2005年10月31日

第11回 ロンドンの傘

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セカンド・シーズン


刑事コロンボ
ロンドンの傘 DAGGER OF MIND




日本放送 73年 7月

脚本・・・ジャクソン・ギリス
監督・・・リチャード・クワイン
ゲスト・・・リチャード・ベースハート、 オナー・ブラックマン



今回の親戚
ボーイスカウト(の派手な制服)が好きな弟


ストーリー
舞台はロンドンのある劇場。「マクベス」のリハーサルが行われていました。初日は明日です。主演のマクベス夫妻を演じるニック(リチャード・ベースハート)とリリー(オナー・ブラックマン)は落ち目の俳優夫婦です。今回の「マクベス」もリリーがサー・ロジャー・ハビシャムを色仕掛けでスポンサーにして実現させた公演でした。
夜、突然、楽屋を訪れたサー・ロジャーは2人のたくらみに気づいて激怒しリリーを売女呼ばわり。明日、幕のあく「マクベス」の公演を中止にしてやると叫びます。
ニックはサー・ロジャーを説得しようとしてもみ合い、慌てたリリーがクリームのビンを投げつけると、それがサー・ロジャーに当たって、運悪くサー・ロジャーは死んでしまいます。
サー・ロジャーが「誰にも見られずに楽屋まで来た」と言っていたのを信じたニックとリリーは死体をサー・ロジャーの屋敷まで運んで、彼が階段から足を滑らせて死んだように偽装しました。翌朝、死体が発見されます。そんな折、刑事コロンボが研修のためにはるばるスコットランドヤードまでやって来ていました。接待役のダーク刑事部長がサー・ロジャーの遠縁だったために、サー・ロジャーの大邸宅に同行することになります。地元の警察もダーク刑事部長も単なる事故で片付けようとしますがコロンボだけは疑問を持ちます。独自の調査?の結果ニックとリリーに疑いをもったコロンボでしたが、今回ばかりは手が出せません。サー・ロジャーがロウ人形館に展示される日、コロンボは、またまたワナを仕掛けます。ポイントは傘・・・。コロンボの異国の地での犯人逮捕はどうなるのでしょうか?

感想
この作品は刑事コロンボ初の海外ロケです。場所はロンドン。格調高いBGMが流れ、美しく撮影されたコロンボは、それだけでも見ごたえがあります。なんと撮影は「2001年宇宙の旅」のジョフリー・アンスワース担当だそうです。ゲストも豪華!まず、ニック役のリチャード・ベースハート。彼はフェリーニ監督の「道」でヴァイオリンを弾いていた人。吹き替えは高橋昌也さんで、高橋さんがTVドラマの吹き替えをやるのは非常にめずらしいです。リリー役のオナー・ブラックマンはボンドガールだったそうで、TVシリーズ「アベンジャーズ」のヒロインもやっていた女優さん。吹き替えはムーミンでお馴染みの岸田今日子さん。そういえば顔や雰囲気が何となく似ているような気がします。この吹き替えのコンビ、私は大当たりだと思うんですよね。舞台の緊張感のあるセリフ回しなど特に良かったです。
サー・ロジャーを演じたジョン・ウイリアムズも名優だし、ウィルフリッド・ハイド・ホワイトの執事タナー役は、これぞ英国!の古き良き伝統を感じさせてくれました。このおじいちゃん俳優は半世紀以上も活躍していた名バイプレイヤー。さて、今回のコロンボさん。空港でスーツケースが無くなったり観光気分で記念写真を撮ったりしているうちに、殺人事件に遭遇してしまいます。そのおかげで色々と英国を知ることもできたわけですが(笑)しかし捜査に興味はあっても直接かかわれないという、もどかしさがついて回るのです。ラストはコロンボの本領発揮なんですけどね。なぜか犯人に対しての扱いは英国のほうが厳しいようです。最後2人が連行されるシーンなどは、今までのコロンボでは、そこまでやらなかった。そのへんの結末も英国バージョンということかも知れません。色々と趣向をこらした展開が多いセカンド・シーズン。今回、プジョーもドッグも出てきませんが、旅行先ではしゃぐコロンボ、執事に会って感動するコロンボ、ロンドンの雨でずぶぬれになるコロンボ、などなどファンにとっては充分に楽しめます!この作品、2時間バージョンのエピソードの中でも、かなりの傑作だと思います。
posted by まほ at 08:40| Comment(12) | 第11回 ロンドンの傘 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月10日

第10回 アリバイのダイヤル

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セカンド・シーズン

刑事コロンボ
アリバイのダイヤル 
THE MOST CRUCIAL GAME



日本放送 73年6月

脚本・・・ジョン・T・デュガン
監督・・・ジェレミー・ケーゲン
ゲスト・・・ロバート・カルプ



今回の親戚
ハンガリー人と結婚した甥


ストーリー
ワーグナー・スポーツが所有するフットボールチーム「ロケッツ」のゼネラルマネージャー、ポール・ハンロン(ロバート・カルプ)は無能な2代目オーナーのエリックが、まるで経営に興味がないのを歯がゆく思っていました。そこでエリックの殺害して会社を我が物にしようと計画し、実行します。
ハンロンは「ロケッツ」の試合の日、試合を観戦中に専用ボックスから抜け出して用意していたアイスクリーム販売車でエリックの自宅に向かいます。途中、公衆電話からエリックに電話して彼がプールにいることを確認。試合中継のラジオをエリックに聞かせて自分はスタジアムにいると思わせます。エリックの自宅に着いたハンロンは氷の塊でエリックを撲殺。急いでスタジアムに戻りました。
エリックの死体が発見され、飛び込みを誤ったための事故死と警察では判断しましたが、コロンボだけは疑問を持ちます。エリックの父の代からの弁護士キャネルがポールの野心に気づいて敵対心を持っていることを知ったコロンボはハンロンを疑うようになります。なんとキャネルはハンロンの自宅とエリックの自宅の電話を盗聴していたのです。そして、その録音テープには殺害直前のハンロンとエリックの電話での会話も録音されており、これがハンロンがスタジアムにいたという決定的なアリバイになってしまいました。しかし、それはハンロンの巧妙なアリバイ作りの手口でした・・・。

感想
この作品を初めて見たとき、すごく衝撃的でした。プールで泳いでいる男を氷の塊で殺害する。凶器は溶けてなくなってしまう!まったく指紋も残らないし完璧な犯罪かも知れません。犯人ハンロン役がロバート・カルプ!この人、ファースト・シーズンの指輪の爪あとでも犯人役をやっていました。コロンボの犯人にピッタリの俳優さんだと思います。今回は「アイスクリーム売り」のコスプレ?が楽しそうでした。吹き替えは前回と同じ梅野泰靖さん。この方、本当に上手いのです。ほれぼれします・・・(笑)そして、またまたファースト・シーズンの死の方程式に出演していた「猿の惑星」組のジェームズ・グレゴリーがフットボールチームのマネージャー役で元気ハツラツな姿を見せて、あとピーター・フォークのお気に入り俳優、ヴァル・アヴェリーも盗聴屋?役で出てきます。彼は、いわゆる脇役なのですが、その存在感(特に顔・笑)で一度見たら忘れられないのです。これからのコロンボ・シリーズにも、ちょくちょく顔を出して「あ〜、また出てる!」てな具合でファンにとっては知り合いみたいな人ですね〜。でもって衝撃的な始まりかたに比べてラストは、イマイチ衝撃度が足らないような気がします。でもコロンボの長所「しつこさ」がよく現れていて、それが犯人を追い詰めるのですから、まぁ良し。それにしてもエリックと奥さんの関係が、ちょっとヘンなのが気になりました。お互いに理解がありすぎます!
今回は、けっこう難事件でした。なにしろ好物のチリを食べるのも忘れて事件に没頭しているんですから。ちなみにエリック・ワーグナー邸はファースト・シーズンの構想の死角でのケン・フランクリン邸と同じお屋敷だそうです。大きな玄関ドアが素晴らしいのです。

2005年10月04日

第9回 悪の温室

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セカンド・シーズン

刑事コロンボ

悪の温室
THE GREENHOUSE JUNGLE


日本放送 73年5月

脚本・・・ジョナサン・ラティマー
監督・・・ボリス・セイガル
ゲスト・・・レイ・ミランド

ストーリー
ジャービス・グッドウィン(レイ・ミランド)は甥のトニーから父親の遺産についての相談を受けます。父の死後、信託扱いになっている遺産を何とか自由に使いたいと言うトニーに対して、ジャービスはトニー自身の狂言誘拐を提案します。トニーの妻キャシーに脅迫状を送りつければ緊急事態として信託基金からお金を引き出せるのです。
ジャービスとトニーは早速、計画を実行し、まず2人で銃弾を打ち込んだトニーの車を崖から落とすと、それを警察が発見。次に脅迫状を送って、身代金の受け渡し場所を指示します。殺人事件の可能性もあるので刑事コロンボも捜査に参加。ジャービスは身代金を持って自分が指定した深夜の山道に車で行き、そこで待っていた変装したトニーに渡すと人質の安否も確認しないまま帰ってきてしまいます。その後、落ち合った2人は計画が成功したことを喜びますが、そこでジャービスははしゃぐトニーを殺害。
身代金の30万ドルは初めから独り占めしようとしていました。コロンボはトニーの妻キャシーに愛人がいることを知り、トニーがその男に手切れ金を払うために現金が必要だったこと、ジャービスの愛好している蘭の花には、ひどく金がかかることなどを知って、この誘拐事件はジャービスらの犯行だと確信します。トニーの車や遺体から見つかった32口径の弾。凶器にこだわったコロンボは新しい秘密兵器を使って、ジャービスの温室の捜査をするのですが。

感想
この作品は、めずらしいことに最初に殺人が行われません。コロンボ・セカンド・シーズンでは新たな工夫がたくさん見られるようになりました。この悪の温室は偽装誘拐から殺人事件へと展開していくエピソードなのです。ゲストはレイ・ミランド。以前にも指輪の爪あとにも出演していたベテラン俳優さんです。今回は犯人役での登場で「蘭の愛好家」という役でした。今までのコロンボの犯人たちはいつも忙しく、やり手で、お金持ちというのが定番でしたがこのジャービスという男はリタイアしていて一見、悠々自適に見える老人。そして甥の財産を狙っているというわけです。なので時間はたっぷりありますからコロンボとの対決もけっこうたっぷりあります。コロンボの奥さんが枯らしてしまったアフリカバイオレットを見事に蘇生させてくれたりして。
そして、今回はドッグに続いてコロンボの人間の!相棒が登場します。エリートのウィルソン刑事です。彼、真面目で最新の捜査についてもエキスパート。彼が来たおかげでコロンボは、余裕を持って仕事ができるようになります。細かくて面倒なところは彼にまかせて、ゆっくりチリも食べられます(笑)最後もウィルソン刑事がいたから解決したようなもんだし。ちなみにこの作品、吹き替えが小池さん版と2代目石田さん版と2つあるところもめずらしいのです。
日テレで放送する時に石田太郎さんで吹き替えを取り直したようで、現在CSTVでは石田版が放送されています。市販ビデオでは小池版が残っていますし、その他のキャストも違う方が吹き替えていたりするので(キャシーの愛人役の津嘉山正種さんは新、旧同じかも!)聞き比べてみるのも面白いと思います。

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posted by まほ at 10:10| Comment(2) | 第9回 悪の温室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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