2008年01月20日

第34回 魔術師の幻想

フィフス・シーズン

刑事コロンボ

魔術師の幻想

NOW YOU SEE HIM


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日本放送 77年12月

脚本・・・マイケル・スローン
監督・・・ハーベイ・ハート
ゲスト・・・ジャック・キャシディ


ストーリー

魔術師サンティーニ(ジャック・キャシディ)の本名はステファン・ミューラーと言って第二次大戦中はナチスの親衛隊に入っていました。戦後しばらくはヨーロッパで身分を隠しイギリス風の名前を名乗って魔術師、主にヘッドアクトと呼ばれる出し物をやって活躍して今はアメリカでジェロームが経営するクラブで「水槽の幻想」という魔術を披露して人気を集めていました。サンティーニはジェロームにナチ親衛隊時代の秘密を知られていたのでした。
その弱みに付け込んでジェロームはサンティーニの収入の50%を自分のものにしていました。ある日、ジェロームのオフィスを訪れたサンティーニは今後は収入の5%しか払いたくないとジェロームに言い渡しますが、そんなことをすればサンティーニがナチ親衛隊員だった事実を移民局に密告してやると言ってタイプで手紙を打ち始めました。その晩、クラブでいつものように「水槽の幻想」が始まるとサンティーニは箱の中に入れられさらに水槽に沈められてしまいます。そして、その水中にいる10分間を利用して殺人を実行することにしました。サンティーニは魔術が始まるとすぐに水槽の下から抜け出して地下室に降りて行き、すばやく変装して2階のジェロームのオフィスの鍵を壊して侵入し彼を殺害。タイプ途中の例に手紙を持ち去りました。舞台では「水槽の幻想」がラストのクライマックスを迎えており、水槽の中から引き上げられた箱の中からはサンティーニの娘デラが現われます。デラの横にはいつの間にか黒子に扮したサンティーニの姿もあり、魔術は大成功で終わります。ブランドフォード(ロバート・ロジア)らの通報でコロンボがクラブに到着すると、そこにはすでにウィルソン刑事が来ていました。殺人現場を見て色々と話し合うコロンボとウィルソン。
コロンボは付け替えたばかりのドアの鍵が簡単に壊されているのが気になって、犯人は手先が器用で、そうとうな腕前の持ち主だと考えるのでした。そうなると怪しいのは魔術師サンティーニ。しかし犯行が行われた時間、彼は魔術の最中で、しかも楽屋にいたという証言もあるのでした。「殺しには絶対に動機がある」と信じているコロンボはウィルソン刑事と一緒にもう一度事件現場ジェロームのオフィスに行きます。するとウィルソン刑事が最新式のタイプライターに気づいてあの夜、彼はタイプを打っているところを襲われたのではないかと思うのでした。そして犯人がタイプされた手紙を持ち去ったのではないか。その手紙こそ唯一の証拠なのだと確信したコロンボ。
そして、タイプライターのテープに手紙の内容が全て残っていたのを発見するのでした。

感想

魔術師の幻想、このエピソードは大好きです。なんといってもゲストがジャック・キャシディさん。
彼はファースト・シーズンの、構想の死角のフランクリン役、サード・シーズンの、第三の終章のグリーンリーフ役と、かつて2回もコロンボ・シリーズの犯人を演じた常連俳優さんです。でも本当に今回の魔術師の役が一番良かったんじゃないでしょうか。華麗で華のあるキャシディさん。舞台の上でも実に見事な手さばき、指さばきを披露してくれます。もちろんスタッフとして本物の魔術師マーク・ウィルソンという方がいたという話を聞きました。それにしても素晴らしいマジック。役になりきってキャシディさんも楽しそうでした。しかし残念なことにキャシディさんは、このあとしばらくしてお家の火事で亡くなってしまいます(事故死という説もあり)まだ49歳という若さ。今でもお元気だったら、きっと新・コロンボにも出演していただろうな(泣)吹き替えは田口計さん。
もう私の中では「ジャック・キャシディ=田口計」になっています。これほどのハマリ役って他にあまりないんじゃないかしら。さて久々にコロンボさんとコンビを組むウィルソン刑事はセカンド・シーズンの、悪の温室で活躍した真面目で熱血、そして最新機器に詳しいインテリ刑事。今回も最新式タイプライターのブラインドタッチで超早業を見せてくれます。彼とコロンボさんは合ってないようでいて実は、なかなか良いコンビなのかもしれません。お互いに得意分野が違って補い合えるから非常に上手くいく取り合わせだと思います。このエピソードに限りコロンボは新しいコートを着ているんですが(カミサンの誕生日プレゼント)それをどこかに置き忘れそうになると必ずウィルソン刑事が声をかけてくれる「コートをお忘れですよ!」って。でもコートが気に入らないコロンボは全然おかまいなしで無くしてもいいや、なんて思ってる(笑)そりゃそうです、このコート、コロンボさんに似合いません。パリッとしていて、いかにも肩が懲りそうなんですよね。敵が魔術師だということでコロンボさんが手品グッズを売っている店に行くシーンや「綱渡り名人」のマイケル・ラリーさんと話をするシーンなど見所も満載。この方、ほとんどのコロンボ作品に出ているそうなんですが、あまり気づく人はいないくらい地味なおじいちゃん。今回はコロンボと会話もあって画面に映っている時間が長いです。クラブの調理場を仕切るブランドフォード役が「白と黒のナイフ」のロバート・ロジアだったり、サンティーニの娘デラがシンシア・サイクスだったりとマニアの方々にも嬉しいキャスティングでした。そして、そしてラストが一番の見ものなのです。あのコロンボさんが魔術師になってしまう!? サンティーニお得意のヘッドアクトをやって見せてくれるのです!
それと、やっぱりウィルソン刑事の活躍が見逃せません。これ以降も、このコンビでやってくれたらかなり面白い「刑事コロンボ」になっていたかも、なんて想像すると楽しいです。
タグ:コロンボ
posted by まほ at 19:11| Comment(16) | 第34回 魔術師の幻想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月08日

第43回 策謀の結末

セブンス・シーズン

刑事コロンボ

策謀の結末

THE CONSPIRATORS


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日本放送 79年1月

脚本・・・ハワード・バーク
監督・・・レオ・ペン
ゲスト・・・クライブ・レビル




今回の親戚

ウエイトリフティングで優勝し、刺繍コンクールで2位の甥(?)




ストーリー

アイルランド出身の詩人ジョー・デブリン(クライブ・レビル)は北部アイルランドで暴力に巻き込まれた多くの人々を救済するために募金活動を行っていました。その活動にはオコンネル工業の会長と、その息子ジョージも協力していました。しかし彼らは皆IRAのメンバーであり募金と偽って集めた金で武器を大量に買っては密かにアイルランドに送っていたのでした。
ある日デブリンの本のサイン会にポーリーという男がやって来て「われらのみ!」と書かれているデブリンの本を差し出します。それはIRAの合言葉でポーリーなる男は武器の密売人でした。
「われらのみ!」の言葉にかぶせるようにサインしたデブリン。サイン会が終わってポーリーとホテルで会ったデブリンは武器の売買についての密談を始めますが、ポーリーが金を奪うのだけが目的であることがわかっていました。そこでデブリンはポーリーが持っていた銃で彼を殺害します。
デブリンはポーリーを裏切り者として「処刑」し、自分のお気に入りのアイリッシュ・ウイスキーの
空ボトルをポーリーの死体の側に置いておきました。
コロンボが捜査を開始しますが、まず死体の側にウイスキーのボトルが置いてあったことが一番の謎でした。ホテルのポーリーの部屋に置かれていたデブリンの本を見つけたコロンボは例の合言葉「われらのみ!」の上から書かれたデブリンのサインを不思議に思って彼の自宅まで捜査に出向きデブリンと意気投合。彼に捜査の協力を頼んで一緒に酒を飲んだりパブでダーツをして遊びます。
お互いに詩を詠んで楽しい時を過ごすのでした。そんな中、デブリンはポーリーが銃を仕入れていた人物に直接会って大量の武器を購入して、さらにアイルランド行きの貨物船も借りて準備を万端。ポーリーの正体をつかんだコロンボはデブリンが武器の密売に関係しているということを確信しても、それを、いったいいつ積み込んで出港するのか、というのがわかりません。ついに出港の日が来ても武器を積み込んだ様子はなくガッカリするコロンボ。しかし、船が港を離れると小さなタグボートが
その後をついて行きます。そのタグボートをよく見るとオコンネル工業の旗が・・・!ピンときたコロンボ。武器はタグボートに積まれていて沖に出たところで積み替える手はずになっていました。
観念するデブリン。自分は逮捕されても武器が無事に運び出されることを彼は望んでいたのでした。


感想

セブンス・シーズンの最後は、策謀の結末です。この作品には小池朝雄さんの吹き替え版はありません。
噂によるとNHKが紛失してしまったそうです(泣)ですので現在テレビ放送されたりビデオやDVDで見ることができる本作品の吹き替えは日テレで取り直しされた石田太郎さんバージョンのみなのです。
昔々、NHK放送時に小池さんバージョンを見ていますが、すごく良かったんですよね。紛失は残念!さて気を取り直して。このエピソードはシリアスでデリケートな事件を扱っています。アイルランドのIRA組織についてのストーリーというのはコロンボ・シリーズでも初めてです。そしてゲストスターはクライブ・レビルという俳優さん。彼の演じたジョー・デブリンとは愉快で人懐こい人物でありながら裏では武器を買いあさりアイルランドに送っているという冷酷さも持ち合わせているのです。そんな役を苦もなく演じているクライブ・レビルさんは舞台、映画でも活躍されていて、とにかく顔が印象的。
顔が大きいというのもありますが、いかにもイギリス、アイルランド系な造り?なのです(笑)吹き替えは旧版が納谷悟朗さんで新版が家弓家正さん。家弓さんはフィフス・シーズンの、仮面の男でレスリー・ニールセンの吹き替えもやってました。このエピソードの一番のポイントとして出てくるアイリッシュ・ウイスキーのボトルに「ここまで、ここを過ぎず」と飲む量を決めるために指輪で印をつけるんですが、そのデブリンさんのクセが逮捕につながるんですよね。
そして今回コロンボさんはデブリンさんと良き友達になります。今までにこんな展開はなかったなぁ。2人が一緒に遊び、酒を飲み、語り合うのは見ていても楽しげです。犯人に見下されていたりしていたコロンボさん。犯人を尊敬したこともあったと言うコロンボさん。犯人から好かれたこともあったりして良い関係が築けたこともありましたが、犯人と「親友」になれたのはめずらしいのです。
さて、この作品の中で私が最も印象に残っているシーンはデブリンがポーリーの知り合いの武器商人に会いに行くところなんです。ウエスタン・ハットをかぶり人当たりの良さそうな男ってのが実は危険!吹き替えが最高で、なんと大泉あきらさん。すごく合っていました。今では聞くことができませんが私の心の中にしっかりと残っています。ついに、この45作目でいよいよ最終回。だからお金をかけて空撮があったりして(笑)ドッグは出てこないけどプジョーはしっかり出ています。お疲れ様でした。そんなこんなで去年の夏から始まった「まほ どらま コロンボ・シリーズ」は今回でもってサヨナラ。
大好きなコロンボさんのことを、こんなに続けて書くことができて、ただただ嬉しい限りです。
お付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。

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posted by まほ at 17:45| Comment(19) | 第43回 策謀の結末 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第42回 攻撃命令

セブンス・シーズン

刑事コロンボ

攻撃命令

HOW TO DIAL A MURDER


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日本放送 79年1月

脚本・・・トム・ラザラス
監督・・・ジェームズ・フローリー
ケスト・・・ニコル・ウイリアムソン



今回のカミサン

映画「市民ケーン」は最高傑作だと思っている




ストーリー

心理学者エリック・メイスン(ニコル・ウイリアムソン)は半年前に事故死した妻ローレンが自分の親友の心理学者チャーリーと浮気をしていたことを知っていました。メイスンは愛犬の2匹のドーベルマン、ローレルとハーディを訓練して攻撃命令を覚えさせチャーリーを殺害する機会をうかがっていました。ある日、大学の講義が午前中で終わったメイスンはチャーリーに自分は定期検診のためクリニックに行く用があるので2匹のドーベルマンを自宅に連れて帰ってテニスの約束をした午後3時まで待っていてほしいと言います。3時になっても検診が終わらないメイスンは自宅に電話をかけ、チャーリーが受話器を取ると、メイスンは帰宅が遅くなると言いチャーリーに市民ケーンの中の言葉「バラのつぼみ」を言わせるようにしむけます。
チャーリーが、その言葉を言ったとたん2匹のドーベルマンが突然チャーリーに襲いかかります。
「バラのつぼみ」というキーワードに反応したローレルとハーディはチャーリーを攻撃して殺害。
受話器の向こう側でチャーリーの叫び声を聞いていたメイスンは計画が成功したのを知るのでした。
コロンボが捜査に乗り出し、まず疑問に思ったのはキッチンのはずれたままになっていた電話です。あきらかにチャーリーはここで誰かと電話中に襲われたに違いないのに断末魔の叫びを聞いていた通話中の相手から警察に連絡が入っておらず、普通なら考えられないことだと思ったコロンボは手探り状態の中、まず逮捕?されてしまったメイスンの2匹のドーベルマンについて色々と調べて犬の訓練士を訪ねます。その訓練士によれば賢い犬ならば、ある言葉をきっかけに人を襲うように「攻撃命令」を仕込むことは難しいことではないらしく、そう考えればあのローレルとハーディにチャーリー殺しを命じることが出来ます。そうなると犯人は当然メイスンということになります。
しかし、いったいそれを証明できるのか?メイスンの自宅を訪ねたコロンボはポケットに小さな録音テープをしのばせてメイスンと「言葉の連想ゲーム」をやり会話の全てを録音しておきます。
処分されるために警察に隔離されていた2匹のドーベルマンに、この時のテープを聞かせたところ「バラのつぼみ」のところで激しく吠え立て飛び掛りそうな勢いです。これだと思ったコロンボはこっそり攻撃命令を変更するように訓練士に頼みます。それを知らないメイスンはドーベルマンを連れたコロンボが彼の前に現われた時「バラのつぼみ」と叫んでコロンボを襲わせようとしますが攻撃命令のキーワードを変更された犬たちは、その言葉を聴いても人を襲うことはしませんでした。観念するメイスン。実は妻を殺害したのも彼でした。彼は妻も親友も許せなかったのです。


感想

前作の、秒読みの殺人につづいて火曜サスペンス路線な作品です。浮気妻を殺した男が次は相手の男(親友)を殺すというもので、その殺害方法がすごいんです。自分の愛犬を使って襲わせるという手のこんだ仕掛け。前にもフィフス・シーズンの、闘牛士の栄光で暴れ牛に殺人をさせるというのがありましたが、あれは牛を仕込んだわけじゃなく自然発生的にそうなった事件でした。しかし今度は犬を訓練して凶器にしてしまうという犬の立場で考えたら迷惑な話ですよね。命令にしたがっただけなのに犯人にされて処分されそうになってしまいます。コロンボさんが止めてくれるので助かりますがメイスン先生は愛犬をそんなふうにしてしまうのはいけないことだと思います(怒)さて、そのメイスン先生役はニコル・ウイリアムソン。私は知らない俳優さんなんですけど映画などで活躍されていて「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」などに出演しホームズ役を演じたそうです。
そうなるとこの作品はコロンボVSホームズということになるのかも(笑)そしてメイスン先生の趣味が古いハリウッド映画のレア物を集めることで「市民ケーン」に関するお宝がぞくぞくと出てきます。そんなわけでドラマのキーワードが「バラのつぼみ」になったんでしょう。メイスン先生の吹き替えは平田昭彦さん〜!あのゴジラ映画などでお馴染みの俳優さんです。この方の吹き替えは本作品だけかも。知性的な感じがとっても良かったです。コロンボさんと言葉のゲームをするところは見所だと思います。メイスン先生と一緒に住んでいる謎の女子大生ジョアンはシグモントというクマのぬいぐるみを抱えてまだまだ子供っぽいお嬢さん。なんか怪しい関係を想像してしまいますよね、イヤだなぁ〜(笑)
それにしても、このセブンス・シーズンはコロンボさんが犯人と対等であるというのがわかる作品が多いのです。今までは地位も名誉もお金もある犯人がコロンボさんを見下すパターンが普通でしたが年を取ったせいもあってコロンボさんも刑事として年季が入り貫禄も出て犯人もビビッてしまうのかしつこく捜査をしていても昔よりは、かなり待遇が良くなってきたように思います。そうなると犯人も本気になってきて今回のメイスン先生のようにコロンボさんを殺そうとしたりするんですよね!前々回の、美食の報酬でもコロンボさんはワインで殺されそうになったんですよ、いやぁ危ない。メイスン邸に飾られた多くの映画の小道具は、それを見るだけでも懐かしいと思う人がたくさんいてコロンボさん(ピーター・フォークさん?)が好きだったW・C・フィールズのことを聞けたりするし、とにかく殺人事件さえなければ、とても楽しいエピソードになっていたと思うんですけど、それは無理。

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タグ:コロンボ
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2007年12月11日

第41回 秒読みの殺人

セブンス・シーズン

刑事コロンボ

秒読みの殺人

MAKE ME A PERFECT MURDER


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日本放送 79年1月

脚本・・・ロバート・ブリーズ
監督・・・ジェイムズ・フローリー
ゲスト・・・トリッシュ・バン・デバー



今回の親戚

8ミリ映画作るって騒いでいるコッポラ好きの15歳の甥



ストーリー

CNCテレビ西部支局長マークのチーフ・アシスタント、ケイ(トリッシュ・バン・デバー)はプライベートではマークと同棲しており公私ともに良いパートナー関係であると思っていました。彼女には才能があり野心家でマークとの同棲生活も彼の地位を利用しているところがあったのは事実でした。ある日マークにニューヨーク本社への栄転が決まりました。ケイも一緒に行けると思っていたところ、意外にもマークは別れ話を持ち出します。さらに次期支局長の件についてもケイを推薦しないと言い放ち「君にはまとめる能力はあるが決断が出来ない」と言うのでした。
プライドを傷つけられたケイはマークの殺害を計画します。
ケイが高額をつぎこんで制作したTVムービー「ザ・プロフェッショナル」を本社の重役フラナガンらに見せることになった晩、試写室で上映が始まるとケイは映写技師のウォルターに別のフィルムを倉庫まで取りに行かせ次のフィルム・チェンジは自分がやるからと言います。フィルム・チェンジまでの4分間、あらかじめテープに録音しておいた4分間のカウントダウンをイヤホーンで聞きながら残業しているマークの部屋へ早足で向かい、ドアを開けて中へ入るとマークを銃で殺害します。
急いで試写室に戻らなければならないケイは凶器の銃をエレベーターの天井に隠し、ウォルターが戻るギリギリで間一髪フィルム・チェンジに間に合いました。コロンボがマーク殺しの捜査を始めますがマークは椅子に腰掛け、逃げようともせず、しかもメガネははずしたままでした。外部から侵入した殺人犯ならばマークは顔を見ようとメガネをかけただろうし、慌てて逃げようともしたでしょう。
しかしそんな様子は皆無で、これは顔見知りの犯行に違いないとコロンボはマークと親しくしていた人物を洗い出そうとします。マークに豪邸を訪れたコロンボはそこで女性用にシャケットを発見してそれがケイのものであることを突き止めます。2人の関係がわかり動機もわかったコロンボは凶器の銃をエレベーターで見つけると、それとよく似た銃を再びエレベーターの天井に隠して様子を見ます。
コロンボの罠とも知らずエレベーターの天井に銃を見つけたケイは何とか取り戻すことに成功して撮影現場に向かう途中で捨ててしまいます。深夜、回転木馬のシーンを取るために現場を訪れたケイ。「ザ・プロフェッショナル」を局に無断で放送したことがフラナガンの怒りをかってクビを宣告され落ち込んでいました。そこへコロンボがやって来ます。すでに回収していた凶器の銃をケイに見せるとケイは殺害を認めました。「でも、私は負けない。戦って勝つわ」という言葉を残して連行されるケイ。
彼女のやったことは悪いことでしたが、彼女の生き方には関心するコロンボでした。


感想

めずらしいことに、この秒読みの殺人ではコロンボさんが初めから出てきます。といっても交通事故にあってムチ打ち症になってしまいます。年代物の愛車プジョーは頭もお尻もボコボコ状態になっちゃう。しかも犯人!は警察のパトカーなんだから。コロンボさんはツイていません(笑)
さて、今回はまたまた女性の犯人との対決です。舞台は多忙極まれるCNCテレビ局です。やり手の支局長マークと男女の関係を持ち、仕事でもサブをつとめる女性ケイは野心の塊です。貧しい家庭に生まれたことが彼女の上昇志向に火をつけています。マークを上手く利用したつもりが裏切られたので私の今までの人生はいったい何だったの?と逆ギレしたと思えなくもない。マークのほうにも愛情があったとは言えないんですよね。
別れ際に高級車をバーンとケイにブレゼントするのを見たりすると後ろめたさはあったんでしょう。マークさん自分が栄転するんならケイを後釜にするくらいの気遣いがあっても良かったのでは?自分でに勝手に後始末をつけて「じゃ、さよなら」なんて虫が良すぎます。
う〜ん、どう考えても後味が悪いことだけは確かです。そんなわけで今回は女の復讐劇になってます。「ザ・プロフェッショナル」というケイさんが心血をそそいた作品が出てくるのですが、このドラマがポイントになっています。お偉いさん方の評判が今ひとつだったためにケイさんはミュージカル番組の差し替えに放送してしまいます。ミュージカルに主演するはずだった女性はケイさんの親友であてにならないぐだぐだな女優で、本番をすっぽかすという緊急事態を招き、仕方なしにケイさんのドラマ「ザ・プロフェッショナル」を放送することになりました。しか〜し考えてみると、こうゆう女優を選んだ時点でこうなるのは目に見えていたと思います。全てを見越していたケイさんの策略かも?なんて勘ぐりたくもなるんですよね。重役のフラナガン氏の激怒もわかる。フラナガン役はお馴染みパトリック・オニールさんでファースト・シーズンの、パイルD−3の壁のマーカム役でした。
今回の吹き替えは黒沢良さん。実にステキな声です。ピッタリでした(前回は川辺久造さんでした)さて、この作品はコロンボ史上初の「男女関係のもつれによる殺人」でして、ちょっと火曜サスペンスみたいな感じがあります。ケイがイヤホーンでカウントダウンを聞きながら殺人を犯すシーンは見所でハラハラ・ドキドキ。エレベーターの天井の透明な板を持ち上げて銃を取り戻すシーンも良かったです。試写室にいる映写技師ウォルター曰く映画には全て「パンチ」が入っているという事実を聞いて驚くコロンボさんも愉快です。愉快といえばテレビが大好きなコロンボの愛犬ドッグの話。コロンボの家で一番テレビを見ているのはドッグだそうで、スパイ物なんかが大好きだとか。そんな可愛いドッグのために壊れたテレビを修理に出すコロンボさんが、そこで出会ったのは修理屋さんに転職したかつての同僚クレイマー刑事(ブルース・カービイ)でした!なんでこうなるの?本当にこのシーンは爆笑です。
この、秒読みの殺人は製作者リチャード・アラン・シモンズのお気に入りだそうで、新・刑事コロンボシリーズにつながる脚本構成だったそうです。まぁ、コロンボ・ファンとしましては「ムチ打ち症」のコルセットを首にまいた姿が見れるのが楽しいです。犯人のケイが育った貧しい家のテーブルで2人自分自身の話しをするコロンボさん。兄弟が5人妹が1人いると告白し自分も貧しかったと言うのです。
そんなコロンボさんは、やはりちょっと年取った感じで何だか寂しい気持ちになるのでした。


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posted by まほ at 17:39| Comment(2) | 第41回 秒読みの殺人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第40回 美食の報酬

セブンス・シーズン

刑事コロンボ

美食の報酬

MURDER UNDER GLASS


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日本放送 78年5月

脚本・・・ロバート・バン・スコヤック
監督・・・ジョナサン・デミ
ゲスト・・・ルイ・ジュールダン



今回のカミサン

せっかくのパーティを夜学の試験でキャンセル!



ストーリー

有名な料理評論家のポール・ジェラード(ルイ・ジュールダン)はTVや雑誌などでレストランの批評をしていました。そこで美味しいと宣伝することと引き換えにして、何軒かのレストランから「レストラン振興協会」名義の隠し口座に大金を振り込ませていました。イタリア料理店のシェフ、ビットリオ・ロッシは、そんな勝手な取り決めを破棄したうえポールのやり方を世間に暴露する事を心に決め、定休日の晩にポールを店に呼び出して話をつけようとしていました。約束どうり店に来たポールは怒り狂うビットリオを見て驚き、出された食事に少し手をつけただけで帰ってしまいました。
一人になったビットリオはワインの栓を開けグラスに注ぎ、それを一口飲むと突然苦しみだします。
甥のマリオが見ている前でビットリオは死んでしまいました。シェフのアルバートの証言などからビットリオが自殺することは考えられません。しかし死ぬ直前にポールと会っていたことがわかって捜査を開始するコロンボ。すぐにポールを現場に呼び出しますが食事を共にした相手が死んでいるのにポールは心配する様子もなく病院に行ったという話しもしない。これは明らかにビットリオを狙った殺人事件だと確信したコロンボは犯人はポールではないかと疑いはじめます。レストラン振興協会のことも突き止めたコロンボは、ここの金を自由に引き出せる謎の女性デマイロ夫人について興味を持ちポールの秘書のイブ・プラマーにカマをかけると彼女はデマイロは自分だとあっけなく白状します。
ポールの批評を恐れ、彼を憎んでいたビットリオ。レストラン振興協会への献金も拒否されたポールがビットリオを殺したに違いない。でも誰もいないレストランで誰がビットリオを殺すことができたのか。コロンボは「カートリッジ式のワインの栓ぬき」に注目して、その針先に毒物が注入されたと判断。しかも、それはフグの猛毒であることも突き止めました。しかし肝心の証拠がない。証拠がなければポールを逮捕することはできません。それを知っていて、コロンボのことが気になるポールはある日コロンボを事件現場のレストランに呼んで2人で料理をしようと誘うのでした。得意の料理を披露しワインを飲もうとするポールとコロンボ。コロンボはポールの持っていたワイングラスを取り上げて「あなたがすり替えたワインの栓ぬきに毒が仕込んであったんですよ、そしてこれが証拠です!」と言ってポールを驚かせるのです。実はコロンボのグラスに毒入りワインが入っていると思っていたのに知らない間に、それらはすり替えられていました。
観念したポールはコロンボは作った料理を一口食べ「あなたは料理人になるべきでした・・・」とつぶやくのでした。


感想

セブンス・シーズンは今までのシリーズとは趣が違うような気がします。特にこの、美食の報酬はそう。犯人はわかっているものの殺人動機が弱いような気がするし、犯人の生活が今ひとつわからないんです。第一みんなから大金を集めて何に使っていたのかが謎なんですよね。そしてこれまたコロンボシリーズ初の「毒殺」っていうのにも驚きました。ちょっと卑怯じゃないですか、毒殺って。今回のお話でもビットリオがワインを飲まなければ事件にならなかったわけだし。そのへんも完全犯罪とは言えませんでも、そんなもろもろのことは置いといても、このエピソードは文句なしに面白いんですよね!
まずゲストのポール役のルイ・ジュールダンがすごく良いんです!若い頃はめちゃくちゃ二枚目俳優でこの撮影当時は50代後半だったと思いますが、まだまだイケてますし〜(笑)フランス生まれの彼はとってもエレガントです。そして目がイイ!ちょっとアブナイ感じがイイんです!毒殺が似合う顔かも。吹き替えもベテランの金内吉男さんでピッタリでした。脇を固める人達も良くてシェフのアルバートはコロンボさんに美味しい料理をこれでもかってくらい作ってくれます。吹き替えは「バカボンのパパ」雨森雅司さん。ビットリオの吹き替えは藤岡重慶さんで、これもまたピッタリ。甥のマリオも好青年でイタリア語しかしゃべれません。吹き替えの徳丸完さんは全編イタリア語!イタリア系のコロンボさんこのマリオくんがお気に入り。彼と話す時はコロンボさんもイタリア語でした。小池さんたいへんそう!そしてそして、この作品の監督がジョナサン・デミで、のちに映画「羊たちの沈黙」でアカデミー賞を受賞します。コロンボ組の出世頭ってとこでしょうか?ポールさんの友達で日本人の「ケンジ・オズ」という人が出てくるんですが、それがなんとマコ岩松さん。映画「砲艦サンパブロ」でお馴染みです。彼とコロンボさんがポールさんの家で「ふぐさし」を食べるシーンがあって事件の解決につながる!なぜかコロンボさんは、そこに来ていた奥ゆかしい芸者さんが気にいったらしいです。これが日本人が見るとあれ?って思っちゃうんだけどなぁ〜。そんな趣味のコロンボさんは、なんとポールさんの秘書役ジェラ・デニス嬢とプライベートでお知り合いになっていました。77年の12月ピーター・フォークとシェラ・デニス嬢は本当に結婚しているんですよね!ピーター・フォークさんと結婚した彼女ってホンモノのカミサンになってしまったわけです。シェラ・デニス嬢はけっこう派手目の美女なんですがまさか、こうゆう趣味だとは正直思わなかったわ(笑)ちなみにピーターさんの結婚は2度目だそうで28年たった今も幸せにくらしているようです。めでたし、めでたし。で、とにかく今回の作品には美味しそうな料理がたくさ〜ん出てきます。イタリアン、中華、フレンチ、日本料理、ケーキまで!ラストのポールさんとコロンボさんが料理対決するところも見ものです。「牛肉の炒め焼き」という料理を作るコロンボさんはカッコイイです。刑事には見えなくて、シェフに見えます(笑)このシーン、ルイ・ジュールダンVSピーター・フォークの火花ちる演技がすごいんです。まさにブラボーです!美味しい料理をたらふく食べて、美しい妻をもらったコロンボ(ピーター・フォーク)さんにとってこの、美食の報酬は忘れられない作品になったに違いありません。

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2007年10月24日

第39回 死者のメッセージ

セブンス・シーズン

刑事コロンボ

死者のメッセージ

TRY AND CATCH ME


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日本放送 78年4月

脚本・・・ジーン・トンプソン&ポール・タッカホー
監督・・・ジェイムズ・フローリー
ゲスト・・・ルース・ゴードン


今回の親戚

会計士志願の甥


今回のカミサン

犯人(アビゲイル・ミッチェル)の大ファンで新作が出ると
その日に図書館から借りている。


ストーリー

多くのミステリーを執筆し、70歳を越えた今も現役で創作活動を続けるミステリー界の女王アビゲイル・ミッチェル(ルース・ゴードン)は、たった一人の身内であった姪のフィリスをヨットの事故で失っていましたが、フィリスの夫エドモンドは無事だったことを不思議に思いエドモンドが最愛の姪フィリスを殺したと確信していました。アビゲイルは復讐を計画します。
数ヶ月後アビゲイルがニューヨークにたつ晩、彼女はエドモンドを自宅に呼び出しました。
自分の相続人に彼を指定し弁護士立会いのもとで遺言状にサインさせます。喜ぶエドモンドに彼女は書斎の金庫室の番号も教えておきたいと言い、反対している弁護士には知られないようエドモンドが一旦車で帰ったように思わせて、また戻ってきて裏口から入るように指示します。こっそり戻ってきたエドモンドに金庫室の番号を教えたアビゲイルは、彼が金庫室に入った時突然、その重い扉をしめてエドモンドを中に閉じ込めてしまいました。そして彼女は空港へと出発します。秘書のベロニカがエドモンドの死体を発見し、アビゲイルが灰皿に隠しておいたエドモンドの車の鍵も見つけてしまいます。警察が捜査を始め一応、コロンボも参加しますがミステリー作家のアビゲイル邸での事件とあって驚きを隠せません。エドモンドはどうやって閉じ込められたのか、金庫室の警報装置の件や、エドモンドの車の鍵が見つからないことから殺人事件の可能性があると思ったコロンボは、金庫室の中をくまなく調べることにしました。もしエドモンドが殺されたのなら何か一つくらいは「メッセージ」を残しているのではないかそうこうしているうちに鉄で出来た黒いケースが4つ重ねてあるのを見つけたコロンボ。よく見るとあちこちに「ひっかき傷」があり調べてみるとエドモンドがベルトの金具でつけたものでした。4つのケースを並べ替えてみると、その傷が天井に向かう矢印に見えてきました。
天井にある電球のソケットをはずしたコロンボ。そこには「死者のメッセージ」がありました。


感想

刑事コロンボ、セブンス・シーズンは短かったシックス・シーズンのあと心機一転して始まり製作者がエバレット・チェンバースからリチャード・アラン・シモンズに代わっています。
彼はシックス・シーズンの最後のエピソードである、殺しの序曲を担当していました。新たなコンセプトに挑戦したいという意気込みがあったようです。ちょっと年取ったコロンボさんが事件を解決するにあたって今までとは違う雰囲気を出そうとしていたそうです。それは犯人やコロンボさんの「個人的な発言や過去」などにスポットを当てることだったようで、今まではコロンボさんはカミサンの話しはしていたけれど自分については、それほど語ってこなかった。
それが、殺しの序曲では「自分のスタンスやポリシー」を淡々と話すシーンがありましたから。
さて、今回のゲストスターは半端じゃない女優さんです。撮影当時79歳のおばあちゃんです。
アビゲイル役のルース・ゴードンは舞台で活躍し、映画「ローズマリーの赤ちゃん」にも出演したベテランの大女優さん!小柄な身体でも実にパワーが感じられて、時にオチャメで可愛い。ミステリー作家には見えないかも知れませんが、彼女とコロンボさんの対決は見ものでした。吹き替えは南美江さん。お顔は思いだせなくても声を聞けば「あっ〜!」と思う人はいるかも。さすが大金持ちだけに、すごい車やブランド物のオンパレード。精力的に講演会などもこなして2年先の作品も出来ているというスーパーウーマンです。ある日のレディス・クラブの講演会になぜかコロンボさんが飛び入りするハプニングがあるんですが、もちろんお客は女性ばかりです。それもみんな帽子をかぶってるという集まりで、そうゆう規則でもあるんでしょうか?(笑)
そんなご夫人方に向かって「私はこの仕事が好きです。人間が好きです。犯人の人柄が好きになり尊敬できるところもあるんです。どんな人間にだって1つは良いところがあるんですよね」などと語ってみせるんです。そうそう今までのエピソードには犯人との心の交流があったものも多いです。今回はコロンボさんのしつこさが和らぎ、お決まりのセリフ「あ、あと一つだけ!」というのをコロンボさん以外の人に言わせたりしています。殺人の動機も老人の姪かわいさのためのという何とも共感できるものでした。エドモンドの車の鍵を見つけてアビゲイルをゆする秘書ベロニカはサード・シーズンの、第三の終章にも出ていたマリエット・ハートレー。アビゲイル・ミッチェルが可愛く見える分ベロニカがイヤな女に見えてしまったりして。この人若いんだか年なんだかわからない不思議な女優さんです。それとアビゲイルさん家の灰皿が砂っていうのも、すごくめずらしいです。
掃除がたいへんそうなんですが、何か隠すにはちょうどイイかも知れませんね(笑)


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posted by まほ at 17:37| Comment(3) | 第39回 死者のメッセージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月09日

第38回 殺しの序曲

シックス・シーズン

刑事コロンボ

殺しの序曲

THE BYE−BYE SKY HIGH I・Q・MURDER CASE


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日本放送 78年5月

脚本・・・ロバート・マルコム・ヤング
監督・・・サム・ワナメイカー
ゲスト・・・セオドア・バイケル


今回の親戚

会計士志願の甥


今回のカミサン

クロスワードパズルの天才


ストーリー

会計事務所ブラント&ヘイスティングスを経営するオリバー・ブラント(セオドア・バイケル)は共同経営者バーティ・ヘイスティングスと学生時代からの親友でした。二人はともに知能指数が高く世界中のトップの2%の者しか入ることができない天才クラブ「シグマ協会」の会員でした。長い間、顧客の金を勝手に横領していたブラントは、その事実をバーティに知られてしまいます。怒りを抑えきれないバーティは、ついに訴える覚悟を決めたと言ってブラントにせまります。追い詰められたブラントはバーティの殺害を計画しました。シグマ協会で会合が行われていた、ある晩ブラントは密かに2階の書斎に忍び込み、そこにあるステレオ装置と自分で持ち込んだ電線や爆竹、傘などを使ってアリバイトリックの準備を行なってから、遅れたふりをして会合後のシグマ協会に出席。バーティを2階に誘い出すとサイレンサーつきの銃で彼を2発撃って殺害します。先ほどセットしていたアリバイトリックの装置を作動させるためにレコードをかけてから仲間のいる1階に戻りました。
数分後、2階で銃声が響きわたり続いて何かが倒れる音がして、さらに銃声が聞こえました。
慌てて2階に駆け上がるシグマ協会員たちでしたが、発見されたバーティはすでに死んでいました。コロンボ以下警察関係者がシグマ協会に入り捜査が始まります。バーティの親友であったブラントやシグマ協会の天才たちに事件のことを聞いて回るコロンボ。そこで浮かび上がってきた疑問は犯人がなぜ殺害現場からすぐに立ち去らなかったのか、1発目のあとバーティは倒れたにもかかわらず2発目の銃弾の弾道に違いが見られないのはどうしてなのか。ブラント&ヘイスティングス社の秘書ジョージの証言などからブラントの不正に気づいたコロンボは、これが殺人の動機に違いないと思います。ある嵐の夜、シグマ協会にブラントを呼び出したコロンボは以前ブラントに出された「金貨の問題」を解き「バーティ殺害事件」のトリックについても、すらすらと説明するのでした・・・。



感想

こ非常に短かったシックス・シーズン。刑事コロンボは、もう終わるのではないかという雰囲気の中で制作された、殺しの序曲はゲストスター、セオドア・バイケルの存在感が光る名作だと思います。
彼は映画出演多数、歌手、ギタリストとしても有名な俳優さんでコロンボ・シリーズの中でも一番の体格の良さを誇ります(笑)吹き替えは田中明夫さんで、これがピッタリでした。いつもは時代劇などで悪徳商人の越後屋みたいな役が多い田中さん。今回は天才の役でしたが、さすがの名演でしたね〜!
舞台は天才が集う「シグマ協会」でコロンボさんの周りは頭の良い人がいっぱいいて、タイヘンです。14歳の天才少女キャロラインなどもいて犯人探しは簡単だろうと期待していたのに、意外や意外!彼ら天才さんたちの推理は少々マヌケな所があり、それに対していちいち気をつかわなきゃならないコロンボさん。それでも結局いつものように怪しいとにらんだブラントさんの家にしつこく押しかけてシグマ協会にあるのと同じステレオを見つけます。わざわざ雨の日を選んで出かけて傘を間違えるワザもコロンボさん一流の捜査法。そして最終回を思わせるシグマ協会でのラスト・シーンには感動します。「金貨の問題」をブラントさんに答えるとコロンボさんは自分のことを語りだします。自分の周りにはいつも頭の良い人間がいました。刑事になった時もそうでした。「で、考えましたよ。自分はセッセと働いて時間かけて、本を読んで、注意深くやればモノになるんじゃないかってね。なりましたよ・・・」「私はこの仕事が心底好きなんですよ」う〜ん、このセリフは本当にジーンときます。ファンとしてはコロンボさんの仕事に対しての気持ちを知りたいと思っていたので。素直で真面目なコロンボさんです。だからあんなにしつこく犯人につきまとい嫌われても挫けないし、それでいてなぜか憎めないし。
さて、今回の天才ブラントさんとの対決は、これまた捜査の天才コロンボさんが見事に解決してしまう。しかし最後の最後でブラントさんは犯人しか知り得ない事実をポロッと白状してしまうのが不思議です。孤高の天才ブラントさんのプライドゆえか、またはコロンボの頭脳に敬服しての行動かどっちにしても犯人がコロンボさんに親近感を抱いたという、またしてもコロンボさんにとって幸運な展開なのでした。え〜、それ以外にも見所がたくさんあるのですが、まずコロンボさんが秘書のジョージと会うレストランのウエイトレスがジェイミー・リー・カーティス。まだ映画デビュー前の彼女は、すごく怖い役です。のんきにドーナツを持ってレストランに入ってくるコロンボさん(マナーがなってないかも・笑)の食べかけのドーナツを取り上げてから、憮然としてオーダーを聞きます。で、コロンボさんは懲りずに「ドーナツね」と答えるんです。まるでコントみたいで大笑いです(笑)それから秘書のジョージが夜遊びに出かけるとスージーという女の子に会うのですが、この子がイカレてるというより悩んでる。どう見てもハイになっているみたいなんですよね。そこにコロンボさんがやって来て捜査が始まる!イカした音楽がガンガン流れるクラブは、まさに70年代を感じます。このシーンも笑えます。わずか3作品で終わってしまったシックス・シーズン。寂しい限りですが、この後の橋渡し役になってセブンス・シーズンが作られることになったそうですから悪いことばかりじゃなかったはずですよね。



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タグ:コロンボ
posted by まほ at 22:24| Comment(5) | 第38回 殺しの序曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第37回 黄金のバックル

シックス・シーズン

刑事コロンボ

黄金のバックル

OLD FASHIONED MURDER


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日本放送 77年12月

脚本・・・ピーター・S・フェイブルマン
監督・・・ロバート・ダグラス
ゲスト・・・ジョイス・バン・パタン


今回のカミサン

カミサンは新聞の人生相談を読むのが大好き


ストーリー

ルース・リットン(ジョイス・バン・パタン)が館長をつとめるリットン美術館は、先祖代々リットン家によって集められた美術品を展示する個人の美術館。現在はルースの弟エドワード姉のフィリス、フィリスの娘、ジェイニーで経営していました。しかし最近は経営不振で弟のエドワードは売却しようと思っていました。独身をつらぬき美術館だけが生きがいのルースはそれだけはやめさせたいという思いにかられエドワードの殺害を計画しました。
ルースの姪にあたるジェイニーが雇った美術館のガードマンのミルトンは実はジェイニーの不倫相手の弟。評判のよくない悪党でした。ルースはそれを知ってミルトンを利用することを思いつき美術品盗難の狂言をする手伝いをするようにミルトンに持ちかけます。美術品が盗まれれば保険が出るので経営危機の心配も消え、ミルトンに対しても高額な報酬を約束すると言うルース。
ミルトンはOKし、ルースの指示どうりエドワードが徹夜で美術品の目録を作っている夜に実行することになりました。そして、その当日美術館に侵入したミルトンが盗んだ品をバッグに詰めていると背後にルースが現われ、いきなりミルトンを射殺してしまいます。その銃声を聞いてエドワードがやって来ると、今度はミルトンの持っていた銃で射殺。お互いに撃ち合って死んでしまった、というふうに見せかけたルースの計画は成功しました。そこにコロンボが登場。真面目な部下ミラー刑事はコロンボが到着するまで現場の物に手をつけないまま待っていました。部屋に入ったコロンボがまず気になったのは真っ暗だということでした。この真っ暗闇で事件が起こったのが不思議でならない。殺人事件が起こり2人とも死んでしまったあと、部屋の明かりを消した人間がいたはずと思いました。
リットン邸に通い美術館をくまなく見て回るコロンボ。さらに、この家族の過去を調べたりしました。ルースともたびたび話しをする機会があり、もしかして怪しいのはルースではないかと疑います。そんな時、黄金のバックルがジェイニーの部屋で見つかりルースは「これは2週間前からなかった」とコロンボに言いますが、殺人事件の晩、目録作りのために録音されていた弟のテープの中にはちゃんと「黄金のバックル」として入っていました。誰がジェイニーを犯人にしようとしたのか?かつてルースが婚約していたピーターは姉のフィリスと駆け落ちして、そのことによってルースは深く傷つきピーターを毒殺したのではないか、という事実も明らかになりました。しかしコロンボはそれを否定します。
フィリス、ジェイニーの前ではっきりと確認したルースはコロンボに手を取ってもらって逮捕されていくのでした。


感想

このエピソードは好きと嫌いが別れるかもと思います。全体の雰囲気が暗くて重たくてラストの事件の解決場面も今ひとつわかりにくい所があって、家族の前でルースは逮捕されるのですが彼女の姉と姪は何もわかっていないんじゃないかと思われるんですよね。あんなに愛していた姪を犯人に仕立てる所やそれとは反対にたぶん憎んでいたであろう姉に対しての態度なども複雑怪奇でルースという女性の本音が掴みづらいんですよね。確かに婚約者を奪われる(それも姉に!)というのは本当にショックです。
姉は自分が美人であることを、自慢し、利用し、それが悪いことだとは思っていません(激怒・笑)男が寄ってくることが当然だと思っているんですよね。それにひきかえたった一人の婚約者を失ってそれ以後、浮いた話ひとつない妹ルースの立場っていうのはかわいそうすぎます(泣)せめて美術館が生きがいでもいいじゃないですか〜!と言ってあげたくなります。でも家族って、わりと理不尽なことを平気で言ったり、行ったりする集団ですから順位づけ?が決まると、それを変えることって難しい。
私がルースさんなら覚悟を決めて家を出るとかすると思うんですけどね。でもあの能天気な姉親子をほっておくことができなかったんでしょう。それにしても弟のエドワードも独身で彼もルースの気持ちわかりそうなもんなのに、ちょっと冷たいです。美術館を売るだなんて勝手だわ〜(笑)などと言いつつ私はけっこうこの作品は好きなんですよね。なんといってもルース役の彼女が良いです。なんと彼女ジョイス・バン・パタンさんはフォース・シーズンの、逆転の構図に出ていたシスターです。コロンボさんが教会に行った時にホームレスと間違えてコートをあげましょうと言ってくれた人です!今回は今風に言えば「負け犬」的パターンの女性の役。冷静で思いやりがあって頼りになるタイプ。男の人が敬遠しがちなのかも知れませんね?その姉フィリス役のセレステ・ホルムはブロードウエイ・ミュージカルから映画にも進出したベテラン女優さん。コロンボさんに会っただけで失神してしまう!昔々のコメディ映画のような雰囲気の人で確かに美人です。若い頃はそれはもう輝くばかりの美しさで男たちをメロメロにさせたんでしょうね。ご本人が美人は得よ!と言っているので、これは本当です。え〜、この作品で私的に最も見ものだと思ったシーンは、コロンボさんが美容院に聞き込みに行ってそこでヘアスタイルを変える所です。これがまったく似合わない!なぜかジェイムス・ブラウン風なのが笑えます。そのまま時計店に聞き込みに行くと店員さんが「イイ髪型ですね」とほめてくれるんです。コロンボさん、嬉しそうだけど本当に恥ずかしそう。そうそうコロンボさんは花粉症のアレルギーで春先はクシャミが止まらないという事実を発見しました。ルースさんの家でカミツレのお茶をもらって良くなったのか、どうなのかはわかりません(笑)それにしても黄金のバックルは灰皿にしか見えない。
そこが一番、面白かった所かも知れません。


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posted by まほ at 21:28| Comment(4) | 第37回 黄金のバックル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月22日

第36回 ルーサン警部の犯罪

シックス・シーズン

刑事コロンボ

ルーサン警部の犯罪

FADE IN TO MURDER



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日本放送 77年12月

脚本・・・ルー・シャウ&ピーター・フェイブルマン
監督・・・バーナード・L・コワルスキー
ゲスト・・・ウィリアム・シャトナー


今回のカミサン

ルーサン警部(犯人)のファン


ストーリー

TVドラマで「ルーサン警部」を演じるウォード・ファウラー(ウィリアム・シャトナー)はエミー賞を受賞し、テレビ界では最高のギャラを取る人気スターでした。彼を発見し売り出して今でもマネージャー的な存在のプロデューサー、クレアはウォードが脱走兵であるという過去を知っていて長い間ウォードの収入の半分を搾り取っていました。しかしそんな生活がイヤになりクレアの束縛から逃げたいと思ったウォードは彼女の殺害を計画します。
クレアがトニーの店に寄ってサンドイッチを買ってから試写会に行くという予定を知ったウォードはその夜、撮影所の衣装部からダウンジャケットやスキー用のマスクなどを盗み出し、小道具部からは拳銃を盗み出します。そして自宅に付き人のマークを招いて一緒にTVの野球中継を見ていました。
ウォードはマークにバルビタール入りの酒を飲ませて眠らせ野球中継を録画セットしてからトニーの店に向かいました。ダウンを着込み、マスクをかぶり、拳銃を持って強盗を装い、クレアの前に現われたウォードは両手を上げて立っているクレアを射殺し金を奪って逃げました。急いで自宅に戻った彼はマークを起こして録画しておいた野球中継の続きを見せます。これでウォードのアリバイは完璧です。
クレアの死体が発見され警察関係者、そしてコロンボがトニーの店に集合します。クレアの死体を見たコロンボは服に残った銃弾の位置が心臓とズレていることを発見し、それが気になるのです。
マスクとダウンジャケットが発見され、マスクに残った化粧品が俳優が使うパンケーキという特殊な物であること、小道具部で発見された拳銃にクレアの夫シド・デイリーのセーターの毛糸がついていて犯人はクレア殺しの罪をシドに着せようとしたこと、またウォードと野球中継を見ていたマークの高価な時計が5分も狂っていたことなどからコロンボはウォードが犯人ではないかと疑い始めます。ウォードが怪しいとにらんだコロンボは撮影所やウォードの自宅に頻繁に出入りし、ついにウォード自慢の最新のビデオシステムを見せてもらうことに成功。「ルーサン警部」と犯人像について話しているうちにウォードを追い詰めていくのでした。凶器の拳銃の中に入っていた空砲を調べたコロンボは「拳銃には指紋はありませんでしたが、この空砲に指紋が残っているんです」とウォードに言います。
実弾と空砲を入れ替える時に空砲の指紋をふき取るのを忘れたウォード。犯人役はやったことがない彼の大きなミスでした・・・。



感想

シックス・シーズンの始まりは、ルーサン警部の犯罪です。ユニバーサル・スタジオで撮影された作品としてはセカンド・シーズンの、偶像のレクイエム以来2本目。お手軽に出来るということでこれほど良い脚本はありません。しかも楽屋落ちのジョーク満載。犯人役はウィリアム・シャトナー。ご存知「スター・トレック」シリーズのエンタープライズ号のカーク船長なのです。以前の作品の、溶ける糸(セカンド・シーズン)にはミスター・スポック役のレナード・ニモイが出ていました。
今回の犯人ルーサン警部というのは、なんと言うかコロンボさんの置かれた立場と似ている!という噂がありまして、この時、高額のギャラを取り自分のやり方にこだわるピーター・フォークさんには風当たりが強かったらしいのです。考えてみれば「コロンボ警部VSルーサン警部」なんていうのは何もそこまで・・・と思えなくもないです。実際の殺人事件を、TV番組で刑事役をやっている人とプロの刑事が協力して解決するなんていうのは面白いとも言えますが、わざわざウォードのことを怪しいなんて言うルーサンの気持ちがよくわからないんですよね。アリバイがあったとしてもクレアとは深い関係にあったんですから。それはともかくカーク船長とは違うウィリアム・シャトナーさんを見れるのは楽しいです。髪の色も違うし体型も違う(笑)吹き替えが大違いでビックリなんですよね!いつもは矢島正明さんですが、今回に限り山城新伍さん〜! 始めは違和感ありありなんです。でも慣れてくれば大丈夫になります。ちょっと卑怯なウォード役はむしろ山城さんがピッタリかも。でも予想に反して山城さんは上手いんですよね、吹き替えが。さすがベテラン俳優さんという感じ。
カーク船長が出るのなら、ということでチェコフも出てくれます。エンタープライズ号の航海士役で幾多のピンチを乗りきった仲のカークとチェコフ。しかし、このチェコフのウォルター・ケーニックがなんとコロンボさんの部下ジョンソン刑事役なのが最高に面白いんです。そんなわけでこのエピソードではエンタープライズ組は顔を合わせることはありませんが(笑)犯人につきまとって撮影所を訪れるコロンボさんは映画で使われたジョーズが泳ぐのを見たり、ウォードのプロフィールが書かれた紙をもらったりして、ちょっと楽しそうでした。ラストの空砲の指紋は予想できなかっただけに、かなりイイ線いってたと思ったんですが、それってウォードがあまりにもマヌケに見えてしまって悲しいな。
「今回(の事件)は同情される犯人の役なんだ」と言うウォードですが「納得してあげてもいいよ」としぶしぶ答えるコロンボさんのセリフが全てを物語っているかもしれませんね。


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posted by まほ at 21:50| Comment(1) | 第36回 ルーサン警部の犯罪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月21日

第35回 さらば提督

フィフス・シーズン

刑事コロンボ

さらば提督

LAST SALUTE TO THE COMMODORE


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日本放送 77年10月

脚本・・・ジャクソン・ギリス
監督・・・パトリック・マクグーハン
ゲスト・・・ロバート・ボーン




ストーリー

オーティス・スワンソンは大きな造船会社を経営しており「提督」と呼ばれていました。今は娘のジョアナの夫チャーリー・クレイ(ロバート・ボーン)が社長になって実権を握り見かけは上手くいっているようでしたが実は「提督」はチャーリーの儲け主義が気にいらず密かに会社を売ってしまおうと考えていました。
その夜、スワンソンが自身の邸宅で殺されました。その後始末をするチャーリー。チャーリーは提督の服を着込みヨットで海に出て死体を捨てると潜水服に着替え自分だけ泳いで戻ってきます。
翌日、提督の船と死体が発見され警察が出動。コロンボもクレイマー刑事、新人のマック刑事とともに現場に向かいます。捜査を続けるうちに提督は船に自動操舵装置を取り付けようとした時船が傾いて後部の帆(ミズンブーム)がジャイブして頭を打ち死亡したのではないかと思われチャーリーの説明からも、つじつまは合っているように思われました。しかし解剖報告によると提督は水を飲んでいないことがわかり、これは海に落ちる前に殺されていたのではないかという疑問が湧いてくるコロンボ。殺人事件と断定したコロンボは提督の部屋をしつこく調べ犯行現場はこの場所ではないかとピンと来ます。そして犯人はチャーリーに違いないと。ところが、そのチャーリーが何者かに殺されてしまいます。いったい提督とチャーリーを殺した犯人は誰なのか。コロンボは提督の遺産相続について弁護士のケタリングなどに話を聞き真犯人をあぶりだそうと計画をねり、娘のジョアナ、提督の甥スワニー、弁護士のケタリング、造船所の女性エンジニアのリサ、造船所所長のウェインらを一堂に集めて、この事件についての謎解きを始めるのでした。提督スワンソンは孫ほども年の離れたリサと結婚の約束をしていました。しかしリサは金目当てだと思われるのがイヤで提督に遺言状を書き直させていました。新しい遺言ではリサはお金をまったく貰わず、ジョアナに少しだけ相続させて残りの財産は全て寄付してしまうというものでした。クレイマーとマック、そしてコロンボは「提督の時計」の音を集まった人々に聞かせて、その反応を見ていました。提督とリサが結婚する前に遺産を手に入れたい人物、それがこの殺人事件の犯人に違いありません。ジョアナに罪を着せ、彼女が犯人だと思い込んでいた夫のチャーリーをも殺した犯人は提督の甥のスワニーでした・・・。



感想

フィフス・シーズンも最後になりました。この、さらば提督はコロンボ史上最もめずらしい作品で今までになかった新しさでいっぱいです。いつもは一人で黙々と捜査するのが好きなコロンボさんですが今回はコンビを組んでお仕事するんです。クレイマー刑事は時たま見かけるキャラなんですがまったくの新人さんシオドア・アルビンスキー刑事が出てくるんです。彼のあだなはアイルランド系じゃないのにマックで、このマック刑事に手取り足取り教えてあげるのがコロンボさんの役目です。マック刑事は、まだ29歳のエリートで将来有望なナイスガイ。そんな彼と中堅どころのクレイマーそしてコロンボ先生!?とのやり取りが面白いのです。現場検証にしても証拠品にしても、いちいち確認するように大げさな態度で捜査を進めていきます。そんな中でコロンボさんは、きっと自分が年取ったことを感じたりしたことでしょう。実のところ、刑事コロンボ・シリーズはこのシーズンで終わりにしたいとピーター・フォーク自身、考えていたようです。そんなこともあってこの作品にはこれまでにない独特の雰囲気があります。まったり感があるというか、のんびり感があるというか。いつものようなしつこいキリキリした捜査をするわけでもありませんし。それはこのエピソードの監督がパトリック・マクグーハンであることが大きなポイントです。彼はフォース・シーズンの、祝砲の挽歌にゲスト出演して大好評を得ました。フィフス・シーズンでも、仮面の男に出演、監督もこなしコロンボ・シリーズには欠かせない人になっていました。今回でコロンボ最終回か?の噂がある中、定番にこだわらないチャレンジをして見せたのでした。アガサ・クリスティの「ポワロ」がやってみせるようなラストの事件解決の謎解き場面は本当に見ものです。「コロンボ」ファンであり「ポワロ」ファンでもある私には非常においしいシーンでした(笑)でもポワロほど明快じゃない所がコロンボさんらしいかも。そうゆうことは置いといて。この作品はとても楽しいものになってます。
みんなが犯人だろうと思っちゃうチャーリー役はロバート・ボーン(声・西沢利明さん)だし。娘のジョアナの吹き替えは東宝怪獣映画でおなじみの水野久美さん。提督の婚約者リサが座禅をしている横でマネするコロンボさんには大爆笑だし。犯人のスワニー役はサード・シーズンの、毒のある花に出ていたフレッド・ドレイバー(声・佐藤英夫さん)はフォース・シーズンの、5時30分の目撃者にも出ていました。弁護士のケタリングさん、提督役の俳優さんも前にコロンボに出てましたね。事件を解決して最後の最後、小さなボートに一人乗って沖に漕ぎ出すコロンボさん。「さよなら〜」って思わず声をかけたくなりますが、いえいえどうして「もうちょい、やらせてよ」と言いながら不滅の刑事!コロンボさんはカムバックすることになるのです(笑)。


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posted by まほ at 21:30| Comment(1) | 第35回 さらば提督 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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