマメにスタジオに通いつめていたコロンボは、たまたまノーラ宅のTVで彼女が出ている映画を見ていて、その中で男装しているノーラの姿を発見します。壁にかかっているノーラと夫の写真を見てピンときたコロンボは、この殺人事件はパークスではなく最初からジーンを狙ったのではないか、と思うようになります。でも動機がはっきりしない。ノーラの秘密は何なのか。金に困っているのに、この家を絶対に売りたがらないのはナゼなのか、ギリギリのところに賭けるコロンボでしたが・・・。

感想
アン・バクスターという女優さんは名作「イヴの総て」に出ていた人で、まさに往年の大スターです。今回のコロンボでも映画と同じキャラクターを演じているのが、とにかく一番の見所。そして、かつての大スターがTVに転進して地道に活動しているというのもアン・バクスター自身の現在とシンクロしているのですから、実に思い切った作品です。演じるほうの説得力が違う!見るほうも「う〜ん」とうなってしまい、妙に感動!(笑)ノーラに嫌われていてゴシップコラムを書くのが好きなパークス役はメル・ファーラー。吹き替えは小山田宗徳さん。小山田さんはパトリック・マクグーハンの吹き替えで有名な方。うんと2枚目路線の声なので、メル・ファーラーは合ってます。彼はオードリー・ヘップバーンのダンナさんだったそうで実生活では彼自身がゴシップメーカーとして有名だったらしい(笑)
今回はコロンボさん、大ファンのノーラ・チャンドラーという女優さんに会えて大喜び。わざわざカミサンに電話したりして大騒ぎでした。結局、電話に出たのは義弟のジョージでしたけど。彼女と2人でプジョーに乗るシーンもあってとても楽しそうでした。ビックリな事実なんですがハリウッドの有名な衣装デザイナーのイディス・ヘッドさんが特別出演している!ノーラがコロンボにネクタイをプレゼントするシーンで、ひょっこり出てきます。彼女のデスクには本物のオスカー像がいっぱい。さて、今回のエピソードは女性の犯人でしたが、これからのシリーズに向けての「女性犯人物」のさきがけと言える良い出来の作品だと思います。
以前にも、女性が犯人の作品がありました。パイロット版の、死者の身代金と、ファースト・シーズンの、もうひとつの鍵です。それらとは違って今回の犯人とコロンボの対決は、いわゆる今後の「定番」になっていく記念すべきエピソードでした。犯人の美女と、ムサいおじさんコロンボとの取り合わせが面白いことは確かです。ちなみに、この作品はユニバーサル・スタジオそのものが撮影現場だったそうで有名な場所が、あちこち出てくるとか。まさに本物だったんですよね〜!

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posted by まほ at 10:20| Comment(3) | 第12回 偶像のレクイエム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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